かんたんな気分障害と季節の関係

かんたんな気分障害と季節の関係

・おおまかな気分の傾向

 5月は自殺も多いし入院も多いし5月病も多いからちょっと書いてみたい。

 簡単に書くと日本人はあるいは日本の気候だと2月くらいからエネルギーが上昇してっくる。

 この時期は自殺が増加する時期でもある。

 この傾向はその後も続く。

 2月3月は自殺が急上昇するが、自殺が多いのが4,5,6月で特に5月が多い。

 この時期は別に躁うつ病でなくても躁鬱混合的になる。

 夏は疲れる季節でもある。

 夏の特徴の一つは夏バテだ。

 漢方では初期の夏バテ、中期の夏バテ、晩期の夏バテと宣伝している。

 初期は梅雨のころの夏バテで低気圧頭痛をはじめとする気象病的な要素が絡まってくる。

 中期の夏バテは暑さでやられず。

 晩期の夏バテは盛夏を過ぎて疲れが残っている状態だ。

 それぞれ6月中旬~、7月中旬~、8月中旬~を念頭に置いているが最近は地球環境も変わり気象も変わるので毎年のように変わる。

 季節の変わり目は精神科の患者さんが多い。

 夏場は少なく、冬の盛りも季節の変わり目よりは少ないが真夏よりは多い。

 冬は患者さんのエネルギーが低下してくる。

 億劫や倦怠感があってこれは疲労かもしれないが夏場に比べれば明らかにエネルギーが低下している。

 動作の量や速さ、しゃべるスピードと量、表情や行動など比較すれば違いが分かる。

 と言っても計測したわけではないので主観的なものではある。

 ジムに通ったりなどの運動も暖かく明るい季節は始めやすいが寒く暗い季節は中断したり辞めてしまうことが多い。

・気分とは

 気分という言葉は精神科では気分障害に使われる。

 気分障害はかつては感情障害と言った。

 いまもWHOの国際診断基準ICD-10では感情障害も使われる。

 昔は感情障害だけだったのかもしれない。

 英語では感情障害はaffection disorder、気分はmood disorderとなっている。

 アメリカで躁うつ病を意味する双極性障害はICDでは双極性感情障害となっていて日本はアメリカではなく国際診断基準に従うことになっているから正式には後者を使う。

 正式にとは公的文書ということだ。

 ただ公的文書でも精神保健福祉手帳の診断書などでは双極性障害でもとおる。

 ICDの診断基準の改訂が遅れすぎていて時代にあっていない。

 それにアメリカもWHOも精神科の診断基準は同じものに統合していく傾向にある。

 ここで大切なのは「感情」と「気分」の違いだ。

 感情とは質を指す。

 気分とは量を指す。

 「何を?」といわれると困るが精神科では伝統的に精神を知情意に分けるので「情」だ。

 情の性情、種類を感情とする。

 喜怒哀楽でも絶望でも孤独感でもいい。

 情にはそもそもエネルギーがいる。

 エネルギーがないと感情すらなくなる。

 これはうつ病の重症病態などでみられる。

 食べることも動くこともできなくなる。

 自分が自分である感じが上手く感じられなくなる。

 体感異常などが生じたりして「自分は死んでいる」「自分は死ぬことすらできない」「自分の体の一部がなくなっている」みたいな訴えが出る。

 コダール症候群という。

 コダール症候群でなくてもうつ病の重症病態ではエネルギー枯渇症状がみられる。

 生理的にある程度のエネルギーは勝手に沸いてしまいそうだが、そうでもなさそうな節もある。

 エネルギーを発生させる装置が壊れるか故障してしまっているのかもしれない。

 あるいはエネルギーを発生しているが何かで消費してしまっているのかもしれない。

 エネルギーがあればラカンの理論を待つまでもなくそれが何かに変形される。

 感情にはいろいろな形がある。

 昔は悲しみや絶望感などをうつ病では重視していたのだろう。

 悲しんだり絶望感を感じるにはエネルギーが必要だ。

 感情があるということはエネルギーがあるということでもある。

 「むしろエネルギーの量に注目すべきではないか?」というのが気分の考え方だ。

 気=エネルギーだ。

 気というのは中国の考え方だ。

 単純には陰陽説だ。

 もっと複雑にすると五行説になる。

 陰陽説では感情の種類には注目しないが五行説は感情の種類に注目する。

 木は「喜(笑)」、火は「怒り」、土を「思」、水を「悲(憂)」、金を「恐」に割り当てる。

 陰陽は気の量を表し、五行は気の性質を表すようになっている。

 儒教や宋学の理気二元論を思い浮かべてもいいし、運気論というものある。

 科学的にはとるに足らないが実は実用的だ。

 見立てとして使ったり、患者さんへの説明として使ったりしている。

 一つの理論に過ぎないが現実に合うようにいい意味でこじつけも含めて作られている。

・気分の水準

