【怖い商店街の話】 果物屋
その商店街には、たかぎ屋という果物屋があった。
店を構えて、すでに五十年は経とうとしている。
先々代はトラック一つで日本中を巡り、ビニールハウスや果物の木を見つけては実を一つ売ってもらい、気に入った果物は必ず売買契約を交わして店に戻って来た。
口が上手く、諦めが悪い先々代は、断られても何度も何度も頼み込み、相手が諦めるまで足を運んでいた。
さらにお客からの要望があれば、先々代はどんなものでも仕入れるという熱心さもあった。
そんなたかぎ屋には、絶品の果物が多種多様に並び、遠方