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サッカー日本代表を初めて本気で応援した日

12月6日、朝3時に布団に入りアドレナリンが鎮静されないまま4時間後に起床。私のように寝不足だった方は非常に多くいらっしゃったのではないでしょうか。

クロアチア戦、勝ちたかったですね。
ベスト8まで本当に…本当にあと一歩でした。

グループ予選が終わり決勝トーナメント真っ只中のサッカーワールドカップ。数多くの強豪チームの中から頂点を決めるオリンピック並みに大規模な国際大会。
けれど私は元々スポーツ観戦をあまりしない人間で、正直「テレビでやっている時に気が向いたら観る」ぐらいの熱量でした。
母親がママさんバレーをやっていた事もあってかバレーは昔からよく観る方ですが、野球なら高校野球、サッカーならワールドカップといった具合にしかあまり興味が湧かない。あ、でも何年か前のWBC(日本が世界王者になった時)は食い入るように観た記憶があります。
私はスポーツの中ではバスケが1,2を争うくらい好きなのですが、残念ながら殆んど地上波放送しないんですよねぇ…。あとはフィギュアスケートは大体欠かさずに観ます。

そんな私がニュースで日本の大躍進を知るうちに気付けばAbemaでドイツ戦、コスタリカ戦、スペイン戦を一気見。そして迎えた5日の24時。そこには深夜という事も忘れ近所迷惑も考えず、テレビの前で大声を上げ彼等の試合に一喜一憂する自分が居ました。

「サッカーって面白いな」
「スポーツの力って凄い」

そう強く感じました。
それと同時に、サッカーの基本的なルールしか知らない私でもこんなに熱くなれたのは何でだろうと疑問に思ったのです。

上記で殆んどスポーツ観戦をしないと言いましたが実は機会があって、バスケ、野球、バレーは生で観た事があります。その時も今回と同様チームや競技情勢なんかにも詳しくないままでしたが、とても楽しかったのを覚えている。
会場の熱気や肌で感じる特有の雰囲気は理屈ではあまり上手く語れない部分もあるだろう。だけどスポーツ観戦という観点で考えてみて1つ理由を挙げるとすれば、選手達がその競技に全てを懸けている事を知っているからでしょうか。

選手が全力を尽くしているからこちらも全力で応援出来る。自国チームが出場しているならなおさら躊躇う必要がない。
あとこれは普段欠かさずに観戦している訳ではないからこそ感じたのかもしれませんが、次はどんなプレーをするのか、そのプレーに対して自分の気持ちはどう動くのかとドキドキしながら見守るという感覚がとても新鮮で、漠然と「ああなんかこういうのっていいな」と思った。
普段は自分のことで精一杯だけど、誰かの為に喜んで、時には泣いたり怒ったり。そういう瞬間が常にではなくてもたまにでいいからあってほしい。スポーツは比較的気軽に “感情の共有が出来る” から素敵だなと思う。

少し脱線しますが。 
スポーツ観戦ではなくても、日常生活で誰かを応援する機会もありますよね。

その人が頑張っていると見て取れれば「頑張ってるね」「応援してるよ」と声をかけたりも出来るけれど、それは裏を返せば、やる気のない人を見ても応援しようという気持ちにはならないという事でもある。

だけど、特に職場では誰かが全力投球している姿ってなかなか見ないじゃないですか。(職種や環境によってはあるのかもしれませんが少なくとも私が働いてきた場所ではなかった)
しかも陰ながら努力するような人って、応援される事に抵抗があるような気がして。実際私がどちらかと言えばこのタイプなので余計に考えるんですよ。「本人からすれば特別な行為でもないのにそれを評価されると逆に恥ずかしいと思うかもしれない」とか「何故それだけ頑張っているのか理由も知らないままただ頑張れと言われても嬉しくないんじゃないか」とか。憶測が過ぎるとは思いますが。

でもそう考えると、何かをしている “最中” に応援をするって結構難しいのかもしれない。だけど自分が頑張っている時に何も声をかけられないのも寂しい…。(面倒な奴)
だったらせめて、何かをやり遂げた時乗り越えた時には「頑張ったね」とか「お疲れ様!」と言える人間でありたい。
他人と比較し過ぎるのは良くないですが、誰かが何かを頑張っている様子は自分を見つめ直すきっかけをくれるチャンスかもしれません。


