不安の操り(短編・恋愛小説)
悠太はいつまで経っても帰ってこない。もう夜中の1時を過ぎているのに。
麻耶と悠太は、だいたい1年3ヶ月前から同棲して付き合っている。最初の六、七ヶ月は朝も夜も2人で楽しく生活していたのであるがここ最近、摩耶は悠太に愛想をつかされてしまったように感じている。
その2人の同棲生活というものは、まるで子供かネックになっていて離婚できない夫婦のようである。
たとえば、悠太は麻耶が作った朝ごはんもろくに食べず、会社へ向かう。お弁当も忘れていくことが多々あり、しかもそれはわざとに思える