【小説】ある駅のジュース専門店 第49話「約束の日①」
土曜日のお昼頃。俺と親友の井田は白淵市から電車に乗って、晒根町の駅に降り立っていた。この町に住んでいる、玉村誠一さんという方の話を聞くためである。
今、俺たちは都市伝説「ある駅のジュース専門店」について調べている。主にSNSを中心に広まっている噂で、電車やバスや車に乗っている時、あるいは道を歩いている時、見知らぬ無人駅に辿り着いてしまうというものだ。駅の構内に佇むのは、鮮やかなネオン看板を掲げた店。そこは「サラセ」と呼ばれる店員が営むジュース屋で、出されるジュースはとても