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毎朝の日記タイム

小学校の課題にあくせく取り組む兄を横目で見ながら、弟も負けず劣らず、幼稚園の課題に取り組んでいる。弟は近所の小規模モンテッソーリ園に通う年長児である。実体験を重視する教育理念のもとでは、休園だからといって易々とオンラインレッスンに移行するわけがなく、「今しばらく辛抱して困難を乗り切りましょう」とのお手紙と、「家で退屈している子どもたちへの遊び道具」という名の課題を渡された。手を動かす活動を家庭で継続してほしいというメッセージなのだろう。うちの園らしい。

1か月前から続く日記は、できるだけ朝、兄が勉強をスタートする時間に合わせて書くことにしている。ひとりだと億劫なことも、横に勉強している人がいれば、自然とやろうという気分になるものだ。

何を書くかを考えるときに一番悩むようで、心が折れそうになることもある。そんなときは「こんなことあったね」と記憶をたどるヒントを与えているので、ほとんどの日記に「きのうは」と書かれているのはご愛嬌だ。「きょうは」から始まるものは、お天気ネタが多いのも目をつむってほしい。お題が決まればそのあとは早い。兄もそうだが、一度取りかかると迷いがない。絵を書いて、色を塗り、文字を書いて、できあがり。構図に悩むとき(絵を紙の真ん中に書くのか左右に書くのかは、本人にとって重要事項らしい)と、上出来と思ったときは途中で話しかけられるが、基本的に黙々と完成を目指す。毎度、子どもの集中力の深さには驚嘆する。

できあがったときの満足気な表情は、毎日見ても飽きない。頭に思い描いたものを形にする喜びは、幼いころから備わる感情なのだということを実感する日々である。

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