 感情の障害という見方ではうつ病は「抑うつ気分」というものが診断で重視された。

 悲しみや空虚感、絶望感などの悲観的な感情だ。

 これは今でも抑うつエピソードの診断基準だ。

 それも重要な診断基準の2つのうちの1つだ。

 これは気分の質に関するものだ。

 もう一つの重要な診断基準は気分の量に関係するものだ。

 活動、興味、喜びの減退や焼失だ。

 これは気分の量の低下や欠乏をさす。

 このどちらかがないとうつ病とは診断されないので、どちらか片方があることがうつ病の必要条件となる。

・躁状態の診断基準

 抑うつ状態の診断基準はネガティブな気、感情、エネルギーか、エネルギー自体の減少、欠乏と書いた。

 想状態の診断基準もこれに似ている。

 想状態では重要な診断基準の症候は2つ。

①    気分の高揚、開放的または易怒的な気分

②    活動や活力の亢進

抑うつ状態の場合は2つのうちどちらかが必要だったが躁状態①②の両方が必要になる。

①    は気の質に関することだ。
 ポジティブな感情だ。

②    は気の量だ。

 躁もうつもエネルギーの質と量の両方を意識していることが分かる。

・季節の影響

 季節は気分に影響を与える。

 まずは光だ。

 冬期うつ病というものがある。

 冬期に抑うつ傾向になる人は多いのではないか。

 これの治療は光を浴びることが有効であることが昔から知られている。

 日照量が関係しているが光照射療法では必ずしも太陽光でなくてもよい。

 日照に関係しているのかどうかわからないが自殺が多い地域は高緯度地方が多い。

 北欧やロシアがそうだし日本だと秋田県や青森県が有名だ。

 光は睡眠とも関係がある。

 睡眠の概日リズムの調整には光が有効だ。

 というか知られている限り最強ではないか。

 昔から光とメラトニンと睡眠の関係が知られていた。

 メラトニンは外国の空港や薬局では時差ボケの薬として売られている。

 それ以外の目的もあるかもしれない。

 昔は夜搾乳した牛乳が売られていた。

 メラトニンの含有量が多いという触れ込みだった。

 メラトニン自体やメラトニン受容体関係の薬は処方薬として用いられる。

 ロゼレム©=ラメルテオンやメラトベル©=メラトニンだ。

 国立精神神経センターでは概日リズム睡眠障害の治療にメラトニンの注射が

 医療の侵奪では所見を取る。

 症状は自覚的に感じるもので兆候は客観的に観察されるものだ。

 併せて症候という。

 症候学という学問がある。

 例えば聴診器を発明、使用したラエンネックなどがまあまあ有名だ。

 精神科の症候学という本もよく打っている。

 兆候はやや頻度が低い言葉で症状や所見という言葉で全部まとめてしまう場合もある。

 この場合、自覚症状と高く症状という。

 あるいは自覚所見と他覚所見と言ってもいいかもしれないが後者はあまり使わないだあろう。

 所見とは医者が、あるいは医療関係者が客観的にとるものだ。

 とると言っても問診は自覚所見のようなものだ。

 その他聴診や打診、触診は健康診断でよく受けるだろう。

 心臓や肺や気道、おなかのうごきを聞いたりする。

 打診は主要や水が溜まってないか見るし触診は首を触って甲状腺肥大を確認したりする。

 また漢方では聞診、舌診、腹診などがある。

 精神科の症候学はユニークと言えばユニークで全てが問診からなると言ってもよい。

 初診は徹底的な情報収集で、最新は情報収集を続けながら、症候の変化を見たり聞いたりする。

 視診と問診で成り立つ世界だ。

 視診は重視していない精神科医だと問診だけの世界になる。

 感度が低くても視診は行うので、明らかに見た目や行動や雰囲気が異常ならそれはチェック項目だ。

 統合失調症の急性期や興奮や過覚醒、交感神経興奮が出ることがあるし、意識障害や意欲障害でふらふらになって脱力的にふらふらの時もある。

 整容や容姿、保清、化粧や衣服も見る。

 変な話現代社会のきれいな人は整形している可能性があるくらいには精神科医はみる。

風呂に入ってなくて同じものばかり着ていてタバコも吸っていれば異臭あり、となる。

 清潔にできていたり、化粧やおしゃれが出来手入れができていれば自覚的に比較的元気だが躁や軽そう状態の場合もある。

 患者さんの知識を頭やカルテに蓄積してプロファイリングを行っていくのだ。

 情報量は多ければ多いほどいい。

 服薬コンプライアンスや薬物、アルコールの患者さんの服薬や飲酒量なども本人申告より差し引いて考える。

 正確に申告していてさえアベイラビリティーはあいまいだしバイオアクティブアベイラビリティもCYPの多様性などで代謝酵素のタイプも活性も違う。

 体脂肪が多ければ向精神薬は知陽性なので分布容積が変わるし、容量反応曲線も個人差がある。

 タバコなど吸っていると薬効が1/2や1/3になってしまうものもある。

 

