見出し画像

オムニ化実例②PARCO パートナーを全員勝たせる仕組みを学ぶ

こんにちは。ドドル・カンマネ(内定中)のあおけんです。

ということで、通常であれば、夕礼というカタチで退職者の周りに人が集まり、一言いった後、花を渡されて拍手、その後お菓子などを持ってお世話になった人の席を練り歩くという景色が自分の職場では一般的でしたが、この非常事態宣言下、出社禁止!テレワークじゃ!の中、イレギュラーなカタチで処理されていく自身の節目をどこか傍観者的な視点で眺めています。

退職のあいさつのメールに”オンライン飲み会しましょう!”という温かいコメントを返してもらったりしましたが、オンライン飲み会しよう!も数か月前だったら意味不明ですね。

”会えない”という異常な環境変化に対して人は確実に適応しはじめているなー」。オンライン夕礼で最後のあいさつをしてZoomの「退室」ボタンを押した後、自宅の一室でひとり、悲しいでもなく、ほっとするでもなく、そんなことを思いながら、なんとも表現しづらい不思議な感覚を味わっていました。♯ホッピーでも飲むか

ということで本題に入る前にもう少しコロナ関連で起こっている変化について。昨日、FacebookのザッカーバーグさんがFBのコロナ対策について語る動画を投稿していました。正しい情報を伝えるとか、中小企業向けの支援に関してなど色々話をしていたのですが、僕が気になったのはその中でFB機能アップデートを語っていた場面。

ひとつはオンラインのチャットをしている時に自分の背景を自由に変えられるのはZoomでもあると思いますが、それがAI技術を使って背景が動くというもの。

画像1

この写真ではわかりづらいですが、右側の女性が自撮りしながらしゃべっているのですが、彼女がその場でターン(回転)するとバーチャルの背景もそのまま回転するので、あたかも相手が別の場所にいるかのように感じられるVR機能です。自分は自宅にいるのに相手にはジャングルの中や海辺のビーチにいるような演出ができるわけです。Zoomの起業経緯をご紹介した記事で将来起こるであろうと書いた体験の共有が半分実現していて、これは少しびっくりしました。さすがオキュラスを買収した会社です。

もうひとつは、FBが進めるオンラインデーティングサービス。

画像2

出会い創出だけでなく、デートもオンラインで、という感じみたいです。

僕の後輩でもマッチングアプリで知り合って結婚した人がいますが、今後はオンラインでバーチャルな場所にデートに行って、オンラインでお酒を飲んで、と、いつになったら会うんだっけ、というケースが増えていきそうですね。

昔、セカンドライフというバーチャルサービスがありましたが、その精度がテクノロジーの進化で上がってきて徐々に現実とデジタルの差があいまいになってきています。FBを筆頭に今すべてが全力でオンラインに向かっていますね。

すみません、また前段が長くなってしまいましたが、ここから前回のマルイに続いて、オムニ化の取り組み実例としてパルコさんの話に入っていきたいと思います。

PR:あおけんがこれから働くDoddleは、”EC・通販で買った商品を自分が好きな時に、好きな場所で受け取れるサービスプラットフォーム”です!

ミッションを具現化する連携プレー

昨日のマルイと同じようにWikiやIRの情報をもとにまずはパルコの概要を見ていきたいと思います。パルコはもともと西武系列だったようですが、今は松坂屋や大丸を抱えるJ.フロント リテイリングの傘下となっています。

Parcoはイタリア語で公園の意味。英語のParkですね。人々が集い、時間と空間を共有し、楽しんだり、くつろいだりする空間。そして、Parcoは自らのミッションを「訪れる人を楽しませ、テナントを成功に導く、先見的、独創的、かつホスピタリティあふれる商業空間の創造」と定めています。素敵です。

以下、2019年2月期の連結の数字です。

・売上高:899億円
・純利益:33億円
・従業員数:2,208名

パルコは、ショッピングセンター事業を柱にその周辺ビジネス含めた事業展開をしています。デジタル領域では、パルコデジタルマーケティングという会社を持っています。

画像3

この周辺事業をうまく活用し、シナジーを生むことでお客さんへ提供する価値を最大化し、上記ミッションを具現化する体制を作っています。すべてが有機的につながり、パルコ独自の施策展開を可能にする連携プレーが実現しています。

