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解析学#3

今回も比較的簡単な命題の紹介をして行きます。証明には、解析学#1#2から容易に出来ます。是非、考えてみてくださいね。

命題1.4
$${a,b\in\mathbb{R}}$$と$${0}$$を零元とする。
(1)$${0a=a0=0}$$
(2)$${a(-b)=(-a)b=-ab}$$、特に$${a(-1)=(-1)a=-a}$$
(3)$${(-a)(-b)=ab}$$
(4)$${ab=0}$$ならば、$${a=0}$$又は$${b=0}$$である。また、$${a^2=0\Leftrightarrow a=0}$$

次の命題も今までに当たり前に用いてきた事です。
$${a_1,a_2,a_3,a_4\in\mathbb{R}}$$に対して、適当に括弧を付けて和を考えると
$${\cdot((a_1+a_2)+a_3)+a_4}$$
$${\cdot(a_1+(a_2+a_3))+a_4}$$
$${\cdot a_1+((a_2+a_3)+a_4)}$$
$${\cdot a_1+(a_2+(a_3+a_4))}$$
$${\cdot(a_1+a_2)+(a_3+a_4)}$$
の5通りあって、定義1.1(1)を繰り返し用いることにより、全て等しいと示せます。また、定義1.1(4)から和の順番を変えても等しくなります。順番を変えるとは、
$${\cdot a_1+a_2+a_3+a_4}$$
$${\cdot a_1+a_2+a_4+a_3}$$
$${\cdot a_1+a_3+a_2+a_4}$$
$${\cdot a_1+a_3+a_4+a_2}$$
など、24通り考えられるもののことです。一般に次の事が帰納的に示されます。

命題1.5
$${n\geq2}$$の$${a_1,\cdots,a_n\in\mathbb{R}}$$に対して、和を考えるのは適当に括弧を考えても順番を変えても、それは無関係で一定の値となる。
これを$${\displaystyle{\sum_{i=1}^na_i}}$$と書く。

積に対しても全く同様なことが言えるのは容易にわかると思います。

命題1.6
$${n\geq2}$$の$${a_1,\cdots,a_n\in\mathbb{R}}$$に対して、積を考えるのは適当に括弧を考えても順番を変えても、それは無関係で一定の値となる。
これを$${\displaystyle{\prod_{i=1}^na_i}}$$と書く。

当たり前に使っているものだからこそ、その根本は意識して確認をしておくことが大切だと思います。

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