・気分障害

 気分障害はうつ病や躁うつ病を含む。

 研究によるとそれらは別のものだという考え方が出て最近は気分障害でまとめず分類が分かれてしまった。

 分かれてしまった割には同じ診断基準を使っている。

 躁うつ病の抑うつ状態とうつ病の抑うつ状態の診断基準は同じものだ。

 分けようと思えば分けれる統合失調症も含めて大きなくくりでまとめられるという考え方もある。

 もっと研究が進めばどんどん変わるだろう。

 気分障害は昔は感情障害と言って今でもWHOの診断基準では感情障害という言葉を使っている。

 うつ病も躁うつ病も感情の中で抑うつと躁に注目している。

 例えば不安は感情かもしれないが不安障害というものは別にある。

 その他いろいろな事情もあるのだろうか、気分障害という名前に変わった。

 エネルギーの質や量を見るという観点で感情障害という言葉よりも知識が向上していると考えられる。

・気とエネルギー

 実は「気」という言葉は医学で使う。

 漢方や東洋医学だ。

 漢方薬は保険適用も通っている。

 今後は保険医療財源がひっ迫するので漢方薬はなくなるかもしれないといううわさはある。

 感情の種類というモダリティではなく気や精神的エネルギーの量でうつや躁うつ病を見るという考え方がある。

 日本の精神病理学は世界一だった時期もある。

 感情障害を気分障害に変えたのは慧眼だと思われる。

 実際には英語のaffection disorderがmood disorderに変わったのでそれに便乗しただけ醸しれないが。

 気やエネルギーの量で気分障害を見るというのは昔の精神科医のやっていたことだった。

・大うつ病性障害

 現代のうつ病はmajor depressive disorderという。

 略してMDDだ。

 躁うつ病はmania depressive illness訳してMDIと書かれることがある。

 メジャーが大に相当する。

 昔は小うつ病という診断項目が少ないものがあったが今は全く使われない。

 当時も使われていたか怪しい。

 今でも分ける意味がよく分からないし当時もそうだったのだろう。

 あるいは何か今は廃れた歴史的経緯があったのかもしれない。

 典型的なうつ病、というのが日本やドイツの精神医学では言われていた。

 まじめな人が50歳くらいで生活や仕事で大きな変化が起こって発症するものだ。

 自分や身内の病気や市でもいいし仕事の移動や降格、昇進でもいい。

 心的エネルギーを使い果たして脳が疲れ切って消耗疲憊してしまう状態だ。

 エネルギーの枯渇が特徴だ。

 昔は若い人、子供はうつ病はないと言われた。

 あるとしたら躁うつ病だ。

 これは子供は回復力がすごいからだ。

 人間には自然回復力がる。

 エネルギーゲージが低下使用が回復が早い。

 ただしエネルギーがあってもそれがいい感情になるとは限らない。

 イライラかもしれないし悲しみかもしれないし絶望感かもしれない。

・気分障害の精神病理学

 今更になったが気分障害の精神病理学をここでは説明しない。

 季節やエネルギーの量の観点からだけ述べる。

 そうはいってもあとでちょっと触れてしまうと思うがここでは書かない。

 コロナ期間中に物故した故木村敏京大名誉教授や故中井久雄神戸大名誉教授はかなり前に亡くなられている故安永ひろし東大名誉教授と並んで3大精神病理学者と言われていた。

 日本の精神病理学はおそらく世界一であったような時代がある。

 精神病理学は臨床に直結するので勉強しておくと役に立つ。

 故木村先生や故中井先生だけでなくかなりご高齢になられた笠原嘉先生やもうなくなられてしまった多くの先生方がうつ病や気分障害の精神病理学に大きな貢献をしているので勉強しておくと損はない。

・別の注意

 エネルギーの話ではないが別の注意点としてはやはり患者さんの服薬順守にある。

 ストレスがない時期、学生さんなら学期間の長期休みなどでは患者さんが薬を飲むのを中断してしまっていることがよくある。

 ストレスがないし、朝早く起きる必要もないので気分が改善して平気だったりする。

 しかしその後に症状再燃再発して悪くなることがある。

 若い人の生活リズムの乱れはほぼ必発のようなものだ。

 スポーツや体育会系などでよく疲れて規則正しく寝れる場合もあるが、若い人、クリエーターなどはいろんな理由で生活リズムが乱れやすい。

 生活が乱れると気分症状が再燃、再発や悪化する場合がある。

 その他にも例えば統合失調症のような疾患では服薬中断しても急には精神症状が再燃しないことがある。

 1か月くらい後に再発することが多いので注意と言われる。

 結構季節の変わり目などがこれに当たることが多いが、季節の変わり目は休みから1か月くらい離れて始まることも多いので患者さんが多い時期になったりする。

・季節というより年度の問題も

 社会制度は気分に影響する。

 正月から大晦日までという文化的な区切りも会計年度の年度末3月年度初め4月もそうだ。

 業種や職種によるが月のある時期、四半期のある時期、週や1日のある曜日や時間が忙しかったり暇だったりする。

 患者さんをたくさん見ているとこういうものが気分に影響することが分かる。

 その時の気分だけではなく時間差を置いて影響してきたりする。

 5月が自殺が多かったり精神科が忙しいのは季節の変わり目もあるかもしれないが、長期休みのあと、GWの影響、4月の移動、就職、新卒の環境変化、春休みが明けて1週間後などの社会的、というと文化や制度的な問題が関係する。