では話を戻して。
今回のワールドカップで特に記憶に残った選手をピックアップしてちょっとだけ振り返りしてみます。
(※にわかの感想なので的外れな事を言っていてもスルーしていただけると助かります※)

〖三笘薫選手〗

攻守に渡り素晴らしい活躍でした。ミーハーですが、今回のワールドカップで一気にファンになってしまいました(照)
「ピッチに出れば必ず流れが変わる」と仲間もサポーターもメディアも観客(私)も全員に思わせてくれる。彼は何だか仙道みたいなプレイヤーだなと思いました。サッカー選手なのにバスケ漫画のキャラクターに例えるのもあれですけど。(※SLAM DUNKに出てくるキャラクターです)
実際彼が交代する時は「何とかしてくれーーー!!」って叫びました(笑)
素人目から見ても相手を圧倒しているのが分かりましたし、ピンチの場面でもこの人なら何とかしてくれるという安心感を持って手放しで応援出来るのって、まさにこれが “スター選手” ってやつなんだろうなと。
あと個人的に1番驚いたのが、「パスも巧いのかよ!!?」という所。チームスポーツを経験した事があるのでなおのこと思うのですが、いいシュートを打つよりもいいアシストをする方が断っっ然難しい。攻撃的ポジションの選手は個人技に偏っても可笑しくないと思いますが、彼はちゃんと味方を活かすプレーも出来る。それが本当に凄いと思います。

〖堂安律選手〗

絶対的な攻撃の要。彼は所謂ビックマウスと呼ばれていますが、試合を見るまではそのイメージが先行して何となく苦手でした。けれどそんな呼称すら蹴散らしてしまうくらいのゴールへの執念と自分に自信と誇りを持った人なんだなと思いましたし、サッカーが大好きだからこそ強くなりたい、勝ちたいと努力する人なんだと分かって、彼のプレーは見ていて凄く気持ちが良かったです。
私は大口叩いて胸を張るような度胸がないので彼のようなタイプは憧れますし、純粋に人として格好いいと思いました。高い目標を敢えて公言するのは自分を鼓舞する意味もあるんだなと彼を見て理解出来ました。
言葉に出すのって思っている以上に大事なんだろうな、スポーツ選手は特に。言霊ってあるし。

他にも伊東純也選手の鬼のような体力に脱帽したり、前田大然選手の自分の仕事を全うする走りに敬服したり、挙げていくと本当にキリがないですが、選手全員が自分の役割を果たし、その信頼の下チームが一丸となってプレーしていたなぁと思います。
ベスト16の壁を越えられなかったのは実力がまだ足りないからと結果論では総評されるでしょうが、

「それってつまりこれからもっと強い日本を見られるの!?」

と、ワクワクしてしまったのは私だけではないはず。

Abemaで観戦していたのですが、本田圭佑GMが解説で言っていた言葉で1番印象的だったのがあって。
「サッカーって面白いなぁ」って言ったんです。凄くシンプルに、染々と。
相手チーム(多分コスタリカ戦だったはず)の一見雑に見えるパス回しに対して “適当にパスしても攻撃やチャンスに繋がる事がある” という解説の中で出た言葉だったんですが、プレイヤーとしての経験のある立場から見ても解説者として俯瞰で見ても新たな発見があった。今回のワールドカップはそんな、今までにない試合だったんじゃないだろうか。

正直な話、今までは「日本は弱いから強豪国になんか勝てる訳がない」と端から勝手に彼等の限界を決め付けていました。ドイツに勝ったという事実がなければ私はその後の試合を見ようと思わなかったし、彼等の本気を知る事もなかった。無知を当たり前にしていた事を恥ずかしいと思ったし、そんな自分が情けなくてとても反省しました。

私は彼等のプレーから凄まじいパワーや勇気を貰いました。そして何よりサッカーの魅力、スポーツの力を改めて知る事が出来て心から感謝しています。
これからは本気で、彼等をはじめ頑張っている人達を応援していきたいと思います。


最後に。
今回の試合を見なかった人や、今まで試合観戦をした事がない人は何でもいいので是非スポーツを見てみてほしい。
きっと、感じるものが確かにあるはずだから。