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お雛祭りの牛車は買わないと言う実母の願い

小さい頃から実母に言い聞かせられてた話なのだが、私と姉の中で呪縛として残っていて覆したいことがある。

桃の節句、ひな祭り

母が幼少期の頃、毎年少しずつ雛人形を買ってもらって増やしていた。

そこであと牛車だけだったらしいのだが、母が大きくなったからだったのか、何故か買わなかったらしい。

牛車というのは高貴な貴族の乗り物なのだが、実祖母は母の雛人形の中にそれを買わなかったから嫁いでも近くにいるんだと言っていた。そして母もそう言われて育ったから、雛人形も私たち姉妹に譲った後も牛車は買ってくれなかった。

そして私が娘を産んで初節句になり、雛人形を飾ることになったのだが、牛車が話題になった。

「〇〇ちゃんも(私の娘)遠くに行ってほしくないから牛車は買わないわね」と言うのだ。

私は娘が自立した子になってほしいと願っていて、本人が遠くに行きたいと望むならそれを応援してやるのが親の役目だと思っている。そして、その時が来た時、もっと娘と一緒にいたかったと後悔しないように、今私は精一杯娘と過ごしているつもりだ。

姉も同じくその話をされて育って近くに住んでいるのだが、大人になって私と話している間で「あの話を小さい頃から聞かされていて、離れて住むのは親不孝だと思っていた」と言っていた。そして「若い間に近くに定住を決めてしまったのも後悔している」と。

私も姉も、遠くに住むのは親に悪いことのように感じていたのだ。

それに気づいた私たちは、牛車の話は母にとって美談だが、私たちにとっては呪縛のようなものだと感じるようになった。

私は娘に牛車を買ってやりたい。

本人が望むのなら、将来遠くに住んでも良いんだよと話すつもりだ。

実母は「毎年ちゃんと飾って早くしまわないと嫁ぐのが遅くなる」というのだが、結婚だってしたければすればいいし、遅くても別に構わない。子供も欲しければもうければいいし、いない夫婦も幸せならそれでいい。1人で生きていきたいと思っているなら無理に結婚することはないと思っている。

大事なのは娘が幸せであるかどうかだ。

親が子に望んでいいのは健康で幸せになることだけだと思う。

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