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【第七話】理系大学院生がはじめての精神科を受診してきた

はじめて精神科を受診してきました。今回はそのときのことを書きます。この診察によって、それまで自分で思っていた病気と少し違っているらしいということが判明しました。

一度精神科の受診を断られた経験

以前(1年ほど前)にも大型の総合病院で精神科を受診しようと、勇気を出して行ったことがあるのですが、そのときは看護師さんに30分ほど話をきいてもらっただけで受診せずに帰ることに。

なんでも、最近は患者さんが多すぎて初診の患者さんを診ることがむずかしいとのこと。もちろん重度の人は受け付けるのですが、ぼくの場合はそこまで重症ではないと判断され、そのまま帰ることになりました。

初の精神科受診

いつまでたってもいっこうに気分がよくならないし、大学では発表の場で吐いてしまったこともありました。そこで、大学の保健管理センターで医師への紹介状を書いてもらい、その医師さんオススメのクリニックに行くことに。

ちなみに大学の医師のかたに軽く診てもらったときも、
「いわゆる『うつ状態』ではあると思うけれど、『うつ病』かどうかは判断が分かれるところですね」
と言われました。

自分ってそんなに重度なパターンではないのでは…?と思うとすこしホッとしますが、その一方で「じゃあなんなんだー!」という不安も。

そんなこんなでクリニックの予約をし、受診当日。

待合室はとても広く、リラックスできる音楽が流れていて、テレビには自然風景がずーっと流れています。不安を抱えた患者さんに配慮した雰囲気になっていると思います。

事前に電話口で言われていたのですが、ある程度待たせてしまうかもしれないとのことだったので、いまリアルタイムでこの記事を書いています。

この記事は数年後にリライトしていますが、なるべく当時の文章を残しています。

いつ呼ばれるのかな?ドキドキ。

待合室はリラックスできるように設計されているとはいえ、ぼくはこういうときは緊張しいなのでダメです。笑 先生との相性が合う合わないもあるってウワサをよく聞くのでよけいに緊張してしまいます。

いざ診察のとき

待つこと約50分。診察室にお呼ばれしました。

ガラガラっ。

中には私服(?)のヒゲを生やしたおじさんがひとり。L字のデスクに座っています。

ぼく「よろしくお願いします」

先生「は~い」

「あれ…これはもしかして愛想悪い系のハズレを引いたのでは…?」という不安がわたしを襲いました。

しかし、次のひとことが

「黒いね〜何かスポーツやってるの?(ニコっ)」

でした。こ、これはわたしが初めましての人とコミュニケーションを取るときあるある「色黒いじり」だ~!!!(年上の方からはこの話題を序盤に振られることが多い)

最初にこのような世間話を少しして、本題の診察に入っていく。大学で書いてもらった紹介状を見ながら会話。ときおり「これはイヤだったよね〜」などの言葉をかけてくれました。

改めて症状、症状がひどかった時期、期間、家系に同じ症状の人がいるか、まず一番何を改善したいかなどを聞かれた。

先生は熱心に青いペンでカルテにメモをしていく。いまどきPCじゃないんだ…とは思ったものの、話を聞いてくれている感があって、精神科ではその方が印象いいのかも。

特に好感が持てたのは、薬の説明の時。薬の効果の程度・副作用・今回それを服用する理由をほかの薬と比較しながら説明してくれました。一応ぼくは理系の学生なので、比較して根拠を提示してもらえるのがとても納得しやすい形です。

診察の結果、診断は「不安障害」とのことでした。

「うつ病リアリティショー」とか言いつつ、うつ病ではないことが発覚!

第二話でも言いましたが、PTSD系だと自分では思っていたのでそれが当たった(不安障害はPTSDと同じグループ)ということです。

PTSDはトラウマ的な出来事がトリガーで、それを克服すれば寛解する(こともある)ものですが、そうでない不安障害というのは不安状態が常時続く感じのものです。

これはこの連載が存続の危機です…!どうしよう…!

と、思ったけれど、「不安障害」よりも「うつ病」のほうがワードとしてキャッチーなのでこのまま続けていきます(笑)

効果が強く依存性が高い薬を使用するので、1週間後にまた来ることにして30分ほどで診察終了でした。

先生の印象

先生の印象としては、「ぼくに似ているな」と感じました。とても不思議な感覚ですが。わりと淡々と話すんですが、ちょいちょい笑いを誘う話題を振ったりしてきます。

精神科の受診ってある種「悩み相談の延長線上」にあると思うんです。そう捉えたときに、ぼくが普段バイト先の塾で生徒の悩み事を聞いているときと似た雰囲気を感じました。

また、そこまでプライベートに突っ込んだことを話したわけでもないのに適切にくみ取ってくれて、納得できる根拠を示して薬を出してくれるあたり、流石としかいいようがないです。
(紹介状があったことも大きいと思いますが)

初の精神科受診はこんな感じでした。多少の緊張はしましたが、案ずるほどでもなかったなっていうのが感想です。やはり、精神科のクリニックってリラックスできる環境が整っているもので、受付の対応も優しいです。待合室で診察を待つ人たちも、自分と同じような悩みでそこに居るのですから、仲間みたいなものです。

もしあなたが精神科の受診を考えているなら、この記事が行くハードルを下げてくれると嬉しいです。

・・・

第八話は短めで、不安障害患者が大自然の残る田舎に行ってきた話です。写真もあるよ。


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