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【美術展2024#62】開発好明 ART IS LIVE ひとり民主主義へようこそ@東京都現代美術館

会期:2024年8月3日(土)〜11月10日(日)

都内美術館初となる開発好明(1966-)の大規模個展「開発好明 ART IS LIVE―ひとり民主主義へようこそ」展を開催します。開発はそのキャリアの最初期となる1990年代より、日常生活や社会現象など身の回りの出来事への関心を起点に、コミュニケーションを内包、誘発する表現活動を継続してきました。
〜中略〜
こうした開発の膨大かつ多彩な表現活動は、美術館での収蔵や展示が前提とされていないものも多く、その経歴を俯瞰する機会は30年以上のキャリアの中でも限られてきました。本展では、日々の出来事や社会の変化に生身で向き合ってきた開発の作品・プロジェクトから約50点を紹介し、「ひとり民主主義」の世界に来場者を歓迎します。

東京都現代美術館


さて、高橋龍太郎コレクション怒涛の3時間コースでイカされてラーメン二郎マシマシ食後のような放心状態のまま同時期開催の開発好明展へ流れ込む。

長いこと「カイハツコウメイ」と読んでいたが、ある時に実は「カイハツヨシアキ」だったと知った時は衝撃だった開発好明。
だけど昔はみんなカイハツコウメイって言ってたんだけどなあ…


入口看板がすでに作品。

《ふせんドローイング》
拡大


《投げ彫刻》


しかしだめだ、直前に見た高橋コレクションがリセットできない
世界観が全く違うためなかなか頭がついていかない。

発泡スチロールシリーズ


《147801シリーズ》

ピカソが生涯で制作したとされる作品数を超えるためのプロジェクトだそうな。



会場には作家本人扮するパンダが。

《都会生活者のオアシス》



《投票 YES/NO in MOT》

いくつかの設問があり、だいたい同じくらいになるように調整されているらしいが現在ピンク優勢か。

《投票 YES/NO in MOT》



750名の政治家に招待状を送ったが視察希望者は一人もいなかったそうだ。

《政治家の家》

ピンポイントで狙っていけばいずれかの泡沫議員あたりが話題作りで来てくれそうだが、逆に(誰も来ないことを見越して)招待状を出した時点ですでに作品は完結している気もする



NYグラウンドゼロで採取した埃で制作したそうだ。
中央にはワールドトレードセンターを意味する2つの雫が。

《涙の池》

その奥にはもんじゅ漏洩事故後に周辺で収集した埃で作った戦闘機が立ち並ぶ。

ゴールはどこだ?



日の丸はどこまでの「ズレ」であれば許容できるのかを問う。

《日の出・印象2024》

国旗及び国歌に関する法律(平成11年法律第127号)別記第1(第1条関係)にて、

・寸法の割合及び日章の位置
  縦
:横の三分の二
・日章 
  直径
:縦の五分の三 
  中心:旗の中心

と、実際は厳密に定められているのですけれどね。



《巨大オマージュシリーズ》
《フォンタナシリーズ山》


デュシャンの《泉》へのオマージュ。

《R.MuTTuri》

多方面にイジるねえ。
ムッツリ じゃないのよ。



時は1992年。
ドクメンタの会場を無許可でそれっぽく練り歩く。

排除されることが目的だったらしいがあまりにそれっぽすぎたため誰にも排除されなかったそうだ。
おおらかな時代だったんだなあ。

それから時は流れて早30年以上経つが、開発氏は今でもブレずにまじゃりんこシールのような小学生のダジャレ的作品を作り続けている。
ここまで長い道のりだっただろうが今や東京都現代美術館で個展が開けるようになるなんてひとまずこれは成功と言ってよいのか。

結末がどうなるかわからないし、どうなろうときっとどうでもよい。
とりあえずやったという事実が積み重なっていけばそれでよいのだ。
フリっぱなしでオチのないボケ。
ひとりだけの民主主義なのだから全て正解なのだろう。
別の主義の人が2人いれば裏返ってしまうのだけれどね。



しかし高橋龍太郎コレクションでガッツリやられた瀕死の体には、やっぱりこってり系はキツかった。
それはまるでラーメン二郎マシマシからのついうっかり家系ラーメンへハシゴしてしまったような絶望感。

…もう動けない … _| ̄|○

今この瞬間ならば今度こそ内藤礼を優しく受け入れられるはず。


…2つ合わせて込み込み4時間コース。
コレクション展まで巡る余力はなかった、ゲヴォ



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