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ワーケーションの第1歩:観光以上、関係人口未満の「馴染み」をどう生み出すか

休暇=1泊2日イメージは根強い

ワーケーションについてテレビなどでも取り上げられました。批判的なコメントをされている比較的多くの方は1-2泊で温泉や行楽地で週末を過ごすというイメージで語っているようです。

確かに1-2泊では温泉入ったあとで(不可能ではないにせよ)「さあ仕事」とするにはせわしないし、気分的にも難しいなと思います。また観光でいろいろ回りたいとスケジュールを詰めているとその途中でとても仕事なんてできません。

ワーケーションには日程感は大きなポイントだと思います。なんとなく世間の反応は1-2泊の休暇中も仕事をするのがワーケーション、というイメージがついちゃいましたね。これでは結局、働き手の休暇を仕事に変換していくことになりえるため、批判はごもっともだと思います。

最大のジレンマは仕事をするのはオフィスのみ、とするとそれ以上の期間の休みを取得するのが難しいところではないでしょうか。また盆や正月、連休などに集中して混雑&旅行代金も割高になります。

欧米のワーケーションとのイメージのズレはこの日程感が理由だと思います。ワーケーションの日程感については以前にも紹介しました。

日本人はヨーロッパのように1週間以上の長期バカンスに慣れていないからワーケーションができないのか、ワーケーションのような休み方が取得できないから長期バカンスが難しいのか、ニワトリが先かタマゴが先かのような話です。

「馴染み」が出るのは3泊から

非常に個人の経験的になってしましますが、同じ場所で3泊を超してくると道やお店、人などに馴染みが出てきてだんだんそこに住んでいる感覚が出てきます。自分の中で地域や場所への感覚は勝手に次のように捉えています。

馴染み(3泊〜1週間) < 定着(2-3週間) < 愛着(1ヶ月)

そのためワーケーションの感覚を分かってもらうためには「馴染み」が出てくる3泊(+週末合わせて1週間)を体験してもらうことが最初の1歩なのかなと思っています。逆に1-2泊だと消化不良で逆効果になりかねないのかな、と。

時間を持て余してちょっと仕事もしてみようかな、という状態でどのようなことができそうか、くらいでスタートするくらいでちょうどかもしれません。

これは効率・合理化とは真逆になるのですが、コロナ禍でのテレワークやオンラインミーティングで分かったように移動時間などアイドルタイム、余白の時間がまったくないとそれはそれで疲弊します。ワーケーションの価値は「意味のある余白」を生み出すところにもあるのではないでしょうか。

逆に地域においてはこうした観光以上、関係人口未満の「馴染み」を持ってもらうためにどのようなことができるか?からはじめてもいいかと思います。そのためには宿泊の提供、食や活動の経験をもう一度見直すことも必要かもしれません。



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