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【雑短歌】 「不思議な選挙」を詠む一首

 選挙がおこなわれる度、不思議に思うコトがある。
 それは、「候補者の政治家としての“質”の善し悪しに関わらず、知名度が高いほど票が集まり当選してしまう」という怪奇現象のコト。これは、日本だけの現象だろうか?
 それにしても、「知名度」とは如何なるものか。どのようにすれば、「名前」が世間に知れ渡らせるコトが出来るのだろうか。
 そこは、世の中の哀しさ。
 良いコトで名前が知られるコトは、「まず皆無ない!」と断言しても過言ではない。
 日常において、巷人ちまたびとが慈善活動をしている人の名前を知るコトは無いだろう。言葉は悪いが、慈善活動家が評価されるのは亡くなった後だ。
 それに対し、不祥事で辞任させられた役人の方が、断然、世間に名前が知られている。「役人 yakunin」と「悪人 akunin」、何となく“音”も似ている。まさに、悪名千里を奔る。悪いコトほど世に拡散ひろまるのだ。
 そんな悪名が、選挙の度、悪事に寛容な有権者の票を吸い上げてしまう。

  不祥事で辞めさせられた役人に
   票を投じる民の優しさ

 (ふしょうじでやめさせられたやくにんに
   ひょうをとうじるたみのやさしさ)

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