【入社エントリ】30ヶ月前にmentoにCTOとしてJOINしていました
はじめに
こんにちは、株式会社mento(最近社名変更しました)で取締役CTOをしておりますmatsumatsu20です。
mentoにJOINしてから入社エントリを書こう書こうと思って、なんと早30ヶ月が経過しました。怠惰であることはエンジニアの美徳の一つなのでポジティブには捉えていますが、今回資金調達したこともあり一つ良い区切りとして自分がどういう思い出mentoにいるのか、今後やっていきたいことを30ヶ月越しの入社エントリという形で公開しようと思います。
最近メディアに取り上げていただいたり、対外的な発信も増えていることから、嬉しいことにmentoに興味を持ってくださっている方からお声がけいただくことも増えました。そんな方に少しでもmentoの魅力や、mentoで働くことの意義みたいなものが伝わればいいなと思います。
前職リクルート時代に起きた心境の変化
元々、mentoにJOINを決めるまでは非常に自分本位な人生を送ってきていました。より多くのお金を稼ぐこと、よりエンジニアとしてスキルアップすることが自分にとって何よりも重要でその先に作り出すものや周囲への影響に関しての関心はその次でした。
学生時代にリーマンショックの煽りを受けて父の会社が倒産し、金銭的にかなり苦しい経験をしたことから、安定的に高い水準でお金を得ることを重要視する価値観があり、それが行動にも現れていたような気がします。(今となって振り返れば20代前半という体力的にも時間的にもリソースが有り余っている時期に、ある意味単純な価値基準で貪欲に走っていたこと自体は悪くなかったのかもしれません)
しかし、社会人も6年目に差し掛かった頃に、身内が鬱病を患い退職・休養するという出来事がありました。昨今、それほど珍しいことではないと思うのですが、私にとってはかなり衝撃的で、途端に自分が追っている金銭的な成功やスキルアップなどの目標に対して「これを突き詰めたとしても彼の状況は全く変わらない。自分が目指しているものに意味はあるのか」と考えるようになりました。
さらにちょうどその時に、家族になりたいと思えるようなパートナーとの出会いがあり、今後自分が家族を作っていく過程を想像し、無限に思えた自分のリソースがどんどん貴重なものになっていく、ということを自覚し始めました。(ちなみに今は家族3人で仲良く暮らしています)
自分というリソースをどこに投資するか
その辺りから、おこがましくも自分自身や自分の時間を日本、ひいては世界という社会の重要なアセットの一つという認識をするようになりました。特にエンジニアの人材不足は解消するどころか、採用市場は過熱化するばかりです。そんな中、自分という社会にとって重要なリソースを、どこに投資することが最適なのか、そんなことを考え始めました。
ここで自分が重要視していた観点は「その会社や事業を伸ばすことが今後の社会にとって大いに価値があると信じ切れるか」「その会社が自分という人間(ハード×ソフトスキル)によってレバレッジかかるか」の2点で、これはエンジニアだけの話ではなく、営業や企画、CSなど全ての職で同じ考え方ができると思っています。
スキルの話に関して先に書くと、社会人経験を経て、また会社を経営するという立場になって、つくづく人の能力というのは相対的なものだなと感じます。
社会には情報やスキルなどさまざまな非対称性が多く存在しています。例えば僕自身、ソフトウェアエンジニアとしてはそれほど尖った技術力を持った方ではないという認識なのですが、会社の立ち上げフェーズではむしろ全部なんとなくできる、というスキルのレバレッジがかなりかかるんですよね。また一段引いてみると、このコーチング業界自体、デジタル化が進んでない領域なのでエンジニアリングリソース自体がかなり貴重でパフォーマンスしやすいという特徴があります。(もちろん、そこにあぐらをかいていてはダメなのですが)
更に言うと、そういった場所は誰しもにあるはずです。仮に今の職場やコミュニティでうまくいかなかったとしても、それは強みやスキルが相対的に弱い状態(飽和している)になっているか、そもそもその場に必要とされていないだけだと思ってます。
なので自分の能力が相対的という前提で自分が一番活かせる場所を探すことが重要だと考えていて、僕にとってはそれがmentoであり、僕がいることによってmentoは次のステップに進化できると思ってます。
なぜコーチングなのか、なぜmentoなのか
僕の始めてのコーチング体験は、代表木村のコーチングでした。当時の感想は「ああ、これはいいものだな。しかし難しいな」でした。
