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人語の一口話(82) スシローのビッくらポン!

 先日、スシローへ行きました。

 「汁物はどっちにしよかなぁ・・。」
 スシローにおいては、いつもこんな感じになります。

 あおさと海苔の赤だしか!?
 それとも、魚のアラの赤だしなのか!?

 その日は、魚のアラの赤だしを選択しました。

 「お熱くなっていますので、ご注意ください。」
 その声に促されながら、レーンから自分の面前へと運び込みました。

 「ん?いつもより汁が多いんかな。それに魚が見えへんねんけど・・。」

 以前には、あさりの赤だしを頼んで、“あさり抜き”の赤だしが出てきたことがあるだけに、「きょうもその二の舞か!?」と、心の中がざわつきました。

 そろりとお箸で確認したところ、比較的大きな魚の身があったので、胸を撫で下ろしていました。

 「えっ。 大きいけど、これ一つだけ!? 」

 もう少し多く身が入っている印象がありましたので、いささか不服に思えたのも束の間、その魚の皮を目にした瞬間、私の心境は大いなる驚きに変わっていくのでした。

 「これ。鯛やんか。これは間違いなく鯛やんか。」

 私の半径1メートル圏内が、まるで淡路島の温泉旅館になったかのように感じられました。

 「そやけど、スシローに“ビッくらポン!”があるとは思わなんだわ。」

 「お寿司も美味しかったけど、うまいこと言うね。」

 お連れの方からお褒めの言葉をいただいた後、家路を急ぎました。

 今思い出しても、“身に余るお言葉”でございました。


   

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