見出し画像

【随想】 久方振りの映画鑑賞

 映画『からかい上手の高木さん』を観た。
 映画を観たのは、何年振りだろう。最後に観たのは、たしか『探偵はBARにいる3』だから、相当の歳月が経過している。

 そんな老生が久方振りに映画を観ようと思い立ったのは、公開前、コンビニの店先に設置かれていた宣伝用の“のぼり旗”に惹かれたからだ。「ピピピッ!」と、何となく面白さを感じたのダ。そうは言っても、主演の永野芽郁さんの“可愛さ”に惹かれたコトは否定できない……正直な話。『こち亀』の左近寺さこんじじゃないけど、「可愛かったもんで、つい」。
 そんで「思い立ったら吉日」と、スマホを駆使して初めて“インターネットチケット”やらを購入した。老生、昭和生まれの“アナログ世代(=紙チケット派)”なので、入場ゲートで「ピッ!」するまで、本当にチケットが購入できたのか、不安で不安で夜も眠れなかったのでした。
 閑話休題それはともかく。『からかい上手の高木さん』の感想。物語の舞台は、ある島の中学校。タイトルからしてコメディー要素の強い作品かと思ったが、あらず、物語には派手な起承転結も無く、これといった大事件も起きず、淡々と西片クンと高木さんの関係が描かれてゆく。
 そんなストーリー展開は、過激なアクションや奇怪なホラーが蔓延はびこる現代映画に見慣れた者には、何か物足りなさを感じてしまうかも知れない。
 しかし、老生は違った。物語が進むにつれ、いつの間にか感情移入してしまったのダ。
 スクリーンを観ながら自分の中学時代を思い出していた。「あの頃、すべてのことに対し真剣に悩んでいたなぁ」と。社会人には「些細なこと」に思えることに……。
 そして、本作の「ずっと、大好きなのに どうして、伝えられないんだろう」というキャッチコピーが心を揺さぶる。
 本当の言葉ほど口に出来ないもの。
 もし、あのとき、あの娘に自分の想いを伝えていたら、現在いまと違った人生になっていたかも知れない。
 本当の幸福とは、大好きな人と一緒にいることではないか。
 そんなことを考えながらの映画鑑賞でした。

そして、鑑賞後、使うアテもないのに
買ってしまったチケットファイル。
可愛かったもんで、つい……。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?