・日照量

 これは昔から冬期うつ病と関係があると言われた。

 東北の秋田や青森、北欧、ロシアなどの高緯度地方の自殺が多いのもこれが原因の一つではないかと言われる。

 光はセロトニン生合成に影響する。

 うつ病のセロトニン仮説はある程度有効でシナプスのセロトニンを高める薬剤はうつや不安に効果がある。

 光はセロトニン量に関係するので日照量が少ない季節や痴呆ではうつ病にかかりやすいというわけだ。

 高照度光療法は冬期うつに有効だ。

 冬期うつ病は過眠、過食炭水化物気がみられ、身体整理に関する本能や欲求などに関わる点が特徴だ。

 冬眠に近いのかもしれない。

 人類学では人類がある時期冬眠していたのではという説があった。

 過眠、過食というとうつ病のサブタイプである非定型性うつ病とも共通している。

 非定型性うつ病は、過眠、過食、気分反応性、拒絶性過敏、鉛管用麻痺を特徴としている。

 冬期うつ病も同じくうつ病の1つの型としてDSMで研究対象に挙げられている。

・光と睡眠

 睡眠は気分と関係がある。

 不眠を続けされると気分障害や統合失調症他各種精神疾患を発症する可能性がる。

 たいていの場合統合失調症の急性期では不眠がある。

 昏迷みたいな状態もあるがこれは正確には意識の障害ではなく意志の障害だ。

 昏迷になりやすいのやより緊張病と関係が深い、気分障害、統合失調感情障害、非定型精神病になる。

 急性一過性精神病状態も緊張病障害も意識障害も怒りやすい。

 難しい問題だが、大雑把にいうと意識障害がると記憶障害がある。

 意志障害は行動や動作や内面表出がなくなるがその時の記憶はあったりする。

 断眠は争点することが知られる。

 昔はうつ病に対する断眠療法というのがあった。

 今はない。

 多分効果は一時的だしその他の有害事象が多いのだろう。

 寝ないというのはいかにも脳に悪そうだし脳を疲れさせそうだし脳のエネルギーを消耗しそうだ。

 ストレスや緊張が長いとうつ病になる。

 職場うつのような原因がはっきりしている場合にはセリエのストレス学説が説明に使いやすい。

 最初は警告反応器のショック期、非ショック期がある。

 体や心の変調が派手に見られる。

 自律神経失調、各種身体症状、筋肉の凝り、生理機能失調、不眠など体の症状とみられるものも多様に見られる。

 それを過ぎると消耗し疲憊する。

 この時期は症状表出が少ない。

 エネルギーがないので動きのある症状が出ないのだ。

 精神力動のダイナミズムが弱まっているのかもしれないが、病理は根深いものになり不可逆的な感じになる。

 昔はテレンバッハがエンドン仮説というのを立てたり、今でもしばしばうつ病患者の脳萎縮が報告される。

 オーバーワークのバーンアウト燃え尽きうつは分かり易い。

 単純にエネルギーがなくなったというモデルが使いやすい。

 エネルギーの量の問題は分かり易い。

 エネルギーの質の問題は精神エネルギーがネガティブな思考や感情、意志になると考える。

 この場合は気分障害とともに感情障害という言葉が当てはまるかもしれない。


・温度

 熱はそれ自体がエネルギーだ。

 熱すぎるのと寒すぎるので別の問題が生じる。

 適当な範囲で代謝が最大化する。

 至適温度と至適PHだ。

 化学反応と酵素の触媒系の効率が最適化するところがある。

 冷やし過ぎると熱を発生させなければいけないし代謝が滞る。

 同じ寝不足でも冬の方が翌日辛い。

 黄帝内経という中国の昔の医学書では冬は睡眠を長く、夏は短くと書いてある。

 歴史は長いが中学の書籍はたいてい宋の時代に宋改というのをして編纂や書き直ししているのと比較的王朝交代で古い文献をなくしてしまう文化なので古い形は残っていない。

 黄帝内経というよりも素問とか霊枢とか、ほかの形で残されている名称で呼んだものの集まりと見るのが正確だ。

 むしろ朱子とかの方が正確な記録が残っているかもしれず理気学説やアリストテレス質量形相やエネルゲイアやデュナモス論の方が見立てに面白い。

 生物というのは巨大な化学反応系だ。

 熱統計力学から有機化学や生化学ではギブスのフリーエナジーをならう。

 エントロピーやエネルギーを考慮し、等温、等圧環境での化学反応の方向性を考えるための、あるいはそのために便利な概念だ。

 エネルギーと気をここでは同じようなものと見立てる。

 温度が高すぎると覚ますのにまた手間がかかるが高すぎる温度は40度台のどこかで人間は長期生存が不可能になる。

 ただ至適温度の近傍域付近では体感エネルギーが高まる。

 色々な形でエネルギーは発生、摂取しいろいろな形でエネルギーは使われるのだが、代謝がいい方がメタボ神話的な現代の生活環境ではいいかもしれない。

 温度が低いと外部環境を整えるため何かを燃やしたり電気を使うなどのエネルギーを使うか自分で体温を高めるかだ。

 どちらも多分あまり健康的ではないのではないだろうか。

 高緯度は温暖環境に比べて寿命が短く見える。

