5分で読める、中国大人気マッチングアプリ「陌陌(MOMO)」は「位置情報」で出逢える⁉【中国リサーチメモ】
(おまけ)「位置情報サービス(LBS)に紐づけたマッチングアプリ陌陌(MOMO)とは」
ーWEBHP
ーマニュアル動画(Youtube)
ーCM動画
1、陌陌(Momo)が探探の買収を正式発表 取引価格は6億ドル
中国のマッチングカテゴリーのトップと二番手が手を組んだ。
過去2年間(2015~2017)にライブ配信により再建に成功した陌陌はマッチングの別の一大プロダクトである探探を間もなく買収し、取引価格は5億ドルを超える見通しで、マッチングカテゴリーでは最大のM&A案件になる。取引価格は6億ドルになるという情報もある。
探探はLBS(ロケーション・ベース・サービス)に基づくマッチングアプリで、Tinderをベンチマークとし、利用者は左右へスワイプして近くにいる人を認識するという基本的なマッチング機能を実現している。
リリースから現在まで、探探は共通の趣味やアドレス帳の共通の連絡先に基づいたレコメンド機能、及びチャットにおけるアイスブレイキングをサポートするための「真心話問答(本音聞き出し)」「匿名暗恋表白(連絡先に登録してある友人で密かに思いを寄せている相手に匿名ラブレターを送る)」などの機能を相次いで増やし、ユーザー交流へと導いている
→TinderっぽいUI
2017年6月に探探CEO王宇氏が36氪のインタビューに応じた際に示したデータに基づくと、当時の探探は携帯電話でログインするユーザーが9000万人に達し、有効ユーザーは6000万人、DAU(デイリーアクティブユーザー)は約600万人程度で、その年に探探のDAUの目標値は1000万人に上がった。
2015年・2016年のライブ配信による再建後、陌陌は2017年下半期に調整期間に入ったが、その主要課題はライブ配信への過度の依存と課金ユーザー数の伸び悩みだった。2017年第三四半期の財務報告では、陌陌のライブ配信部門の営業収入は3.02億ドルに達したが、同四半期の総営業収入3.54億ドルだった。同時に、陌陌の動画ライブ配信サービスの該当四半期の課金ユーザー数は約410万人だったが、今年の第一・二四半期このタイプのユーザー数も410万人前後だった。ライブ配信以外の新たな成長源を見つけることが陌陌の当面の急務だった。
マネタイズについては、探探は2017の第3四半期に有料会員プログラムを試行し、2018/1初旬に大々的にVIP会員制度を実施した。
2、近くにいる人と出会えるアプリ「陌陌」、2018年通期の純売上高2200億円
2018年通期の純売上高は、前年比51%増の134億840万元(約2200億円)。陌陌に帰属する純利益は28億1580万元(約460億円)で、前年の21億4810万元(約350億円)を上回った。米国預託株式(ADS)の希薄化後1株当たり純利益は13.18元(約217円)で、こちらも前年の10.35元(約170円)を上回った。
2018年第4四半期の純売上高は前年同期比50%増の38億4390万元(約630億円)で、ウォール街のアナリスト16人によるコンセンサス予想を上回った。陌陌に帰属する純利益は6億6080万元(約108億円)で、前年同期の6億4480万元(約106億円)をわずかに超えた。
陌陌の月間アクティブユーザー(MAU)は2018年12月時点で1億1330万人。前四半期の1億1050万人、前年同期の9910万人より増加している。第4四半期はライブ配信サービスと付加価値サービスの有料会員が1300万人に達した(両サービスの重複利用者を除外。また、傘下のマッチングアプリ「探探(Tantan)」の有料会員390万人を含める)。これらの有料会員は、前年同期は780万人だった。
好調な業績を受け、決算発表後の陌陌の時価総額は67億2000万ドル(約7400億円)に達した。
陌陌が収益の柱とするライブ配信事業は、第4四半期の売上高が前年同期比36%増の29億5920万元(約490億円)だった。同サービスの利用者数は前年より2500万人以上減少したが、有料会員数が増加したため、売上増につながった。
付加価値サービス事業の第4四半期の売上高は、前年同期比272%増の7億2240万元(約120億円)と大幅な伸びをみせた。付加価値サービスにはサブスクリプションサービスやバーチャルギフトサービスが含まれる。特に、ユーザーのコミュニケーション体験を向上させるため有料サービスのオプションを増やしたことが、バーチャルギフト事業の成長につながった。また、傘下の別アプリ探探から会員費収入が算入されたことも影響している。
その他、モバイルマーケティング事業の売上高が1億2210万元(約20億円)、モバイルゲーム事業の売上高が2550万元(約4億円)。その他サービス事業の売り上げは、主に共同制作した音楽リアリティ番組「幻楽之城(PhantaCity)」によるものだった。
第4四半期の支出は前年同期比65%増の31億9570万元(約530億円)だった。主にライブ配信やバーチャルギフトへの投資増、ブランド認知やユーザーへのPRを目的としたマーケティング、プロモーション費用の増加などがその理由だ。
3、陌陌がひっそりと6製品をリリース、数の力でSNSとエンターテインメント分野を攻める
Tinderを始め数多くのマッチングアプリを経営する米「Match Group」をベンチマークする「陌陌(MOMO)」は製品戦略でさらに工夫をこらす必要があるかもしれない。
「海南喵咖網絡科技有限公司」は陌陌の子会社
同社は学生向けのソーシャルアプリ「Cue」を含む、SNSや撮影、動画などのアプリ6つをリリースしている。
6つのうち「Doki」、「哈你」、「MEET相冊」は写真・動画撮影アプリで、「是他」、「Cue」、「赫茲」はソーシャル系アプリ
初期の陌陌は位置情報に基づいたインスタント・メッセンジャー機能を持つ見知らぬ人とのSNSだった。成長が行き詰った時にはライブ配信サービスを打ち出して巻き返したが、その後、動画共有アプリ「快手(Kwai)」、ショート動画アプリ「TikTok(抖音)」などの台頭やライブ配信ユーザーの全体的な減少により、陌陌も積極的に新しい方向を模索した。マッチングアプリ「探探(Tantan)」の買収や衛星テレビ局「湖南衛視」と共同で制作したリアリティー番組「幻楽之城」などがそれにあたるだろう。陌陌の新しい目標は、今後3年から5年以内にソーシャルやエンターテインメントの分野で最も影響力を持つ会社になることだ。
「知り合いとつながるSNSの成長率と浸透率はいつか飽和状態
見知らぬ人との出会いに照準を定めているSNSが増えている。」
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