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成長のヒントは、いつもクラブの歴史の中にある。|松本山雅代表取締役社長 神田文之 インタビュー(後編)

松本山雅FCの代表取締役・神田文之社長に聞く、クラブと地域の関係性。前編では、松本山雅の「ハブ構想」やサポーターと一緒に育ってきたチームのお話を聞きました。

〈インタビュー前編はこちら

後編となる今回は、ホームタウン活動である「スマイル山雅農業プロジェクト」の発足や今後目指す未来について聞いていきます。

前回に引き続き、事業PRパートナーであるquodの共同代表・中川雅俊からインタビュー形式でお送りします。

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神田文之(かんだ・ふみゆき):1977年9月29日生まれ。山梨県出身。東京学芸大学卒業後、当時J2のヴァンフォーレ甲府に入団し、サッカー選手としてのキャリアをスタートさせる。2005年、当時北信越リーグ2部の松本山雅FCに加入し、その年の優勝に貢献した。2005年をもって現役を引退し、東京都内の不動産関連企業で営業職に従事。2012年4月より株式会社松本山雅に入社。2013年2月に総務部長、2014年4月より取締役管理本部長を歴任し、総務・営業業務を務める。2015年より代表取締役社長に就任。

地域の課題を解決しながら、関わる人たちを幸せにしたい

中川:前回に続いて、ホームタウン活動についてお聞きしたいと思います。山雅のホームタウン活動の一つ、「スマイル山雅農業プロジェクト」で農業に取り組んでいますが、発足のきっかけはどんなことだったんですか?

スマイル山雅農業プロジェクトについてはこちら

神田:全体的にはほとんど、コミュニティ推進部の渡邉はるかという社員が動いてくれています。
プロジェクトの発足に多大なるサポートをしていただいた松本市役所の方がたまたま家族ぐるみで山雅のファンで、試合会場でよく会話していたんです。また、参画してくださっている障がい福祉サービス事業所の職員さんとも、僕が営業時代に山雅の取り組みについて度々お話していました。そうした地域の方々から頂くアイデアや協力があって、農業に取り組むことになりました。
もともと山雅に思いや縁のあった方々たちから始まって形になったプロジェクトでもあるので、引き続き力を入れていきたいです。


中川:今後、このプロジェクトをどうしていきたいと思いますか?

神田:ホームタウン活動としてだけでなく、事業として成り立つように育てていきたいと思っています。
もともと山雅らしい泥くささはありながら、大きなインパクトのあるプロジェクトにできればと思っていて。この地域だからこその課題である農業にチャレンジしたこともそうなんですが、関わる人みんながハッピーになる形を目指しながらマネタイズもしていきたいです。

以前から、チームを強くするだけでなく、クラブも盛り上がり、会社として新しいチャンスにもなるビジネスにチャレンジしたいと考えながらこのクラブに関わってきました。
今も手探りな部分はありますが、これからも前に進んでいきたいと思っています。


中川:通常サッカークラブが新事業を始めるとき、サッカーに関連することから始めているような印象があります。山雅の場合は、地域の人と会話して地域の課題を見つけた結果、農業に手をつけている、その流れ自体が山雅らしいと感じます。
神田さんから見て、今後どういうチャレンジがしたいですか?

神田:まだまだ、地域の課題はいろんなところにあるとは思うのですが・・
山雅の歴史を振り返ると、良い流れができるとき、「関わってみたら楽しかった」「その輪が広がってもっと楽しくなった」という声が上がるのが一つのポイントだなぁと思っていて。

例えばスマイル山雅農業プロジェクトでいうと、少し前はやりたがらない人も多かった農業ですが、若者や子どもたちも含めてみんなで実際にやってみたら、シンプルに楽しかったんです。それがビジネスに発展したら、関わった人の充実感がさらに広がる。そんなことを他にもやっていきたいと思っています。

ハブ構想をはじめ、地域をより良くしていくためのヒントはいつも山雅の成長の過程にあると思っていて、振り返って考えるようにしています。
いかに楽しめることにできるか、地域の皆が関われて思いを込めることができるか、ということを追い求めながらチャレンジしていきたいです。

中川:では、近い未来を見据えて、トライすべきだと思うことはありますか。

神田:社長として、クラブとして、企業として、もっと結果にこだわらなければいけないという思いはあります。何がそれに結びつくかは、正直、今が苦しいときなので、迷っているのですが。

それこそ、スマイル農業プロジェクトもそうですし、サッカー以外の取り組みが力になるのではないかと思っています。そういった事業の柱を、この数年で一本でも二本でも作りたいです。それが今後のクラブの可能性になると思っています。
農業をきっかけに、これからもquodさん含め周りの力を借りながら、他のことにも挑戦していきたいです。


中川:ありがとうございました。
quodとしても、僕たちの経験や、「貢献できる場所が欲しい」と思っている人たちとのつながりを活かして、これからも一緒にさまざまなプロジェクトに取り組んでいきたいです。


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これからも、地域の課題を見つめ新たな価値を生み出していく山雅の取り組みを発信していきます。

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インタビュー:中川雅俊
編集・執筆:柴田菜々 / 宮本倫瑠


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