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ロックダウンと柔術:イギリス柔術連盟(UKBJJA)が調べたコロナの影響

先日、イギリス柔術連盟(UKBJJA)がまとめた新型コロナウイルス感染症に対するレポートを紹介しました。イギリス連盟が作ったガイドラインを用いた結果、きちんとした感染対策を取れば、コロナ禍においても安全に柔術ができることが示されました。

イギリス連盟は、感染対策の効果検証だけでなく(これだけでも凄い)、コロナ禍におけるロックダウン(外出禁止措置、二重絡みではない)が、柔術家に与えて影響も調べています。今回はそれを簡単に紹介します。

実物はPDFで公開されています。末尾にそのURLを示しておきました。興味のある方はぜひお読みください。

イギリスの状況

現在(2021年2月)、イギリスでは3度目のロックダウン、つまり、外出禁止措置が取られています。2020年の3月23日から行われた最初のロックダウンは、最も制限が厳しく基本的に用がなければ家から出るな、ともかく出るな、という感じだったそうです。

認められるのは、
・必要最低限の買い物
・1日1回の運動のための外出
・医療目的
・必要な場合に限る通勤(在宅勤務が不可能な場合のみ)
くらいでした。当然、柔術も禁止です。

このような厳しいロックダウンはどのような影響を柔術家に与えたでしょうか?イギリス連盟では、心身の影響に与えた影響を調査しました。

調査対象

イギリスでは3月には1日あたり5000人を超えていた新規感染者が、6月初旬には1000人ほどにまで減り、練習が再開できるようになりました。一般の人も含め練習ができるようになってきた2020年の11月に調査は行われました。

この調査では2142人から回答が得られました。90%が男性、年齢は25−44歳が75%ほどでした。ロックダウン前は週3-5回練習する人が7割ほど、帯の分布は白帯と青帯を合わせて7割ほどでした。日本とよく似ていますね。

結果

簡単にまとめますと、心身ともにロックダウンの悪影響があり
体重70%近くの人で体重が増加、25%は無茶苦茶増加
飲酒50%近くの人で飲酒量が増加、23%でひどく増加
身体の健康80%以上の人で身体の調子が悪化、51%はひどく悪化。
心の健康80%以上の人でメンタルヘルスが悪化、37%はひどく悪化。
という感じでした。

また、経済状況についても調査がなされており、収入が減ったひとほど、心身へのネガティブな影響を強く受けていました

柔術をやっていないひとと比べないと、はっきりとしたことはいえないものの、ロックダウンは心身に悪影響を与えるようです。

日本はイギリスほど厳しくないですが、コロナ禍の今、やはり柔術をやる上でそれなりの制限があります。緊急事態宣言下の地域では、閉まっていたり、短縮営業をしたりしている道場も多いでしょう。感染リスクを考えて、練習を休んでいる人もいると思います。

早く終息させて、柔術を楽しみたいですね。

引用文献

・Martin, R. (2021). A study into the balance of risks to mental and physical health from the 2020 lockdown and cessation of training for Brazilian Jiu Jitsu (BJJ) players in the UK versus the risks to physical health from Covid-19. 

https://www.ukbjja.org/wp-content/uploads/2021/01/Study-into-the-effects-of-lockdown-on-the-BJJ-community-versus-risks-from-Coronavirus.pdf

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