見出し画像

大自然で仲直り

ある日、僕達 3人兄弟とその子供達と登山した。

3人の大人と子供達7人総勢10名。1時間もあれば頂上まで行ける山なので、少しナメてかかっていた。軽装で飲み物は各々500mlぐらいのジュースや水筒で登山スタート。

画像2

と思いきや、子供達が揉め出す。杖になる木の枝を探し始めたのだが、奪い合いや木の枝を振り回し始める。走り回る。泣き叫ぶ。収集がつかない。そして最年少息子の根底を覆す一言。

画像1

「登らなーい。歩けなーい。」

⁉️えっ❓さっきまでノリノリだったじゃない。

もう皆登り始めたよ。

こんなハズじゃなかった。もっと写メ撮ったり、休憩しながら「いい眺めだねー」って言いながら行けると思っていたが、まさかの重い荷物が増えての登山。何度か登った事があるので高を括っていた。登山道は思ったより急な斜面で表面が岩滓(スコリア)で覆われているので、ズルズル滑って登りづらい。加えておんぶを嫌がる息子を抱えて登る。強い日差しと頂上まで続く長い登山道。中腹辺りでちょっと休憩。

争いが勃発

皆で斜面に腰を下ろしジュースを飲み始めた時、末っ子の甥っ子達のケンカが始まる。きっかけは水筒の水より、炭酸のジュースが飲みたいからちょっと頂戴と言ったら断られた。1人は泣き出し、1人は拗ねて先に登って行ってしまう。

「僕が先頭で行きたいのにー。」

この2人は良く揉める。年も近いから対抗心を剥き出しにして小競り合い。そしてすぐ親に報告して両方泣き始める。何時もなら姪っ子や娘が仲裁するのだが二人も喉が渇いていたのだろう。知らん顔で水分補給。息子もカロリー消費無しでオレンジジュースガブ飲み。呼応するように響き渡る2人の泣き声も無視して再び登山。甥っ子達は今度は息子ばかり抱っこしてもらってズルいと言い出す。もう醜い足の引っ張り合いだ。

「うるさい‼️黙って登れ‼️」

僕は余裕がなくなっていた。足と腕がプルプルしてる。徹夜明けの弟も息子を交代で抱き抱え、もう1人の弟は体力が有り余る小学生軍団と先頭をグングン進む。振り返る余裕はない。大人もてんてこ舞い。

大自然は時に人間に厳しい。特に人の弱さに

頂上に到着。

画像3

息子よ

歩けないと言っていた息子は元気に走り出す。

お前…。

二礼二拍手一礼のお参りをして皆で記念写真。

画像4

皆顔が真っ赤にして良い顔してる。

上段でポーズを決めている2人も喧嘩していたのも忘れてる。そして仲睦まじく語り合う。

画像5

大自然は

その大きさで人のヤラシさを優しさに変える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?