 また自殺も多い。

 人類学的にも寒冷適応した新モンゴロイドは皮下脂肪が豊かでのっぺりし、シベリアなどで過ごしていなそうな古モンゴロイドは日本人の中でも彫りが深いと言われる。

 暑すぎも寒すぎもダメで温暖なのが多分よく、人間にとって心地よく過ごしやすいから暖かさが肯定的な表現なのだ。

 温度と熱の影響は分けにくい。

 理屈では何とでも言えるが実証は難しいのではないか。

 環境事実験するのは手間もコストもかかる。

 施設を整備しなければならない。

 被験者や実験者を拘束するのも大変だ。

 げっ歯類や大腸菌で実験や分子生物学の実験が行われるのはコスト労力が低いからだ。

 サル使うだけで大変になる。

 温度性うつ病というのはあまり聞かない。

 ただ温度とうつ状態は関係ありそうだがそういう研究結果があるのか知らない。

 東京で臨床していて気づくことは東北の人の方が冬に弱いことだ。

 昔風の考えだと人間や苦労や苦しみを乗り越えてより成長していくと考えられた。

 成長した人の方が上位互換で大は小を兼ねるみたいな考え方だ。

 若い時の苦労は買ってでもしろと言われた。

 子供時代は子供は風邪の子で、小さい時に感染症に沢山かかれば免疫ができていいなどと言われた。

 そういう場合もあるだろう。

 ただ今は違う考え方もするようになっている。

 過剰な苦労や苦しみは精神に不可逆的な変化を与えるというものだ。

 不可逆的な変化がいいものならいいのかもしれない。

 しかし不可逆だから元には戻れないのだ。

 何かを得れば何かを失う。

 そもそもこういうトレードオフや機会費用の考え方が昔は一般的ではなかった。

 今は少なくともある程度の知識がある人には一般的だろう。

 そうすると失ったもの、二度と元に戻らないものを考えるようになる。

 仮に元に戻っても時間がかかり過ぎたら、それに人生の大半を費やしたりしたら無駄が多い場合がある。

 人生が心身のトラウマを乗り越えるために大半を費やすためのものだったらそれでいい人もいるかもしれないが、効率が悪いように見える。

 幼少時期の逆境体験は人生の質を下げる。

 少なくとも生涯年収を下げることが2000年のノーベル経済学賞の受賞者のベックマンの研究で明らかになった。

 それからかほめて育てるのがはやってる。

 ジョジョの奇妙な冒険を最近読み返した。

 いくつかの部を読み返したが第5部のイタリア編では登場人物のほとんどが幼児期に逆境体験を受けている。

 それ以外は発達障害もサイコパスだった。

 逆境体験はこどもが「じぶんがこのようの粕田としんじるようになり心のねじ曲がった人間にそだつ」とズバリ書いている。

 全編の影の主人公のようなDIOは夜を呪い復讐しようとする。

 自らや家族に与えられた苦しみへの復讐みたいなものがよほど恵まれた人でなければ人の一面にある場合がある。

 冬の辛さは一種の逆境体験と言える。

 日本に限ると北国の人は冬に弱い。

 これは北海道より東北にその傾向がある。

 九州ややや暖かい地域で育った人は意外と冬に弱くない。

 寒さだけではないかもしれないが冬に対するネガティブな思いが染みついているのかもしれない。

 トラウマと言っていいかもしれない。

 精神科では症状が反復、循環するのが昔から問題だった。

 フラッシュバック、パニック発作、てんかん発作、統合失調症の急性期、うつ病や躁うつ病の急性期症状は以前起こったのと同じものや似たものが再発する。

 脳は記憶するのだ。

 一度体験したものは意識、無意識にかかわらず精神や体に出現することがある。

 履歴減少、ヒステリシスなどという。

 脳に刻まれ、その時と同じ脳の状態が再現しやすくなる。

 冬の辛さがそうだ。

 それが寒冷ストレスか日照の問題か分からない。

 寒冷ストレスはそれ自体明確なストレスと言える。

 疼痛と一緒だ。

 疼痛は抑うつ状態と正の相関がある。

 うつ状態なら痛みを感じたり痛みが増強しやすく、痛みがある抑うつ状態になりやすい。

 寒冷ストレスにもそのようなところがあると思われる。

 逆に暑さのストレスについてはよくわからない。

 日差しはそれ自体が皮膚に炎症を起こさせるので日焼けすると疲労を感じる。

 熱中症の1型に熱疲労というのがあるがこれは脱水を指すので別物だ。

 多分暑さだけ脱水がなくてもばてる場合がある。

 私の経験したいくつかの症例では火葬上で働いている人が体力的に消耗した例があり体力の消耗はありそうだが精神に対する影響はよくわからない。

 温暖な気候はどうだろうか。

 温暖な気候の地域に住んでいる国民や、1年で温暖な時期がある、或いは長い国民はそれだけで恵まれていそうだ。

 こういうのはリゾートやバカンスを経験してみると分かる。

 セロトニン系の薬を試薬すると拘りが減ってどうでもいいやとかなんくるないさとかだいじょうぶだとかなんとかなるさという感じになるが神経質、あるいは強迫的拘りを持ちにくい。

