老舗のブランディングでやったこと2
週末お休みしていまして、平日更新していきます。今日もブランディング関連のお話、老舗の企業に対するブランディングの話を続けます。
これはすごく大事で、全社のキーパーソンが全て同じ方向を向いて、強いブランドをつくっていこうと理解をして、活動をサポートしていくということがその後のブランディングの活動の進捗に関わります。そのための共通理解を持つということはとても大事です。
さて、そのワークショップ型の研修では、ただ単にブランドについての理解を深めてもらうためのレクチャーをしただけではなく、自分たちのブランドについても考えてもらうようなエクササイズをしました。
前述のような「自分たちのブランドをもっとこのようにしたいという目指すべき方向性」を見出すようなワークを全体でやりました。これはすごく大事なことなのですよね。なぜなら、ブランドの方向性というものは、ブランドに携わる関係者の中に往往にして既に存在しているからなのです。決して外部の人にお任せしてしまってオッケーというものではなくて、自分たちの内部に、こうありたいというヒントが潜んでいるのです。
ブランドの方向性は自分たちの中にある。
したがって、我々のようなブランドコンサルタントのやることは、その想いや、向かいたい方向性、自分たちのブランドに関して誇りに思っていること、大事にしたいこと、さらに付加していきたいイメージなどを、ツールを活用しながら引き出して、まとめていく、そのようなことを大事にします。
(ゆくゆくはこの老舗ブランドのケースをリアルな事例としてまとめて、このワークショップの手法などもこちらで共有したいと思います。)
例えばですが、単純化して紹介してみますが、その老舗ブランドでは、「伝統」「親しみ」「安心感」など今あるブランドイメージを大切にしたい一方で、もう少し「先進感」「高級感」を付加していきたいという意見が数多く上がったとします。
その際に、私たちは、その言葉だけではなく、どのような先進感、高級感なのか?写真やイメージワードを使いながら、より具体的にしていきます。けっこう人によって言葉は同じでもイメージしていることが違ったりするので、そのような齟齬のないように、なるべくみんなのイメージを形式知化します。
もちろん、イメージワードだけではなくて、それを支えるどのようなファクトがあるのか、そこも洗い出します。ファクトがなければ、単なる夢になってしまいますので、具体的な商品や技術などビジネスの現場とどのようにつながっているのかなど、ファクトとの紐付きもとても大事なことです。
これらの様々な情報を一度全て場に出してから、そこで出た議論を整理する。それは私たちが後日持ち帰ってから行います。有益な議論を単なる議論に終わらせるのではなく、次のステップにつなげていくための合意形成の資料作りになるので、それはとても大切なステップになります。
幸いこのケースでは、私たちのまとめた資料が経営陣から認められて、その後のステップへと進みました。様々な事情がありまして、新しい製品開発をして、その中でブランディングを進めていくということになりました。
ということで私たちは、ブランドの方向性も加味しつつ、また世の中の動向なども加味していくつかの新製品開発方向性(コンセプト)を考えることにしました。
老舗ブランディングは続きます。
(つづく)
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