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結婚指輪をつけない妻と2個つける私

私の妻は結婚指輪をつけない。一方私は2個、結婚指輪をつけている。別に2回結婚したわけではない(2回結婚して2個ともつけていたらまずいですね)。
彼女が最初の結婚指輪を落としてしまったので買いなおしたのだ。手袋を外した時に抜けてしまったらしい。それで買いなおそうということになり、そんなに高くない指輪を買いなおした。今度は外れないようにと少しきつめの指輪にしたら、つけているのがきついらしくつけるのをやめてしまった。
まあ結局のところ、指輪とかの装飾品を身につけたくないから、ちょうどよい理由を見つけて指輪を外したのだと思う。

というわけで私は最初の指輪と買いなおした指輪の2つの結婚指輪を持っている。なぜ二個とも付けているかというと、最初の結婚指輪(銀座で買ったカルティエのプラチナのリング)を購入してから体重が20キロくらい痩せたせいでぶかぶかになり、すぐ外れてしまうので、新しい指輪を外側につけて外れないようにしているのだ。買いなおした指輪は3000円くらいの貝殻の装飾が入った指輪だったと思うけれど装飾は全部とれてしまって今はただのシルバーの指輪だ。結婚したころは、カルティエだティファニーだという私の物欲に妻も付き合ってくれていたのだけれど、買いなおした時は私の物欲もなくなり、機能性重視の結婚指輪を札幌のロフトで買いなおした。最初のカルティエの結婚指輪のデザインも気に入っているので二つともつけている。カルティエの指輪の外にロフトの指輪をしている形だ。

機能性重視の結婚指輪ってなに?という感じだけれど、要するに簡単に外れて失くしてしまわないことと、「私は結婚しています」と明示する2つの機能だ。結婚指輪をつけない男性も結構いるようだが、私の会社の人たちはかなりの割合で結婚指輪をつけている。私の父親はつけていなかったので(持っているかどうかも知らない。大工で手を使う仕事なので邪魔なんだと思う)男が指輪をしているイメージがなかったのだけれど、入社して既婚の先輩社員がみんな指輪をしているのを見てなんとなくいいな、と思っていたので結婚してからは常に身につけている。うちの会社の男性の既婚者は、ほとんど指輪をしている印象がある。

というわけで私は結婚しています、と明示する機能を持つ結婚指輪を左手の薬指に2つもしているのだけれど、昨日隣の席の、4月から部下になった入社2年目の女性社員に「まつろーさんは結婚しているんですか?」と聞かれた。

えっ?なんで?指輪2つもしているのに。結婚していないように見えるのだろうか。結婚していないのに左手の薬指に(2つも)指輪をする人がいるのだろうか。

聞いてみてその理由が分かった。4月に異動してきたその日に、私が「今日は結婚記念日なんで定時で帰りまーす」と言って私がさっさと帰り、そして私が帰ったのを見た隣の部長が「そういえば今日はエープリールフールだな」とつぶやいたらしい。そう、私の結婚記念日は4月1日なのだ。

それを聞いた部下は私が本当に結婚しているのわからなくなり、ずっと気になっていて、昨日になって私に聞いてきたのだ。つまらないことでもやもやさせて申し訳なかったと思うけれど、それにしても指輪をして結婚記念日だなんだと言っている職場の上司なのにそれでも結婚していないかもしれないと思われるのは、それほど私から家庭のにおいがしないということだろうか。

妻と二人で身軽に生きていて、家族というよりずっと仲のいい恋人同士のような関係が20年以上続いている。そういう雰囲気が現れていて、家庭のにおいを感じさせないのだろうと、とりあえずは良いように解釈しておこうと思う。
それにしても、結婚していないのに結婚指輪をして結婚記念日なんで帰りますとか嘘ついている上司だとしたら相当怖いと思うのだけれど、私は一体どんな風に見えていたのだろうか…。


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