画像4

2019年のアニュアルレポート(総合報告書)では、ミッションに掲げられる先見性、独創性を感じさせるネットとリアルの融合施策が紹介されていますので4つピックアップします。すべて共通しているのは特徴のあるアプリやサービスを展開しているIT企業と組んで実店舗を絡めた実験的な取り組みを行っていることです。

画像5

画像6

◎提供する新しい体験
1.CASHとの協業
 ・不要になったものを店舗に持ち込み買物券(金券)に交換
2.Stores.jpとの協業
 ・ネットだけで展開している尖ったお店のものを実店舗で買える
3.FACYとの協業 
 ・ショップ店員相談アプリのおススメが実際店舗で見れる→ECで買う
4.Air Closetとの協業
 ・月額レンタルサービスのスタイリストが実店舗でスタイリング提案 

パルコのミッションは、先見的、独創的、かつホスピタリティあふれる商業”空間”の創造であり、顧客向けのサービスそのものを創造・提供することではない、という割り切りなのか、こういったネット由来の先進的なサービスと積極的なコラボレーションを次々仕掛けられるのは、素晴らしいですね。これらの事例をとっただけでもミッションを体現しています。

全員を勝たせる仕組みづくり

さて、ここからは前々回から登場している「実店舗+EC戦略、成功の法則」の後半インタビューから、パルコWeb/マーケティング部の林氏の話から僕がポイントと思ったところを拾っていきたいと思います。

2013年にWebコミュニケーション部が立ち上がる。LINEの運用を開始。当初は19店舗それぞれのLINEアカウントでオペレーション
・お客さんの動向を探っていると、ウェブサイトをカタログ的にチェックして、そのあと店舗にきてモノを実際に見て、試着して、実際に接客を受けたいというニーズを確認。その接客の一部をブログでできないかという取り組みを開始。最初は店舗を絞っていたがその後全店舗へ横展開。
19店舗には約3000のショップ、店舗スタッフ2万人がいる。それぞれがブログ以外にも様々なSNSを使って発信をしていたので、パルコがやるべきこととしては、全国で展開されているSNSでの発信事例をチェックして成功事例を抽出し、効果的なコンテンツの作り方・ノウハウをショップ側に共有する役割を担っている。
・各ショップ主導で店員さんがコーディネートを紹介するようなブログ施策が効果を上げ始めると来店を促すだけでなく、そのブログからそのままECで買えるような導線も設置。ただ、ECを追求するのではなく、あくまでも接客の延長としての見せ方でメーカーの直販ECサイトとは違う位置づけで運用。

画像7

・パルコでショップ向けに提供する研修でもこれまでウェブ接客と店頭接客を分けていたが、それ自体がオムニチャネルじゃないということで一緒に行うようになった。これまでは接客の技能を競う「ロールプレイングコンテスト」だけの開催だったが、コンテストの事前審査に「ブログ審査」を加えて、ブログだけでどれだけ事前に接客できているか、という視点を追加して総合的な時流に合った総合的な売る力をテナントショップ全体が身につけられるように工夫している。

ということで、パルコは空間プロデューサーとして常に最先端の情報、サービスを貪欲に取り入れながらも、売上を上げるという最も重要な部分を、来店前のブログから接客プロセスを設計・成功事例を各テナントに共有していきながらPARCOという船に乗ってるクルーは全員勝たせる!という並々ならぬ気合いを感じました。

オムニ化を考える上では、Face to Faceの接客という実店舗の武器を最大限に生かすためにSNSやブログでどのように店舗スタッフが体系化されたノウハウを活用して事前・事後のフォローをどのように行うか、また、その労力をどう評価するか、という部分は大事なポイントとなってくる気がしました。

補足ですが、売れるショップの店員さんは、接客という感覚ではなく、SNSを使って仲間を増やすという感覚の人が多いようで、メーカーや小売店が明確なブランドや価値観をもっていてそれを本当に気に入っているスタッフを雇うことができれば、スタッフは仲間増やしが楽しいし、会社は売上が上がるし、Win-Winが成立しているなと思います。


ということで、本日のお話は以上です。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

それでは、今日もよい一日を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?