 今が幸せだったり問題がなければ将来のことを考える必要はない。

 なるようになるだろう。

 なんかあったときはその時で考えればよいだけだ。

 こういう生き方は別に珍しいものではない。

 お金では買えない場合があるので南北問題が生じる理由が分かる気がする。

 またイブン・ハルドゥーンの説のように北方の民族、遊牧民族でもバイキングでもゲルマン人でも南方を侵略し定住する理由も分かる気がする。

 人類学の仮説によると人類がテリトリーを広げられたのは勇者が新しいフロンティアを前に進めて冒険するというよりはそこに入れなくなった弱者が追い出されて原住地を出ていかざるを得なくなったというものがある。

 昭和20世紀は気候風土で文化や民族性を説明するのが流行っていた。

 和辻哲郎が有名で古い本を読むとコレの影響を受けた民族論や文化論が多い。

 エビデンスベースの研究がそんなに多いわけでもないと思うし、生物学的研究も多いわけではないと思うので何とも言えない。

 高照度光療法が冬期うつに使われるとしても実際には日本では使われないし、温度と気分の関係も研究が進むことは当分なさそうだ。

 高照度光療法は滋賀医大の精神科で睡眠の研究をしていた頃にはあったと思うが、精神神経学会の学術総会でもついぞ見ない。

 ニューロモデュレーションの一種になるのだろうか。

 抑うつに対するTMSも効果は低いし、効果が強い電気けいれん療法は手間がかかりすぎるので頻要するのは実際的ではない。

 栄養療法も効果があっても微々たるもので保険適用になるほどではないだろう。

 それに比べれば多分平均気温はエネルギー量も手間も費用も掛かるので有効性は高いかもしれないが研究しにくい領分だ。

 日本に梅雨があるのは面白い現象と言える。

 自殺は5月が年のピークだが梅雨がなければもしかすると6月がピークであった可能性もあるのではないだろうか。

 日照も下がるし温度も下がって寝やすい日が出る。

 低気圧があるので頭痛などの体調を不良を訴える若い女性が多い。

 精神科では体の具合が悪いと精神状態は改善するという法則のようなものが昔から言われる。

 たしか第2回ノーベル医学生理学賞は統合失調症の患者をマラリアに感染させる療法だった。
 
 梅雨は湿度がうっとおしいが躁うつ混合状態が改善する傾向がみられる。

 日照量も温度も代謝もよくなり5月を上回る躁うつ混合的な感じや自殺が6月更に進んでもよさそうだがピークアウトするのは慣れか、長夏=梅雨のおかげもあるかもしれない。

 秋の台風もやや似た感じがあるが精神症状の悪化もサルが各種体調や睡眠状態の失調がみられる。

・気圧

 血圧は高い人の方がバイタリティが高い。

 血糖もだ。

 若い間はどちらも高めの方が得をすると思う。

 極端に高いのはもちろんよくない。

 しかし子供時代や若い女性は低血圧や血圧をぱっと上げられない起立性調整障害で苦しむ。

 これは不登校の原因になったりする。

 別に学校が嫌いとかいじめがあるとかではなくこれが結構な頻度になる。

 高血圧過ぎると若すぎても出血が怒ったりする。

 覚せい剤使用者は若くても脳卒中を起こすことがある。

 低すぎるとショックというものになる。

 ショックの時には足を上げたり足を加圧したりポンピングしたりする。

 人間は脚を使ってない時は脚の血流は本来あまりいらない。

 ただ止めてしまうわけにもいかない。

 だから座り仕事や立ちっぱなし仕事は寿命が短くなると言われる。

 心臓の余計な仕事が増えて心臓の劣化、老化が早まるからだ。

 最近聞いた話だと1時間座割りっぱなしだと2分くらい寿命が短くなるそうだ。

 ブラックジャックという漫画に体が大きく心臓が弱い少年を親が無理に相撲取りにしようとして心不全が怒ってブラックジャックが少年の足を切ってしまう話がある。

 最近は貧乏ゆすりの健康効果が証明されている。

 イギリスなどで大規模研究が行われている。

 別の研究では貧乏ゆすりはがんの予防効果があるそうだ。

 マッスルポンプと言って、筋肉動かしていると静脈血を心臓の方に送り出す助けになる。

 これは心臓の補助に働く。

 静脈やリンパ管はベンがついており逆流しないようになっている。

 筋肉の収縮が静脈やリンパ管をしごくように働く。

 素潜りなどでは手足が水圧で押されるので血液が胴体や頭部に集中する。

 これも心臓の負荷を減らす。

 だいたい循環で大切なのは脳に血液を回すことだ。

 手足などは優先順位が低いしそんなに急がない。

 スポーツしているときは知らない。

 また無重力状態になると脚、体の下にたまっていた血液が上の方にシフトし、体液の体の中の配置が換わる。

 これも循環のサポートになる。

 環境外圧、気圧にせよ水圧にせよ高い方が体を圧力で押してもらえるので、心機能を助ける。

 逆に低圧環境にいくと循環に負荷がかかる。

 登山すると高山病になることがある。

 これは循環の問題が含まれる。

 肺水腫、浮腫、循環不全、血栓などがでやすい。

 ついでに高地では不眠になる。

 登山家はアタックしているときは不眠との戦いになる。

 体を全方位から推す空気の圧力が下がるからだ。

 もっと低圧、例えば宇宙船から宇宙空間に放り出されると体液を体内に維持すらできなくなる。

 蒸発したり沸騰する。

 宇宙服は必要なのだ。

 運動している人、過去に運動していた人、体が出来ている人、体質改善した人は、気圧の変化に強い。

 自分自身の体で血圧や循環をコントロールできる。

 環境の助けや妨害を受けにくい。

 逆に体を鍛錬したことがない、していない人は天気が悪くなる程度の低気圧にも弱くなる。

 低気圧性頭痛、あるいは気象病のように俗称で言われる症状がある。

 そんなに研究されてないと思う。

 低気圧性頭痛については漢方の五苓散という薬が効く。

 熊本大学の先生や作用機序を調べた。

それによると細胞内外の水の動きを阻害する作用があるらしい。

細胞内外の水の移動はアクアポリンという膜たんぱくを通して行われたりする。

五苓散を使うとそれをマグネシウムで阻害する細胞の内と外で水が移動するのを阻害する。

体の水分がどこにどういう形で存在しているのかというのはめちゃめちゃ重要な問題だ。

生死や健康に直結する。

人間をはじめとする動物になぜ胴体があるのかと言えば体の水を適切に保つためと言ってよい。

心臓は体循環の微小循環のエンジン、肺は溶存ガスの調整、肝臓は血液に溶けている化学成分の調整、腎臓は血液をこしとり不必要な物質を排泄し、水や必要な物質を再吸収する。

