光と風とおもちゃのスイッチ改造〜ミニオンズ光る扇風機〜
おもちゃのスイッチ接続のための改造。今回は、ミニオンズ光る扇風機です。光る扇風機は、毎年スイッチ講習会でも提供する常連アイテム。本当は、楽しく見ることを学ぶために、色とりどりの光が変化して注目を引く
や
が欲しかったのですが、ミニオンズに惹かれてしまいこちらを購入。
ちなみにミニオンズと言えば、以前勤務していた特別支援学校PTA主催のイベントで「見えにくさがある子どもにも見やすく楽しいものを」というリクエストに応え光と音楽の出し物をした時に、ミニオンズの以下の動画を使いました。
反響がすごく、ミニオンズの実力を思い知らされました。黄色に大きな目は、注目しやすいですね。(詳しくはファンツの選好注視法)
※ 視覚障害以外の特別支援学校においても「見ること」の困難さがあり、支援が必要な方が多くいると言われています。特に肢体不自由の特別支援学校ではその割合は高いと言われています(詳しくはこちら)。特別支援学校における「見ることの支援」については、私も部員である「としけん視機能支援部」HPをぜひご覧下さい(詳しくはこちら)。としけん視機能支援部の地道な啓発活動の甲斐もあって、最近では特別支援学校に視能訓練士(ORT)さんたちが外部専門家として勤務するようになりました。
扇風機に話を戻します。最安のところが調べ切りていないのでリンクは省略で失礼します。充電もできて、自立用土台付き、改造もしやすくみんな大好きなミニオンズキャラクター。しかし、光の方は円形に固定された白色LEDが光るだけ。それでも、カバーがあり手を伸ばしても安心、しかも風もビニールの柔らかい羽に比べ強め。さらに筐体が黄色なので黄色く光り注意を引きます。「風だけ」と「風と光」の二つのモードを選べます。
今回は、本体のスイッチ機能を損なわず、外部スイッチの接続時には「風と光」ON/OFFの仕様にしました。
風は大変わかりやすい手がかりで、視覚障害の方のフィードバックとしてはとしては特に重要です。このことは、お手伝いしている大学の教育相談に来られているお子さんから学びました。「風のフィードバック」については別立てで記事にしたいと思います。
では行きます。
■ 材料
・光るおもちゃ ミニオン ハンドファン ミニ扇風機
■ 道具
・ドライバー
・ワイヤーストリッパー/ニッパー/ラジオペンチ
・テーパリーマ(穴を広げるために)
※ 黒の部分が「背骨くん」です。これがすごく便利で、はんだ付けの際下の写真のように、おもちゃ本体部を固定するのに役立ちます。熱には弱いので注意。
・ハンダゴテ
・ハンダ
■ 作り方
・開封の儀。充電用のUSBケーブルと自立用土台が付属しています。本体の作りは結構しっかりしています。
・ネジ外し、本体を開けていきます。ネジ式でないおもちゃが増えているので改造がしにくくなっていますがこちらは全てネジ式。ありがたいです。
・スイッチ基盤部のネジも外します。
・スイッチ基盤部を裏返して、赤丸のところに極細線の平行線 赤/黒線をはんだ付けしていきます。右側の白い線と同じところです。ピンボケですみません。極性はないので黒と赤どちらでも大丈夫です。
・黒い線は、赤丸で囲んだお隣の白の線のところへはんだ付けします。反対側は写真のように黒赤線を縒ってまとめておきます(すごいピンボケですみません)。
・風と光を同時にONにするためには、もう1箇所はんだ付けが必要です。極細線の平行線 赤/黒線を裂いて1本の電線を作ります。赤線でも黒線どちらでも大丈夫です。今回は赤線を使います。写真の赤丸の位置にはんだ付けしていきます。右にある反L字型の基盤部分にはんだが漏れないように気をつけて付けていきます。こちらもピンボケですみません。
・動作確認です。今はんだ付けした黒赤線と赤線の反対側をくっ付けてみます。見事「風と光」がONになりました!!!
・次に線の取り回しです。写真のように、ボディーの中で穴の開けやすい薄い部分を透かして探します。赤丸の部分が薄そうなのでここに3本の電線を通す穴をキリで開けます。穴の大きさが足りなかったら、テーパリーマで拡げます。
・断線防止のため、はんだ付けした部分に直接ストレスがかからないように写真のように結び目をつけてから通します。通した後に、ホットボンドで固定します。
・ホットボンドが乾いたら、スイッチ部の基盤をネジ留めします。
・ボディも戻しネジ留めします。裏側の線が出てくる付近にもホットボンドを忘れずに。
・φ3.5ジャック(モノラル中継8角)と極細線の平行線 赤/黒線をはんだ付けします。この際、ジャックのねじり込む容器部分を先に線に通すのを忘れないようにします。私はよく忘れてしいます。なんと、実は、今回も・・・・。極性はないのでどちらをどちらのベロにはんだ付けしても構いません。まずは赤丸ところにはんだ付けして
・次にもう一つのベロに今度は、黒赤線をまとめたものをはんだ付けします。
・線をまとめて、根元のベロでかしめます。ちょっとだけホットボンドをつけておくと、断線防止と絶縁になります。
・ジャックの容器をねじ込み・・・・
・完成です!!!
・ただこのままでは、スイッチを押しっぱなしでないと止まってしまいます。「押し続ける」ということの学習には良いのですが、押し続けることをわかっていても押し続けるのが苦手な方もいます。そこで、スイッチを1回押しただけでONの状態を保てるラッチ&タイマーという機器をスイッチと扇風機の間に接続します。今回使ったのは、有名な仙台高専の竹島 久志研究室が開発されたKOSENラッチ&タイマーです。スイッチを一定時間入れるだけでなく、断続的にON/OFFを繰り返したり、一定時間スイッチ入力をキャンセルしたりと多機能で本当に素晴らしい製品です。一般社団法人日本支援技術協会のサイトから購入可能です(こちら)。
はんだ付けに自信のある方はキットを買って自分で組んでも良いですし、時間や自信の無い方は組み立てサービス付きも選べます。ラッチ&タイマーを接続して
・動作確認できました!!!
今回も最後まで読んでいただき有難うございました。
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・筑波大学佐島研究室ホームページ(私が、教育相談をお手伝いしながら学ばせていただいてる研究室です)
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