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第2回:商品の開発にあたり自社の強みを活用できるか?

みなさま、こんにちは。
食の6次産業化プロデューサーの松田高政です。

自己紹介

特別講座「新たな時代に新商品・サービスを生み出す能力とは(全11回)」の第2回目のテーマは、「商品の開発にあたり自社の強みを活用できるか?」です。

新たに商品またはサービスを開発するにあたっては、やはり個人であっても会社であっても自分たち(連携先も含む)の強みを最大限に活かす方向で企画しなければなりません。その際、自分よがりになっては、井の中の蛙で、市場という外に出たときに予想外(マイナス)の結果になってしまいます。

商品・サービスの開発にあたって、自社の強みをどう活用するか。具体的な手法と事例を見てみましょう。

問題:自分たちの強みを活用するには?

【問いかけ】
商品やサービスの開発にあたり自身や自分達の連携体・枠組みの強み(内部環境)をどのような方法・手法で分析するか。

第2回表紙

理論と手法を学ぶ

【理論・手法】
商品・サービスの開発にあたっては、そもそも自社または連携先(内部環境)にそれを開発・実施できる強みがあるかどうか、競合する他社との競争力も意識して、客観的に評価・分析しなければならなりません。

第2回図1

図:市場環境分析による強み・弱みの把握

具体的には、SWOT分析と言われる分析手法により、内部環境(自社・連携先)・外部環境(社会・経済状況)の分析も同時に行い、すでに市場に存在する競合品と比較して、その商品に優位性があるかどうか、顧客視点(顧客の課題解決)で客観的に評価し、商品・サービスの方向性(戦略)を導き出すことが求められます。

◇SWOT分析について(内部環境・外部環境分析)
内部環境:自社の強み(経営資源)、自社の弱み(問題点・課題)
外部環境:機会(消費者ニーズ・法改正)、脅威(競合商品・環境変化)
経営戦略としては、強みをいかして機会を活用するアプローチが望ましい。

第2回図2

図:SWOT分析による新商品戦略(クロス戦略分析)

実際の事例・経験談から学ぶ

画像5

写真:のむジュレ

【実際の事例】

「のむジュレ」の開発は、生産者側の一方的な考えに基づく商品化ではなく、事前に消費者や既存取引先のニーズ(意見や評価)を踏まえて「マーケットイン」の手法を用いて商品を完成させ、完成と同時にモデル店舗での販売が決まっている状態をつくりました。

まず、クライアント農家の強みを分析し、原材料を持つ強みを活かして、農家らしい商品(国産原材料100%・無添加)としました。

そして、そのコンセプトを支持してくれる流通チャネル・ターゲットを絞り込み、弊社の強みである県外の多様な販売先・バイヤーとの人脈を活かし、数ある販路の中から、国内で最も情報発信・影響力のある東京駅構内の地域産品セレクトショップの協力を取り付け、既存商品と差別化する形で、共同で商品開発することができました。

ニッコリーナ

写真:東京駅・地域産品セレクトショップ

◇既存商品・競合商品の分析
機能:ドリンクとゼリーの中間(チューブタイプ)
シーン:忙しいときの栄養補給
購入場所:コンビニが多い
原料:機能性飲料として人工の添加物が多い。
(ゲル化剤・ビタミン・コラーゲン入りなど)
価格:100円~200円(スーパーでは100円未満のもののある)
客層:メインは20代・30代の女性(同じ年代の男性も)

◇自社の強み(差別化要因)
カップタイプの商品が少ない。
健康意識・本物志向の高い消費者がターゲット
国産原材料100%(柑橘果汁・てんさい糖・寒天)
無添加:国産寒天で固める
購入場所:東京駅構内の地域産品セレクトショップ、高質スーパー・自然食品店等
価格:250円程度
200円以下で、類似品がでる可能性はあるが、本物志向の原料使用は真似できない。寒天と原料が高いため、同じものは作ることができない。
寒天でジュレ状に固さを一定にするのは独自のノウハウが必要。

まとめ


以上、第2回目の「商品の開発にあたり自社の強みを活用できるか?」はいかがだったでしょうか。

人は誰でも個性という強みを持っています。これまで、生きてきた中で、得られた知識や経験がビジネスでもきっと活かされると思います。自分の好きなこと、趣味からでもビジネスが可能です。自分の強みは何なのか?これを機会に市場環境分析(SWOT分析)をしてみてください。

次回、第3回は、市場ニーズや成長性を正確に捉えられるか?です。お楽しみに!
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