利用者として、普段考えてない部分まで思考がグッと入り込む感覚、セッション終盤で整理されてきてスッキリとやるべきことが見えてくる感覚、終わった後の「よし、やるぞ」という気持ちになる感覚、定性的には「めちゃめちゃいいな、これ。なんでもっとみんなやってないんだろう」なんですが、いざ論理立てて説明しようとすると、何が良かったのか、具体的に自分に起きた変化や効果を明確に示すことが難しいと感じました。と、同時にこれが別の人が受けた時に全く同じ受け取り方をするかどうかもよくわからんな、という印象を受けました。
つまり、コーチ側とクライアントの「人」という不確実な「変数」がコーチングセッションというサービスを生み出すので、そのサービス自体の効果を定量化することが非常に難しい。どうしても、あるものがキャズムを超えて一般化していく過程には、全く知らない人が外から見た時も明確なベネフィットがあり、お金を払う価値があるのかないのか、判断できる状態になっていることが求めらるので、スケールが難しそうだなと思ってました。
と、同時にだからこそ、これはとんでもなくやりがいのあるドメインだな、と感じました。
コーチングには様々な価値や側面があると思っており、ここでは全てを説明する事はしませんが、一つ基本的で大きな価値として「内省機会の提供」というものがあると思ってます。お風呂に行くのにもスマホを持っていくような情報化社会で、意外とじっくり物事を考える、自分と向き合う時間って自然と取れるものではなくなっているように感じます。
そんな中でガッツリ1時間「絶対に100%の関心を自分に向けてくれる人」と対話するだけで、多分過去1ヶ月分くらいで自分について考えた時間と同じくらいの分量で自分と向き合えるんですよ。
僕はうつ病になってしまった身内もこういったソリューションが事前に当たり前のようにあれば何か変わっていたと思っていますし、もっともっと普遍的に世の中で使われていってほしい、そうなるべきだと思ってます。自分の人生なのに自分のことあんまり考えない、って変な話ですもんね。
そんな、元来その価値を全ての人が享受できて良いはずのものが、サービス特性だったり、料金体系だったり、業界構造だったり、様々な要因で現状選ばれた一部の人だけが利用している、という状況を変革するという難易度の高いイシューなんだな、と理解しています。
主語が大きくて恐縮ですが、エンジニアというのは難しいものが好きだと思ってます。一般的には難しい、不可能だとされているものの「制約」をテクノロジーの力で外すのがエンジニアの仕事だと思っているので、共感できる・信じきっているドメインとその難易度の組み合わせでフルベットするしかない、とJOINを決めました。難しいからまだ誰にもできてなくて、難しいからできた時の社会に与えるインパクトも大きくなりますもんね。
なぜmentoなのか、に関しては最高の仲間がいたからです。これに尽きますし、その後も最高の仲間がJOINしてくれています。
これからのこと
この30ヶ月間、言うなれば長い助走期間を走ってきました。
今提供しているコーチングを「より使いやすく・よりわかりやすく」するためのシステムを個人向け、法人様向けに開発・運用してきており、コーチングを受けたい人がよりスムーズにコーチングを受けられるようになったり、コーチング導入したい法人様があまり運用コストを気にせずに導入検討できるようになったりと、我々が作ってきた価値は間違いなくそこにあります。
ただ、前述した難易度の高いイシューに関しては、正直またほぼ手付かずといったところです。むしろ長い助走期間を経て、事業の礎を作り、ようやくこれから解きほぐしてやろうか、といったステータスです。
我々はこのタイミングでミッションとして「コーチングとテクノロジーの力によって日本の主観的ウェルビーイングを世界No.1に」を設定しており、ここから本気でテクノロジー投資を進めていきます。(よかったら代表のnoteも読んでみてください)
もう少し具体的な話をすると、そもそもテクノロジーの大きな力として世の中の営みの限界費用をゼロにできる、というポイントがあります。つまり非常に人依存でコストの高いコーチングという一連のプロセスだからこそ、テクノロジーを介在させることによって再現性を上げ、コストを下げ、供給量を増やしていくというサイクルを回した時のインパクトが大きいと考えており、このラウンドではそこにチャレンジしていく予定です。(もちろんコーチングは人が介在するので限界費用はゼロにはならない)
さらに各論の話や、プロダクトロードマップに関しては今後発信していく予定ですが、今回、エンジニアのメンバーや入社予定のデータサイエンティストが書いた記事もあるので、そちらも見ていただけるとより本気度が伝わるはずです。
最後に
「日本の主観的ウェルビーイング」という壮大なテーマを扱って、テクノロジーで紐解いていく難解な営みを一緒にやってくれる仲間を募集しています。
カジュアル面談も代表含め全社員がオープンしていますので、少しでも気になった方がいればお気軽にお声がけくださいませ。
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