【エッセイ】チャンスの顔つき

チャンスはチャンスの顔をして現れない。
何気ない顔をしてやってきて、
気付かないうちにいなくなってしまう。
そして誰かがそのチャンスをつかんでいるのをみて、
あの時がチャンスだったと気づく。

まだ、後にチャンスだったと気づくならまだいい。
次回似た状況があったときは気を付けてみるようにできるから。
でもほとんどは、あの時とさえ思わされることなく、
何気なく通り過ぎて行ってしまうのだ。

チャンスを見つけられるのは、
常に神経を研ぎ澄ましている人だけだ。
そのような人でさえつかめないことがあるのがチャンスなのに、
ぼーっとしていたら猶更つかめない。

時に人生には棚ぼたも起きたりする。
でも偶然の産物ほど恐ろしいものはない。
偶然を偶然のままにしておいたらいつの間にか
指の間からすり落ちてしまうから。

だから私は、
いつでもチャンスを掴めるように、駆け出せるように、
クラウチングスタートの体勢を崩さない。