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人語の一口話(96) 名刺交換の場面

 今朝も見た夢。
 これでもう3回目になりました。

 「名刺交換していただけませんか?」
 その夢は、必ずお相手のその一言から始まります。

 ある時は、上着を着ていなかったために名刺入れを探し回ることとなってしまったり、またある時は、スーツの内ポケットに名刺入れだと思って取り出した物が定期入れや小銭入れだったりして、手渡すべき名刺を手にすることができません。

 今回の夢は、上着の内ポケットに名刺入れがあり、そこから名刺を取り出すことには成功したのですが、よく見ると、以前に名刺交換した方々の名刺ばかりで自分の名刺を探し出すことができませんでした。

 モタモタしながらも焦燥感に襲われて必死に探している私を見て、お相手がイライラしているだろう様子が肌感覚で伝わってくるのです。

 そして、聞こえてくる舌打ち・・。
 「チッ!」

 その夢は、必ずお相手のこの一言で終わります。
 「ああ、もういいですよ。また今度にしましょう。」

 そのセリフが届けられた後、私は一通りの謝意を示し終えるのです。
 抱く心情も変わることはありません。

 「一期一会を台無しにしてしまったな・・。」

 一期一会を大切にしてきたと自負する私にとって、何かに打ちのめされたかのような感覚に苛まれるのです。

 『あると思うな。その今度。』
 『今度こそは。』

 “今度”という言葉に右往左往している自分を容易に見出だすことができるのに、何故、夢の中で名刺を見出だせないのだろうか・・。

 そんな夢に進展があれば、また書かせていただきたいと思います。

 では。
 また。

 今度。


   

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