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何もないと思っていた私には「苦しみ」があった
この度、初めてコーチングを受けた。
私は内省的で、誰かに相談するよりも自分に問いかけ考え選択してきた自負がある。
今さらコーチングなんて意味があるのだろうかと半信半疑だったが、思わぬ収穫があったので書き残しておく。
コーチングを受けるきっかけ
社会人生活も5年目になり、なあなあにしてきた「キャリアビジョン」に、そろそろ真剣に向き合わないといけない(きっともっともっと早い段階から向き合っておいた方がいいものだが、私はいつも気づくのが遅い)。
けれど、私にどんな強みがあって、どんな価値を会社や社会に提供できるのか?
考え出すと「私には何もない。価値がない」そんな結論に至り、溜め息が将来への思考を止めてしまう。
会社に属している限りは、何かしらの価値を還元しないといけない。できなければ、私はここにいてはいけない。とても好きな場所なのに、無力と無価値ゆえにそう決断せざるをえないかもしれない。どうにかしなければ──。
5年目だというのに、こんな悩みを抱えていることすら恥ずかしい。
悶々としていたところ、「コーチング」を進められた。
冒頭にも書いたように、私は常に内省してきたから、潜在的な、自分も気づかない思いがあるなんて思ってもいなかった。
ただ、このままならない現状をどうにかしたい。その一心でコーチングの体験を受けてみることにしたのだ。
私のためだけの時間
「この時間は、あなたのためだけの時間です。正しい答えを言おうとか、早く答えなければ、という思いは持つ必要はありません。答えにくいかもしれない質問も投げるけど、時間がかかってもしっかり味わって、表現してみてください」
そんなことを言われた。
「正解なんてない。選んだ道を正解にしていく」というような言葉もあるが、私は昔から、「正しい選択、正しい答え」を一発で見つけようとしてきた。誰かに◯をつけてもらいたくて。×なんてもらいたくなくて。
コーチングの場では、私の心が本当に思っていることが正しく、誰にも否定できるものではない。その思いにたどり着くまで使う時間は私だけのもので、誰にも迷惑をかけることはない。そんな安心感を最初に得ることができた。
苦しかったんだね、私
実は私には、ずっと心に引っ掛かる夢がある。
もし「夢は?」と問われたら胸を張って、本当は言いたいことがある。小さい頃からずっと。
幼い頃に「不安定だから」という理由で何度も否定されてきたその夢は、もう誰にも打ち明けることなく、私しか知らないものになってしまった。
そのこともキャリアを描く上でのひとつの障害(夢なのに障害というのも皮肉だけど)になっているのだろうと、そこまでは分かっていて、コーチングの場では「本当にやりたいことがずっとあって、仕事の疲れと自分の惰性に負けることがほとんどで、『今日もダメだったな、疲れたな』と思うことが多い」と、さらけ出すことから始めてみた。
それを皮切りに多くの質問に答えていき、あっという間に体験時間が終わりを迎えた。
最後に言われたのは、
あなたには色々な思いがあるけれど、たくさん我慢してきて、どこにも吐き出すことができなくて、苦しそうに見えた。
この言葉を聞いた時、白くて柔らかな光のような綿のような、ふんわりとした優しいものに、心が包まれた感覚になった。
そしてその優しい感覚に耐えきれず、対話を終えて思わず泣いてしまった(このnoteを書きながらまた涙している)。
私には何もないと思っていた。
言い過ぎかもしれないが、会社や社会に対して何もできないままだと思っていた。
私には「苦しみ」があったんだ。
自分にとって当たり前で、「我慢している」という感覚がなかった私は、苦しみにすら鈍くなっていて、そのことに気づいてもらえた安堵感が涙になったのだと思う。
▼過去に、夢について書いたnote
親に感謝できない私は、夢を叶えるしかない
忘れていた原動力
理想的な未来を描くというのに「苦しみに気づく」なんていうのはマイナスに思えるかもしれない。
けれど私はずっと、抱え続けてきた思いを文章や絵に込めてきた。夢に続いていく創作として。
悲しみも苦しみも辛さも、誰に見せるわけではなくても、全部創作の糧にしてきた。
嬉しいことや幸せなことももちろん力にはなるけれど、負の感情が生み出す私の創作への勢いや強さは比べ物にならないほどだった。
「上手く言えない感情を表現するために、私は創作をしている」
そう思っていたのに。忘れてしまっていたんだ。いつの間にか。
自分でも気づかなかった「苦しみ」に出会えたことで、私は再び原動力を得ることができたと思う。
たった1時間だけだったが、道が開けたような、明かりが差したような心地になり、有意義な体験をすることができた。
今後のコーチング
私は何よりも夢を叶えたい。
馬鹿にされようと、もしたとえ無理でも、後悔のないよう思いきり挑戦したい。
そのためにコーチングを継続してみて、自分に訪れる変化を楽しみながら、夢に向かっていこうと思う。
そしてその記録を、このnoteに残していきたい。
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