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【エッセイ】「おかえりモネ」を見て思うこと

現在、NHK連続テレビ小説で放映されている「おかえりモネ」。
本作は、上質な「小説」のような作品である。
特に登場人物たちの心情描写が秀逸だ。

何故?と思うけど、その何故?は複雑に絡み合った
過去の経験や今の感情が織りなす人間の心理の難しさと面白さであることをしっかり描いていると思う。

中でも、モネの島の幼馴染であるりょーちんが東京に来た時の話は、
20代の男女の心が軋むような話だったと思う。

好意には気付いている。
でも答えられない。
でも好き。
私も好き。
でもなんであの子が?
なんで私が。

顔では笑っているけど、
表情筋を緩めた瞬間に涙が零れてしまいそうだ。
笑顔であることで心の涙を抑える。
そして自分自身もだます。
相手のためと見せかけて、
それが最大の自己保身であることに蓋をしながら。

喫茶店でのモネとりょーちん。
オムライスとクリームソーダ。
「好きだよ」
この言葉を投げかけた先と本質。
スーちゃんの優しさ、強さ。
みーちゃんがワンピースをモネに投げつけた感情。
止まらない衝動とやるせない思い。

なんで?なんで?と思う。
自分でもわからないなんで?を思う。
私もそんな渦のど真ん中。

ーーー
両親とこの週の話をしていた時、
そしてみーちゃんのやるせなさをしていた時、
父がふといった言葉。
「そりゃ、幼馴染の妹からかかってきた電話より、
幼馴染からかかってきた電話に出るってなるのは仕方ないだろ」
うん、そうなの。
実はそこまで難しい問題ではないの。
でも、渦の中の本人たちは見えなくなる。

第三者であったり、異性であったり、
年齢が違ったりすると案外あっさり解ける方程式。
あぁ、だから人って相談して、支えあっているんだ…と
少し本題とは検討違いなことを思った。

父よ、みーちゃんにそのこと伝えてあげてくれ。

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