胃腸は体外から必要な物質を吸収するためだ。

脾臓は血液の血球成分の調整、処理だ。

大生理学者のクロード・ベルナルドのホメオスターシス=恒常性とは細胞外液の恒常性を指す。

 無重力空間では利尿がかかるそうだが体の下部にたまっている水分が頭に移動するのを調整するためだそうだ。

 身体部位という大きな見方でなく、細胞内と細胞外の水分の偏在という問題がある。

 神経とは細胞だ。

 脳は神経細胞の集まりだ。

 神経細胞内に水分が偏ると脳浮腫になり二日酔いなどが起こる。

 酷いと脳ヘルニアになり死ぬ。

 気圧が体調に関係する病態としが高山病などの高知障害がある。

 酸素分圧が1/3になる8000m級の山では人間は短時間しか滞在できない。

 エベレストの山頂に無酸素で滞在できる時間はわずかだ。

 最初に無酸素登頂に成功したのはラインホルト・メスナーだが当時は超人的な登山家だった。

 現在の登山家はもっとレベルが上がっているかもしれない。

 高知障害は酸素分圧だけの問題ではなく肺水腫などの水分偏在の問題が生じるし、凍傷や血栓などが生じるがこれは寒さの問題だけではなく水の問題だ。

 宇宙空間に近づくともっと分かり易くなる。

 重力やガス圧の影響で宇宙服や宇宙線なしでは人間は蒸発する。

 逆に高圧状況に人間は強い。

 潜水や素潜りやスキューバダイビング、あるいは入浴程度でも心地よく感じる人は多いはずだ。

 マッサージや指圧の全身版だ。

 スキューバダイビングでは潜水病が生じるがこれは別の問題だ。

 低気圧程度では高地障害のような問題は起こらないがそれでも気圧が低いと体の水分の偏在が変わる、というのが低気圧性頭痛や気象病の説明の1つだ。

 内的な循環能力が高い人、男性やスポーツやっている人は気象病起こさない。

 外部環境に左右されない強靭な心配能力などの内的ホメオスターシス維持能力が高いからだ。

 若い細身の低血圧のダイエットして筋肉なども少ない女性などは低圧障害に弱い。

 年取ると外部環境による頭痛は起こらなくなる。

 某ペインクリニックの先生が頭痛は65歳までと言っていたが臨床実感によくあってぴったりだ。

 年取ると何によらず鈍くなりやすい。

 年取って過敏なのは悲惨だ。

 若い時の多感で繊細な感受性を持ったまま老衰で死ぬというのは耐えられないだろう。

 昔は神経症質の年配の女性が多かった。

 異論もあるかもしれないが最近は随分少ない。

 時代や世代や年代で疾患が変わっていくのは精神科に関わらず普通に見られる現象だ。

 同じ年齢でも今の人は若く見える。

 昔は老女と思って診察していた患者さんももしかしたら40~50くらいで今なら老女というと怒られる年齢だったのかもしれない。

 若い時は多感で繊細で悩みや苦しみが多いが死ぬことはない。

 年配者が具合が割るときは突然死んだり倒れたり救急搬送になることがある。

 多分健康維持のためのセンサーが鈍くなっているのかもしれない。

 真夏なら熱中症、脱水、真冬なら血管イベントや感染症が突然起こる。

 寝だめも食いだめもできない。

 特に脱水には極端に弱い。

 体重に占める水の割合が低い。

 年配者に比べれば赤ちゃんはクラゲやキュウリのようなものだ。

 いかに水を貯え成分調整し必要なところに迅速に移動させるかが陸上生物の醍醐味と言える。

 これら不調は身体症状だけでなく精神・神経症状にもつながる。

 訓練すれば気圧の変化は自覚できる。

 漁師や農家でこれが出来る人が多い。

 前に八重山諸島の民宿で東京水産大学かなんかに行っていた後継ぎが風の変化などで気圧や前線の通過を知る腕前を実演してくれた。

 大学で習った地球物理が島で小さいころから聞いてきた気象の変化につながると感心したそうだ。

 衛生学説というものがある。

寄生虫キャリアの減少とアレルギー疾患の増加が関係あるとしたものだ。

現代のデスクワークの増加と身体状態への敏感さも一種の衛生学説と言える。

デスクワークの増加は目や頭、首、肩、背中への負担を増加させたが、そういう意味ではなく体を動かすのを経ると自分の心身の状態に敏感になる。

座り仕事は寿命を縮めるとか貧乏ゆすりは身体によいとかいろんな研究データが出てきた。

