フランスで手を切った時の話...中編

こちらに来て初めてのフランス滞在記、結構なトンデモ話の続きです。
推敲はしていないため、乱文です。
ひとまずは全体公開にしますが、折を見て公開設定を変えたいと思います。
自分の覚え書きにもしたいと思ったら、とっても長くなってしまいました。
ようやく手術が受けられました。

【フランスで手を切った時の話】

8月29日
13:30   一つめの救急病院をまじかと思いながら、後にし、今度こそ道でタクシーを捕まえたかったのですが、またも交差点で入れ違ったりし、、捕まえることはできませんでした。
紹介状を持って、13区へトラムを使って、移動しました。

14:00 紹介された病院 プリヴェ・デ・ププリエ - ランセ・サンテ病院へ到着。病院の受付に行き、「紹介状をいただいてきました」と伝えると「出て右!」と短めに言われる。
出て右に行くと、右にインターホンがある扉を発見、インターホンを押して扉が開くのを待つ。看護士さんが出てきて用件を聞かれ、手を切ってしまって、紹介状を。。。とモゴモゴ伝えたところ、中に入れていただく。
直後に、男性が入ってきて、要件が早そうなその男性の受付をし、次に私の順番となる。

受付の看護師「今持っている書類全て見せてね」
筆者「これです。」
受付の看護師「なるほど、carte vitalは持ってますか?あと破傷風ワクチンは終わってます?」
筆者「cartevital はまだ届いてないので、待ち番号の手紙を持ってきました。破傷風ワクチンは多分終わってます」
受付の看護師「ほんとに終わってます?!」
筆者「YES」
受付の看護師「perfect!! ご飯は食べてないと言ってましたね。良かったです。そしたらこの待合で20分待ってね 医師が来ますから」

また待つんかーいい と打ちのめされた筆者。
この段階ではまだなぜご飯を食べていないことが良しとされるのか知る由もなかった。。。
そこから待つこと40分、待合室のベンチに横になりながら、遠くで聞こえる休憩中の看護士たちの会話に聞き耳を立てる。

ここから疲れで記憶があまりない。
14:50 流石にいつまで待たせんのかい、と言いに行こうか思っていたところに、看護師から呼ばれて処置室に通される
書類一式をまた見せ、傷口を見せると、これは結構深そうね。。と言われる。次に医師が来るのでお待ちくださいと言われる。
やっとこの人に手術してもらえるのかーと思ったら、
「うん、これは深いな、他の医師を紹介します。それで、何ですけどその手術にあたって、あなたを迎えに来れる可能性のある人を見つけておいてください」
と言われる。 また待つんかいと思いつつ、迎えに来れるとは、どういう状況か。。。看護師に質問すると、「手術にあたって、形式的でもいいから迎えに来れる方の電話番号が必要です。ご家族は?じゃあ、ご友人は??とにかく手術までに教えてくださいね」と言われ、また待合室に戻される。
急な展開に驚くしかない筆者。手術まで残り何分あるのか不明だが、誰が一番来れるのだろうか。。。と考えている矢先に、会計をお願いされる。

あとで気がついたのだが、
私は2回この病院にお金を払っている。
1️⃣最初に診察した医師に約50ユーロ
こちらは受付にcarte vitalなしだからダメと言われて、全額負担に。のちにフランスの健康保険に請求する必要ありでfactureを発行された
2️⃣手術後に病院側から請求された24ユーロ
こちらは何の料金か不明だが、執刀医の名前が入っていたため、彼女の初診料ではないかと推測。フランスの健康保険でのすでに差し引かれた額面となっていた。(※後日、抜糸の際にお金を払おうとしたところ、執刀医は無料で手術したから、支払いなしですと言われた)

ひとまず支払いを済ませたところ、この子の手術急いだ方が良いと別の看護士が呼びに来た。ついて行くと、また新たに受付があると言われる。
本当は支払いが必要だが、病院の閉まる時間があるので、ショートカットします!と言われる。待合室で待っていると、すぐに呼ばれ、また書類を渡し、一から名前、住所などなど また事務作業のための登録を行う。
登録の最中にまた別の看護士が入力作業中の受付係の横から、
「japonaise? d'accord. konichiwa~」と話しかけてくる。
一気に事務作業を終えると、看護士にではこちらへついて来て!と言われる。廊下では、色々な患者が来るからか、どの看護士も忙しそうだ。

個室に連れて行かれ、手術のための手続きが必要で、同意書にサインをと言われる。サインしながら、矢継ぎ早に「で、今日の手術後に来てくれるお友達見つかった?その人に電話します」と言われる。
そこでiさんに電話番号を借りることにはなっていたのだが、これはもしかして来てもらわなければいけない事態になった時に、大変かもと思い、居住の場所の受付にも電話をしてみる。。。
なぜなら同じ階の隣人たちは全員、帰省にバカンスに行っているからだ、、
受付に電話してみたものの「え、今二つ目の病院にいるの?どういう状況なの?」から始まり、最終的に「みんな、タクシーで帰って来てるから、タクシーで帰って来れない?」と言われてしまう。
横では看護士が「まだ見つかんないのぉおおお」と激しくせっついてきている状況。
最終的に、iさんにお願いすることになるも、看護士が捲し立てるように手術の説明や「絶対に」迎えに来てほしいことを言い始める。筆者、思わず「絶対何すか!?」と聞くと「OUI!!」と言われ、「では、ありがとうございました。19時ごろには終わります」といって、また別の患者の元へ行ってしまった。

