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変態バンドに人生を狂わされた私。嘘つきバービー「問題のセカンド」

★この文章は、私が別名義でnoteに投稿していたディスクレビューを加筆修正したものです。

嘘つきバービーという誰がどう見ても正統派ではないロックバンドが、僕にとって「バンドサウンド」にハマる大きなきっかけだった、なんていったら石を投げられるかもしれないな。「そんなわけないだろ!」、と。

でも、事実なんですよ。

嘘つきバービーというバンドを知ったきっかけは、WEB漫画サイト「新都社」で掲載されていた「やわらかヘンリー」という漫画を見つけたことだった(この新都社というサイトは誰でも漫画を投稿できるサイトで、ワンパンマンとかもここが発祥だったりする。人は少ないけど2020年現在も現役で運営されていてすごい)。

漫画は何年か前に消されていてもう読むことはできない。内容も忘れてしまった。たしかかなりサイケな作風で今思うと嘘つきバービーの世界観にかなり影響された雰囲気だったことは覚えている。

サイトに設置されていたコメント欄を見ると、「やわらかヘンリー」というのは「嘘つきバービー」というロックバンドの曲名だ、ということが指摘されていて※、なるほどそれも見てみるかということでyoutubeへ。「やわらかヘンリー」という曲のMVが確かにあった。

その頃、惰性の習い事でピアノは習得していたけどそこまで世の中の音楽というものに興味がなかった自分にとって、嘘つきバービーの音楽性はかなり刺激的だった。

音楽を聴きなれている人でも嘘つきバーニーの異常性には舌を巻くことだろう。強烈なベースボーカル、ヘンなギター、やたらとうまいドラム…そして狂った世界観の歌詞。スリーピースで全員男なのに姫カットというビジュアル……

好きとかいう感情よりも先に、そのスタイルに何か惹かれるものがあった。

他のMVももちろん確認した。「虫こない」と「どろろどっきんぐ」。今見ても衝撃的。


そのころ嘘つきバービーはアルバム「問題のセカンド」をリリースした頃で、ぜひとも他の曲も聴きたいと思った僕は、父親に「ゲオにあったら借りてきて!」と頼んだ。

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(画・緑色三号)

父親は息子の提示する音楽に「ゴリゴリのバンドサウンドやんけ」と驚いていたが、会社帰りに確認してくれた。「ゲオみたけどなかったよ」。がっかり。

レンタル屋に置いてるわけないだろ!」とすぐに突っ込みがいただけると思う。インディーズのアーティストのCDがレンタル屋に、ましてや品ぞろえがゴミのゲオなんかにあるわけがないんだ。当時の僕は「インディーズ」というものが何なのかよく理解していなかったぐらい音楽に疎かった。

本当に聴きたいなら通販で買えよって思うかもしれないが、当時の僕はCDに3000円出すなんてありえないと考えていた人間だったから、買うなんて選択肢は頭から抜けていた。

何回も繰り返すようだけど、それほど音楽に疎かったのだ。

この「問題のセカンド」が自分の手に入ったのは相当後で、たぶん7年ぐらい後。普通にamazonで買ったと思う。そのころには嘘つきバービーは解散していた。

記事を書くにあたり、改めて「問題のセカンド」を聴いた。

解散がただただ惜しまれる完成度だなあ、と思う。

強烈なボーカル+狂った歌詞+印象的なギターリフ+はちゃめちゃなベースとドラム+超展開という嘘つきバービーの魅力を余すところなく楽しめるアルバム。嘘つきバービーを初めて聴く人にも勧めやすい。

メジャーデビュー後のアルバム、「二二二二」と比べるとより荒々しく、インディーズ感が強いのもイイネ。

よりインディーズ感マシマシのが聴きたい方は「子供の含みぐせ」をどうぞ。ただこのアルバムはタワレコ限定販売なので入手しにくいかも。

一応嘘つきバービーは前述のようにメジャーデビューしたのだけれども、たった1枚のアルバムをリリースしただけで終わってしまった。yotubeにある解散ライブの映像を見ると、ギターの人だけ普通の髪形をしている。たぶん考え方とかの面でいろいろあったのだろうな。

ちなみにベースボーカルの岩さんは嘘つきバービー解散後、ニガミ17才というバンドで活動していてそちらでも独自の世界観を構築している。

邦楽界の隠れた鬼才による、嘘つきバービーの頃とはまた違った音世界。こちらもぜひ。

なお、嘘つきバービーにハマった僕は、コメント欄や関連動画一覧といった場所でたくさん「ゆらゆら帝国」という単語を目にする。

……それをきっかけに僕の人生における「音楽」という歯車が本格的に動き出すことになるのだが。その話はまたいつか。

とりあえず「問題のセカンド」、機会があったら聴いてみてネ。

※「コメント欄で「やわらかヘンリー」というのは「嘘つきバービー」というロックバンドの曲名だ、ということが指摘されていた」ということについての補足。
いま調べたらコメント欄のデータのみインターネットの海に残っていたので確認を取ってみた。そんなコメントは存在しなかった。なんてこった……ただ、「ゆら帝っぽい」というコメントはたくさんあったので、それ経由で嘘つきバービーの存在を知ったのかもしれない。または単に「やわらかヘンリー」という言葉でググったか。

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