【スタートアップ初心者向け】5分で読める、ベンチャーキャピタルを楽しく理解しましょ!【起業家にオススメ】
最近、○○社が資金調達しました。とか、第三者割当増資を実施しました。というようなリリースが増えていますね!
このような資金調達は、事業会社や個人投資家のほか、ベンチャーキャピタル(VC)やコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)と呼ばれる投資家のもと成り立っています。
ベンチャーキャピタルって聞いたことあるかもって人もいるかと思いますが、スタートアップ初心者向けに書いたので、この記事で、少し詳しくなってみましょう!
1、ベンチャーキャピタルとは
一言でいうと、機関投資家や事業会社などから資金を集め、それを元にスタートアップに投資をする投資運用ファンドになります。
例えば、JAFCOというベンチャーキャピタルのページでは以下のように説明されています。
ベンチャーキャピタルは、高い成長性が見込まれる未上場企業に対し、成長のための資金をエクイティ(株式)投資の形で提供します。 ベンチャーキャピタルによる投資は、金融機関や事業会社などから出資を受けて組成した投資事業組合(ファンド)を通して行われます。
投資に際しては、綿密なデューディリジェンス(企業調査)を行い、その会社の将来性を判断します。技術・サービス評価や財務分析だけでなく、実際に経営者と何度も面談し、将来のビジョンについて議論します。投資後は、投資した企業の企業価値を上げるために、資金面だけでなく、人材の紹介、国内外における販路の開拓、M&Aの検討等を行い、経営に深くコミットします。
ベンチャーキャピタルの業務は、バイアウト(事業買収)投資等とともに、プライベートエクイティと呼ばれます。近年では、グループ再編などにより分離独立する事業部門の買収や事業承継・上場企業の非上場化等を対象とするMBO(マネジメントバイアウト)の投資も増えています。
つまり、ベンチャーキャピタル自身も、資金調達をして、それを元手に運用しているということですね。
2、コーポレートベンチャーキャピタルって?
ベンチャーキャピタルにも、種類はあります。そのひとつ、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)は、親会社との連携を強く持ったベンチャーキャピタルのことです。
親会社との掛け合いのため、投資基準も通常のベンチャーキャピタルとは少し異なり、以下のようになります。
CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)は、VCの一種ですが、フィナンシャルなリターンだけでなく、むしろ、ファンドの設立母体となった企業の新規事業立ち上げのために寄与する技術やアイディアなどの事業シーズを獲得するための情報探索のツール、新規事業立ち上げを推進する方策としてのVCファンドのことです。
3、もう少し細かいなぜベンチャーキャピタルは成り立つのか
そもそもベンチャーキャピタルは、なぜ投資運用をできているのか。
結論からいうと、ベンチャーキャピタル自体がアグレッシブな投資案件として、投資家様に、興味を持っていただいているからです。かなりレンジの広いハイリスクハイリターンの投資案件です。
厳密には全てがそうとは言えませんが、一般的にベンチャーキャピタルはIRR(内部収益率)が15-20%を目指します。
イメージでいうと、運用金額を10年で3-5倍にする感じですね。
10億のファンドであれば、10年後に30-50億です!
4、キャピタルゲインの話
じゃあ、どうやって資産を増やすんだって部分ですが、キャピタルゲインの獲得を目指します。
キャピタルゲインってなんだって人向けに、野村証券では以下のように書いてあります。
有価証券、土地等の資産の価格変動に伴って生じる売買差益のこと。
株式、土地等の資産の価格変動に伴う利益をいう。譲渡益・資本利得と訳される。
逆に、資産売却により、損失となった場合はキャピタル・ロスと呼ぶ。 利子・配当等のインカムゲインと対比される。
簡単にかくと、価値が出てくる以前の未上場株式を購入して、価値が世間的に認められ始めた時に売却して得られる利益がキャピタルゲインです。
つまり、ベンチャーキャピタルでは、未だ未だ有名でない未上場の優良スタートアップに株式投資をして、その会社が大きくなったときに、投資した株式を売却して売上をあげる会社ということですね。
5、10億規模のファンドの投資運用シュミレーション
では、ベンチャーキャピタルについて少しわかってきたところで、どんな風に投資が行われているのかをシュミレーションしてみましょう。
例えば、計算しやすく以下の条件で固定するとして、
・10億円規模のファンド
・シードステージ、アーリーステージに特化
・一社投資金額1,000万円を目安
まずは、10億円のファンドを組成した際に、全ての金額を投資に使うことはせず、ファンドの運営管理のコストに2割は残す。
よって、投資に使える資金は、8億円となる。
各社平均として1,000万円を投資するのであれば、80社への投資が可能になる。
ここから、少し細かくなるが、Power Law(べき乗則)という考え方を使う。そもそもの意味はこんな感じ。
「ある観測量Yが別の観測量Xのべき乗に比例する(Y=aXk)」という関係のことで、言葉にすると難しく感じますが、社会生活・自然界において実は馴染みの深いものでもあります。
ALL STAR SAAS FUNDの前田ヒロさんの言い方をお借りすると、以下の通り。
Power Lawとは、VCファンドの価値を測ってみたときに、そのファンドの半分以上の価値がポートフォリオの中で最も企業価値の高い会社数社によってつくり出されているという原理。過去の自分の投資先のパフォーマンスを分析しても、この「Power Law」が成り立っていて、数字にすると、ポートフォリオ全体価値の80%は、20%以下の投資先企業によって生み出されていることになる。
ちょっと、話を戻します!
べき乗則を元に、運用シュミレーションを考えると、80社の約20%、つまり、16社がファンドの価値の80%のキャピタルゲイン、リターンを生み出すという仮説が成り立ちます。
10年後に、10億のファンドを50億にするのであれば、そのうちの80%の40億を16社が占めることになります。押し並べると、エースの投資先の会社16社は、少なくとも、25倍の成長を期待されています。
そのファンドの規模やステージ、追加投資なども考えると一概に全てが上のようにはなりませんが、分かりやすくしたイメージでした。
つまり、ベンチャーキャピタルは大きなリターンを求める代わりに、一定のリスクは許容できるということですね。
6、ベンチャーキャピタル目線での投資基準
最後に、ベンチャーキャピタルのこともなんとなく伝わってきたかと思うので、投資基準についてお話します。
よく、Saasだから投資されやすいとかVRはいいとか聞いたりすることもあるのですが、ジャンルは必ずしもすべてではありません。
以下のまとめのように、たくさんベンチャーキャピタルはいるので、各社得意なジャンルは違います。
そしたら、一体なにを基準として投資しているのかというと、ファンドの運用方針が一番でかいです。
例えば、数億のファンドなのに、レイターステージで1億の投資をすることは少ないですし、逆に100億以上のベンチャーキャピタルが、数百万の投資をすることも珍しいです。
また、領域に関して言えば、ファンドサイズが大きいベンチャーキャピタルほど、PER(株価収益率)が高くなるであろう領域にはっているスタートアップに投資をすることも多いと思います。これは、先ほど話したような求められる成長がファンドサイズに応じて大きくなるからですね。
7、まとめ
そんなわけで、ベンチャーキャピタルについてカジュアル目にまとめてみました。なかなかお話することのない職種かとも思いますので、参考にしていただけると幸いです。
ちなみに、私はTwitterで活発に活動していますので、もし、何か質問があれば気軽にDMをお送りくださいませ。それでは!
いつもありがとうございます。少しでも皆様の為になることを願っております