見出し画像

【宮崎】高千穂の半オクターブずれた観光振興が最高な話【旅行】

■ はじめに

年度末の微妙なタイミングに休暇が取れたので、九州に行ってきた。

久々の九州は福岡、宮崎、大分と周ったが、とりわけ印象深いのは宮崎の高千穂であった

天孫降臨*という日本神話の壮大なバックストーリーを持ちながら、半オクターブずれた観光おこしが妙に「らしく」て最高だったので紹介したい。

*天孫降臨…天照大御神の孫である瓊々杵命(ににぎのみこと)が三種の神器(八咫の鏡・八坂瓊曲玉・草薙剣)を持って高天原から降ったこと。中二心くすぐるフレーズである
参考:神社本庁HP

画像16

■ 高千穂峡

阿蘇山の火砕流で噴出した溶岩が川沿いに流れ、柱状節理と呼ばれる独特の地形を持つ高千穂峡。

急峻な渓谷の岩肌を流れる碧い川に勢いよく滝が落ちる景色は、なるほどここで神話が育まれたと言われても納得の風景である。

画像1

画像5

マイナスイオン大放出の水景は掛け値なしに素晴らしいのだけど、下流の施設が妙に脱力していて楽しかった。

縁結びの社に飾られているハート形の絵馬の願い事はもちろん恋愛・結婚絡みが多いが、コロナウイルス禍が深刻な中国・武漢を応援する絵馬も。誰かを思って祈る行為は、言葉や文化が違っても世界共通だ。

画像2

そんな中で異彩を放つ、「西武ライオンズV3」。叶うといいね。

画像3

向かいの池では悠々と鯉に交じってチョウザメが泳いでいる。どうして?

画像4

幸せの黄色いポスト。ここに限らず九州には何か所もこいつがあるらしい。特に感想はないけど、敢えて形容するなら、「昭和」だね

画像6

また写真を撮っていないのだけど、高千穂は「流しそうめん」発祥の地だそうで、流しそうめん用の竹樋を用意している食堂が何軒かあった。

■ 本当に無駄な追記 ※読み飛ばし推奨※

後で調べたところによると、「流しそうめん」の起源は昭和30年代に遡る。夏の野良仕事の際に野外でそうめんを茹で、竹と高千穂峡の冷水を利用して涼を得た光景から着想された料理法だ。現在も高千穂峡で営業する「千穂の家」という食堂において、1959年(昭和34年)に日本初の竹樋による流しそうめんの営業が始まり現在に至る。

ちなみに、卓上でそうめんを流す専用の機械(回転式そうめん流し器)を用いる「そうめん流し」というものも存在し、こちらは1962年(昭和37年)に鹿児島市のメーカー「鶴丸機工商会」が回転式そうめん流し器の1号機を同県指宿市開聞町の唐船峡に納入したことに始まる。なお、回転式そうめん流し器は1970年(昭和45年)に意匠登録を受け、今でも上述の鶴丸機工商会が製造・販売している。業務用で20万円以上する

整理すると、

・流しそうめん…天然の竹などの素材を用いて、水流で直線的にそうめんを流して食べる方法。宮崎県高千穂がルーツ
・そうめん流し…人工的に水流を発生させる「回転式そうめん流し器」を用いて食べる方法。鹿児島県指宿がルーツ

ということになる。たぶん一生使わない知識だ

参考:
鶴丸機工商会HP
ウォーカープラス「回転式そうめん流し発祥の地“指宿”で夏を満喫!」(2017年7月20日)
そうめんの山道HP

■ 高千穂神社

高千穂郷八十八社の総社、高千穂神社。垂仁天皇の御代に創立された、日本でも有数に由緒正しい神社である。

画像15

本当に実在したかすら定かでないが、垂仁天皇は3世紀後半~4世紀前半の大王に比定される。実在が怪しい人物に起源がある建物ってよく考えたらすごいな。

境内の樹がことごとく高くて、ずっと見上げていると首が痛くなる。神木は樹齢800年の秩父杉。

画像7

夫婦杉。1対の杉の周りを2人で廻ると縁結び、家内安全、子孫繁栄が叶うらしいが、私は1人で来ているので関係なかった。あとでっけー令和の文字は何なんだ。

画像8

神社の向かいにある休憩所。「オーマイゴット」って読むらしい。どういうこと?(百歩譲ってもオーマイゴッ「ド」じゃないのか)

画像9

あと、夜に散歩しようと思って神社に立ち寄ったけど、真っ暗で怖すぎてすぐ帰った。上の写真はその時に撮ったもの。

■ 食べ物たち

※宮崎といえば、チキン南蛮、地鶏の炭火焼き、宮崎牛、肉巻きおにぎりなど肉料理が有名だが、本記事の趣旨から逸脱するので一切無視して話を進める

高千穂町の中心部から高千穂神社・高千穂峡方面に歩いたところに「がまだせ市場」というマーケットがあり、地元産の野菜、肉、加工品、お土産などが並ぶ。

画像17

「がまだせ」はがんばれ、とか働け、の意味らしく、宮崎だけでなく熊本や福岡でも使われるらしい。

それにしてもこの市場、なかなかのカオスっぷりであった。

まず、すごい量のイノシシ肉が無造作に置かれてる

画像10

そしてイノシシの隣では蜂の子どころか蜂の成虫が結構なボリュームで売られている。地元の人以外買うのだろうか。

画像11

おみやげに買った油みそ。

画像12

令和の世に平成を冠した商品もなかなかキテるし、そもそもこの手の商品で平成をアピールする意味よ。

でも、炊きたての白米にのせて食べると最高に旨い。ばあちゃん秘伝だから間違いなく旨い。というか実際旨かった。

市場の自販機に並んでいるのは「白い日向夏」、「日向夏ウォーター」、「日向夏紅茶」、「あらごしパインとヒュウガナツ」。よくぞそこまで日向夏の飲料を作れるな。

画像14

画像14

というか、見たことない飲料ばっかりだな。「ゲンキ快」のシリーズはなんなんだ。独自の飲料圏が形成されてる感がある。

■ おわりに

初めて訪れたくせに知った風なことを言って本当に申し訳ないのだけど、高千穂は素材が素晴らしいのにイケてるスポットになりきれていない。

でもこの地を訪れた人は、みんな朴訥な感じをとても好きになるんじゃないか。雄大な風景と温和な気候、ついでに美味しい食べ物があれば、もっと長い時間を過ごしたいと思うに違いない。

ただ、TVチャンネルの半分以上が通販番組だったのは、結構ロックな参入障壁だからなんとかしたほうがいいと思う。

====================

ここまでお読みくださりありがとうございました!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?