燐寸法師 @キリ神読書会

20世紀ドイツ語圏の組織神学を生齧りしています。本業は福祉方面。

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最近の記事

人を見て、自由を説け─自由は愛の方便だから

人は天使でもなければ獣でもない、とパスカルは言う。 人は悪魔でもなければ機械でもない、と僕は思う。 人は環境の影響に一切依存せず純粋な悪意をもつ存在ではないし、逆に環境に一切を依存した責任能力の無い機械でもない、と信じているからだ。 ところで、自由とは愛の方便だと僕は思う。 人を見て法を説け、と俗に言うけれど、 人を見て自由を説け、と僕は思う。 レジスタンスの闘いに身を投じるべきか、故郷の母親を助けるべきか。葛藤する青年に対して、サルトルは「君は自由だ。選びたまえ。つま

    • 信じる葦

      ピアノの弾き語り曲、目下編曲中。 そのうち録りたいなあ。 詞・曲 燐寸法師 信じる葦 いのちってさ   はじめっから 暴力だよね 母のお腹を 傷つけて 他のいのちを むさぼって 人間ってさ   どんないのちより 脆弱だよね 自分の悪に 気づけるから 賢すぎるから 壊れるんだ それでも それでも 生きてゆけるのは 抱かれたことが あるからさ いびつな汚れた いのちのままで 抱かれたことが あるからさ 人間ってさ  はじめっから 絶望だよね 終わりが来るって 知ってる

      • いのちって、はなっから暴力だよね。

        いのちって、はなっから暴力だよね。 生まれるために、生まれ得たはずの他の精子を蹴落として。生き延びるために、生き延び得たはずの他のいのちを捕食して。 他のいのちと人のいのちを区別するのは、自分が他のいのちにとって悪なんだって気づけるほど賢いことと、その悪の自覚に耐えられないほど脆いことだよね。 人のいのちはあまりにも脆いから、こんな自分が生きてる事に抗議せずにいられなくて、いっそう暴力に走るんだ。 そんな呪いにもかかわらず、何とか人が生きてゆけるのは、自分がその産道を

        • Passion for God

          あなたは、私たち人間を永遠の幸福に隷属させる事を断念する程に、 私たちの自由を願われました。 それは、自由が無ければ愛する事が出来ず、 愛がその応答を得なければ、 あなたの目的が満たされないからです。 何故ならあなたは愛だからです。 愛は自由を、自由は離反を、 離反は悪を、悪は苦しみを招く故に、 私たちは愛と引き換えに、 苦しみを受けています。 けれども、 あなたは私たちの苦しみを一身に引き受けて、 痛みを分かち合う事を通してご自身の愛に招く故に、 私たちは苦しみと

        人を見て、自由を説け─自由は愛の方便だから

          第0回読書会の収穫報告と次回のお知らせ

          収穫の報告 「キリスト教神学入門」読書会〜あつまれ!しんがくの森〜 第0回「いきなり!終末論」は3月27日に予定通り開催されました。 当日は、前半パートで神学の各分野の区分と課題図書「キリスト教神学入門」(以下「キリ神」)の概要を確認。それからキリ神の第18章冒頭をレジュメに沿って講読しました。後半パートでは、前半で読んだ内容について参加者同士感想や疑問点を出し合ったりしました。途中出入りもあって参加人数をちゃんと把握できませんでしたが、大体4〜5人で話を回していて、わり

          第0回読書会の収穫報告と次回のお知らせ

          【開催のお知らせ】「キリスト教神学入門」読書会〜あつまれ!しんがくの森〜 第0回「いきなり!終末論」

          開催趣旨 英語圏で最も広く使われている入門書を講読して基礎的な神学の理解を深めつつ、お互いの信仰観や神学についての考えを分かち合い、学びあえるような場にしたいと思います。全体の通読ではなく、会ごとにトピックを絞って講読&議論&感想の共有というスタイルで行いたいと思います。会の理念についてご理解いただける方であれば、どなたでも参加できます。見るだけ・聞くだけ参加も歓迎します。 開催日時 3月27日(日) 20:00〜21:30 オンラインの会議ツールを用います。今のところ

          【開催のお知らせ】「キリスト教神学入門」読書会〜あつまれ!しんがくの森〜 第0回「いきなり!終末論」

          森のしきたり ー 読書会の理念について

          自己紹介 初めましての方は初めまして。燐寸法師(まっちぼーし)と申します。ドイツ系プロテスタントの教会に所属するキリスト者です。今月(2022年3月)で洗礼を受けて丁度1年になりました。礼拝では奏楽(ピアノ)の奉仕を隔週で担当しています。最近好きな賛美歌は「慕いまつる主なるイエスよ」です。 実り多き場にするために ー 雑木林を守る さて、この会はキリスト教神学の学びを深めることを目標としています※1。しかし、ここは同時にさまざまな信仰や信念、価値観を持った人達が集まる場

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