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【シナリオを書く編集者】と【シナリオを書いてもらってる漫画家】

X(ツイッター)でエゴサーチをしていたら、たまたま、商業誌で漫画作品の【シナリオを書く編集者】のことを【敏腕編集者】とか【群を抜いて優秀】とか【天才編集者】などと宣っている漫画編集者さんの投稿を見つけた。
https://twitter.com/mikunikko/status/1698854852926042172

実際そんな編集者が存在することは昔から知っていたし、
拙著『邪宗まんが道』にもそれは書いてある。し、それは邪宗まんが道を公開した命題のひとつでもありました。
しかし、
ツイッターで自らそれを披露してる編集者を見たのは初めてだったので、少し驚いた。
つまりこの編集者は、商業誌で漫画を描いている漫画家はみんな絵を描いているだけの凡才ですよってことを暴露しているわけで、もはやこんな時代になってしまったら、自分でちゃんとシナリオを書いている才能ある漫画家は商業誌で仕事しなくなるんじゃないかな、とか思った。ただの絵描きとか凡才とか思われたくないだろうし、真の天才なら。

僕は映画とかドラマのレビューはするのに、漫画作品のレビューを全くしないのは、実はこれがあるからです。

編集者がシナリオを書いた漫画作品を、知らずに、褒めたり評価したりするのが嫌だからです。

話も自分で考えて、(当然だけど)絵も自分で描いて、その上で面白い。そんな作品を褒め讃えたいし評価したい。
僕は、ただ絵が上手いだけの漫画家は評価していません。絵描きとしての評価しか出来ません。漫画家はストーリーを作ってナンボです。
と個人的には思っています。

だけど現状、誰がそんな【真の天才】なのかは分からない。

いくら「私は自分でシナリオを書いている、才能ある漫画家です」などと言葉で喧伝しようが、それでは真の証明にはならない。

真に才能ある漫画家が、今、それを証明するには、商業誌ではない媒体で作品を発表して評価を得る。それしかないわけです。
真に才能ある漫画家であるならばそれは簡単に出来るはずです(でしょ?)。
そしてマネタイズも今は簡単に出来ます。(ですよね?)真に才能があるならば。

つまり、
件のツイートを読んで、嗚呼、これで漫画の商業誌は完全に滅ぶな……とか思った次第です。

と言うか、
前々から、商業誌なんかで漫画描いて天才とか言われてる人を見ても、僕は疑ってました(実は)。ホントは編集者にアイデアもらったり話考えてもらってるんじゃないの?とか。

でも、
こんなことに拘っているのは僕くらいなのかな?
自分の才能のレベルとか、他人の才能のレベルとか、そんな創作の内情と、作品の面白さは全然関係なくて、読者は、作品が面白ければ、どんな作り方をされてようがどーでもいいことですもんね。やっぱり。

でも、今後、
漫画業界がどのようになっていくのか、漫画家の生き方? 創作のあり方? 正解は人それぞれだろうけど、やはり気になりますね。

ただやっぱり、
「あの漫画のストーリーは実は俺が考えてんだよね~」
とか言ってヘラヘラしてる編集者は嫌いだな。
つーか正直むかつく。
じゃあ自分ひとりで小説でもなんでも書いて売ってみろや、それが才能の証明ってもんやぞ、二人三脚では【一人前】とは言えんのよ、お分かり? どんなに売れようが半人前、ごまめ、シナリオ書いたくらいで「天才」は無いわ、絵が魅力的だったから売れたんでしょ?
とかね、思うわけです。

あとね、
売れればいいだろってもんでもなくて、まあ人によるでしょうけど、プライドってもんがあって、他人の作った話で作品がバカ売れして億万長者に成っても心は全く満たされなくて酒浸りになって……………………
なんて例もあったりね。いろいろ思うわけです。人生色々ですね。

とは言え、
件のツイート「ほぼ漫画業界コラム」という回顧録シリーズ、あれを僕は全面的に非難しているわけでは無く、ある意味では、読むに値すると思っています。
拙著『邪宗まんが道』に登場する漫画編集者達が、なぜ、作中にあるような卑しい行為(シナリオを書く能力の無い編集者がシナリオを書いているフリ)をするのか、その行動原理となる体制的な暗部――あの出版社に於ける悪しき因習ですね、その模様が「ほぼ漫画業界コラム」の中でつぶさに語られているのですが、その一点にのみ、読む価値があると僕は思うのです。
つまり、
僕の小説が単なる恨みや被害妄想によって事実を歪曲して大袈裟に書かれたものではない、ということの確かな証明になっているわけですね「ほぼ漫画業界コラム」は。邪宗まんが道の副読本としての価値と言うか。
この辺り ↓ から読むとよく分かります。
https://twitter.com/mikunikko/status/1698134484523368739


あと、
クリエイティビティに関する興味深い映像も見つけました。
養成所時代のダウンタウンの浜ちゃんが、
「どちらがネタを考えるんですか?」と質問されて、
「半々で」と聴き取れないような弱々しい声で嘘をつく映像。

自分でネタを創らないことは、こんなにも恥ずべきことという精神状態が如実に表されていますね。

こんな具合に、ストーリーを自分で考えているフリをしている(恥知らずの情け無い)売れっ子漫画家もいれば、その逆に、あの漫画のストーリーは自分が考えていると嘘をつく(恥知らずの卑しい)敏腕編集者もいます。
詳しくは ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

いつ頃から漫画業界は、かくも醜く歪んだ業界に堕してしまったんでしょうね。まあ僕はとうに出版業界には絶望してるので、どーでもいいことなのですけどね、ただ、真実は知って欲しいなと。(クソどもが)。

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