女性の天気への敏感さや生理関連障害はこれと関係ありそうだ。

 痛みのゲート仮説のようなもので何か別のことに関心が言っている間は不快な感覚や気分や体調から注意がそれる。

・湿度

 布団の西川の店員が睡眠に理想的なのは3350と言っていた。

 布団の中の温度が33度で湿度50%がいいという意味だ。

 これの是非はともかく湿度は寝苦しさなどと関係がある。

 深部体温や体表からの排熱は睡眠導入に必要な場合が多いが、体温調整には気化熱が使われる。

 発汗や呼吸による不感蒸泄だ。

 外界の温度とともに湿度も温度調整には必要だ。

 湿度は睡眠と関係あるが、気分とは関係ないかもしれない。

 あるかもしれないがそういう研究は誰もしていないだろう。

・1年の概観

 概して日照のせいかどうかは知らないが2月くらいから生体の気=エネルギー水準が上がっていくようだ。

 気温は下がるので多分日照量の方が大切なのだろう。

 本邦では2月から自殺率が跳ね上がる。

 自殺は昔の大うつ病では回復仕掛けが危ないと言われた。

 抑うつ状態の極期では自殺する元気もない。

 エネルギーが出てくると自殺する元気が出てくる。

 よく見ると2,3月くらいから気分変動が出てくる患者さんが多いのに気が付く。

 自殺で見ると4,5,6月が自殺が1年で一番多い。

 この時期、特に5月くらいになると躁うつ病云々に関係なく、普通の人でもムードスイングや躁うつ混合状態的な感じが出ているように見える。

 若い人は回復力があるかもしれないし、年配者は疲れれば休めるかもしれない。

 しかし壮年期の人々はとかくやらないといけないことが多い。

 自分の体調ばかりに構っていられない。

 これが気分のメタ認知や疲れや睡眠、休息や活動、睡眠や覚醒、交感神経と副交感神経のバランス、筋肉や神経、内蔵の緊張や弛緩を失調しやすくなる一つの理由になる。

 7,8月は患者さんが通常経る季節だ。

 これは病院でも診療所でもそうだと思う。

 夏は疲れの季節だがここら辺は旧暦で言うと晩夏と初秋だ。

 漢方では中期の夏バテや後期の夏バテと呼ばれる。

 熱いが日照量は減り始める。

 夏休みなどの社会的な要因もあり8月31日は子供の自殺が多いので有名だ。

 通常患者さんは医者が思う程には服薬をきちんとしない。

 長期休みや状態がいい時はなおさらだ。

 これがその後のいわゆる季節の変わり目の自律神経失調や体調不調の1つの原因にもなる。

 9月は学校などの年度や企業の半期でもあり、2学期が始まるし社会人は移動や転勤がある。

 こういう変化も精神状態の変化の一因となる。

 日照量も下がり、火が短くなる。

 気温も涼しさから寒さに変わっていく。

 形式も色や光の鮮やかさがなくなりモノクロム調になっていく。

 台風も来る。

 エネルギーや気の減少があるがネガティブな感じより最初は過ごしやすいというポジティブなものだろう。

 ただ冬が深まるとエネルギーが低下する。

 夏は疲れの季節だが冬はそもそものエネルギーが低い。

 同じおっくうさや倦怠感でも若干異なるものだ。

 湿度や花粉や黄砂などの空気中の混じり物もいろいろ関係する。

 夏は湿度、寒冷期は乾燥の方が日本の寒冷期は健康全般に対する影響が多そうだ。

 精神科では春と秋の季節の変わり目が患者さんが多い。

 真夏と真冬は変わり目より患者さんは減るが真夏より真冬の方が患者さんは多い。

 多分暑いより寒いが気分の質に陰性の影響を与えそうだ。

 中国古典では黄帝内経≠素問、霊枢などで季節や陰陽五行などのことを書いているがこれは文献学的にも科学的にも特に根拠はないのだが患者さんの説明に使うことがある。

 エビデンスベースドでないナラティブベースドな医療だ。

 気象や気候などのような大きなものはエビデンスを出しにくい。

 他因子になる。

 小さな混じりけのないものが医学のような化学には向いている。

 ただ今後データサイエンスやAIの進歩で事情が変わってくるかもしれない。


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