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泥臭く生きる_泥のにおいを知ること

休日はいつも3時間から4時間ヘトヘトになるまで体を動かしているのだけれど、今年に入ってから5kg近く体重が増えた。理由は明らかで飲み会の増加だ。

今年の5月からコロナの制約が実質的に解禁され、そのタイミングに合わせて社内外のあらゆる関係者が大挙して札幌にやってくるようになった。3年分のうっぷんを晴らすように。

3年前の自分はといえば、白老町しらおいちょうという町で働いていて、飲み会と言えば白老町の「ファミリー居酒屋河庄」という居酒屋に何か月か1回、職場のメンバーと行くくらい。

河庄のマスターは自ら山に登ってキノコ狩りをして、それを鍋にしてくれる。20種類くらいのキノコを使ったキノコ鍋は絶品で、白老町に行くことがあれば、絶対に食べてほしい一品だ。本当にうまい。


あれから3年。社内でそれなりの立場になって、札幌で仕事をしている。コロナ解禁を待って社内外の関係者がこれでもかと札幌を訪れ、そのたびに食事に行くことになる。

個人的に飲み会は大好きなのと、食べることも大好きなので、飲み会の機会が増えるごとに私の体重も増える。気が付けば5㎏もの無駄なぜい肉が私の体にまとわりついている。

体重が増えようが運動の頻度は変えていないのだけれど、明らかに体が動かなくなっている。老化かなと思ったけれど、たぶん単純な体重超過だ。

体が重くなると、単純にロードバイクでのヒルクライムのタイムが遅くなる。ヒルクライムは重力との闘いなので、自分の体重が増えれば、それがタイムロスに直結する。

そして、重い体を引きづって運動することは単純につらい。

運動するのがつらくて、運動の強度と頻度が落ち始める。飲み会の頻度は増えるばかり。体重は増え続け、運動の強度と頻度が落ちる負のサイクル。10年以上かけて少しづつ短縮してきたヒルクライムのタイムがここまで簡単に元の木阿弥になってしまうことに、絶望に近い無念さを感じる。スイスイと私を追い越していくライダーたち。ついこの間まで、自分も同じペースで走ることができていたのに・・・。


そんな負のサイクル。
私はどうすればいいのだろうか。

今の運動習慣をやめてしまったら、きっとすべてが終わる。5㎏どころではない体重増加が待っている。

仕事としての飲み会を制約する。飲み会の時の食事を制限する。それができていたら、そんなに悩む必要もない。それができないから困っているのだ。

結局、自分にできるのは今と同じように運動し続けることだけだ。
体重が増えようが減ろうが、休みの日には3時間、4時間かけて運動をする。

負のサイクルを断ち切りたくて過剰な運動をしてもきっと続かないだろう。自分が今までやってきたことを泥臭く続ける。それなら今の自分でもできる。一度やめてしまったら二度とできなるかもしれないけれど、今の自分なら、まだそれを続けることができる。自分ができることを続ける。それこそが今の私ができるほぼ唯一のことだ。


負のサイクルを断ち切るためにできることはほとんどない。
そんな負のサイクルにはまった私ができること。
それは、今のサイクルを泥臭く続けることだけだ。一発逆転なんて考えずに。

今の生活をやめた瞬間、私は負のスパイラルの底まで一直線に落ちていくことになる。その瀬戸際に、私はいる。

そこから踏みとどまるために、私は今を泥臭く生きている。
それは運動習慣だけでなく、普段の仕事も、家庭生活も同じだ。

体重は増加し続け、仕事はうまくいかず、妻からはあれやこれやと不平不満を言われる。

そんなとき、私ができることは、それまでと同じ生活を泥臭く続けることくらいだ。それを少しでも改善することを考えながら。


全てを解決するようなアッという解決策なんて、ない。

泥臭く生きることしか、私にはできない。たぶん誰もが同じだ。
一発逆転なんて考えず、泥臭く生きることを私は強くおすすめしたい。

泥臭さの意味と泥のにおい。
それを知ることは長い人生を生きる上でとても大切なことだと、私は強く思う。


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