最初の看護士は形式的でも良いような、絶対にという感じの言い方はしていなかったのにーーーという驚きとともに、iさんにすみませんととにかく謝るしかないことに…

しばらくすると看護士がサインした書類を集め、手術の準備で着替えてもらうと言う。
この段階で、筆者
1️⃣飲食厳禁、2️⃣手術の服に着替える
の二つは…つまり、麻酔だ…… ということに気づき始める

簡易的な更衣室に通され、手術の不織布のケープを渡される。
ケープの下は何も着ないこと、メガネも時計も全てロッカーに入れろと言われる。この段階で16:00!

17:00
着替えたのちに、診察台がたくさん並んでいるエリアで待てと言われ、、
16時からひたすら待たされること1時間。先に待っていた、男性患者は30分前に呼ばれて、私1人になってしまった。
朝10時に切ったのに、7時間も待ちの状況って、どういうことなんや、、、
診察台で座位の状態でいられず、寝そべって待つも全然呼ばれない。
通りかかった看護士に「今、何時ですかね。私の手術って何時ですか?」と聞いてみると、「あ、ごめんね、もう呼ぶね。こっちに来てください」と言われる。

自動ドアの向こうに更に待合室があり、そこに座るように言われると、座ったとまもなくまた別の看護師がきた。
「もう大丈夫ですよ〜、こっちに来てください」
延々と続く、こっちに来てください
また進むとストレッチャーが置いてあった。
看護士「ちょっとここに乗ってもらえますか」
筆者「腰掛けるということですか?」
看護士「あ、寝そべっちゃってください」

寝そべるとまた今日ってご飯食べた?とまた聞かれる
流石に疲れて、すぐ答えないでいると
看護士A「あなたは英語の方がいいかしら!」
看護士B「私、中国語いけます!」
看護士C「いやフランス語わかってるんだよね〜」
看護士D「疲れちゃったのよねえ」
看護士A「誰か、英語以外の言葉話せる?」
看護士B「私、中国語いけます!」
看護士C「手術中に翻訳した方がいいわよねぇ」
看護士D「ほんとだね!中国語の翻訳必要だ」

筆者「あ non non 私 中国人じゃないんですぅ~….日本人でして…」
看護士A「ああ、ごめんね……non nonって…政治の問題がね..」
看護士B,C,D も一気に気まずそうになり、
筆者「いや、中国語は日本語と言語が違いすぎて…(わかりません….)」

勝手に、深刻な政治問題に発展しそうになり慌てた。。。
そのままストレッチャーに乗ったまま、別の看護士にパスされ、何か天窓がついているエリアにぐんぐん進んでいく。手術の控え室と思われる暗く電子機器が光っている小部屋にいれられた。

ここで、手術の前にいくつかもう一度質問するよ。と言われる。
迎えにくる友達がいるのかどうか、そしてアレルギーの有無。
牛肉アレルギーというと、「初めて聞くんだけど、本当に?」と言われる。
どうやらフランスにはまだ牛肉アレルギーのカテゴリーがないらしい。。
ここでアレルギーについて聞かれるということは絶対に麻酔の副反応について知るためだろうと察する。
質問が看護士が左手の触診をする。どの指がどう動かせるのか、感覚について確認したのち、立ち去る。(確認されて、「んー…」と微妙に悪そうな反応をされる)
数分、待っている間に、また別の看護士が来て、右手の甲に点滴用の針を入れて、そのまま動かさないようにと言って去っていく。
更に数分後、触診をした看護士は麻酔医だったようで、「今回の手術では左腕を麻酔にかけます。4,5時間で麻酔は切れます。今から脇から入れて行くので腕を上げてください」と言われる。

脇の下から、静脈なのか、神経なのかに直接ゴリゴリ麻酔を入れていくものだから、ビーンと神経が響く痛みが走る。実際に腕と五指の力を確認しながら、一本ずつ麻酔が入っていくように順番に麻酔をかけられた。
数分たち全く麻酔医の手を握り返せなくなるところで、OKが出た。

では手術室に行きます。と言われ、ストレッチャーごと、白くてとんでもなく明るい手術室にいれられる。
手術室は寒く、何かの軽快な流行りのBGMがかかっている。(あ、部分麻酔の人が怖くならないように、気が紛れる対策なのだと気が付く)
右手の人差し指に、計測器が付けられ、心電図と血圧が測られ始める。
手術シートが更に被せられ、手術台に左手だけ乗っけられる。
また違う看護士が絆創膏を剥がしますねと言う。
この時まで、疲れ過ぎて説明する意欲を失っていた筆者だが、最初の病院での処置を知ってもらう必要があるのではと、気づき咄嗟に
「あの実は、ここは二つ目の病院なんです」
「はい?」
「最初に行った病院で、前の医者が一回縫って、解いてます…」
「え……了解…」
ドン引きする看護士… それを見て、そうか、、あの手術は引くほどのレベルか…となんとも言えない気持ちになる。更に絆創を剥がされ、手術シートに乗せられた左腕がもはや意思を失ってブラブラしており、シートの上にまた血溜まりを作っており、ふっとうちのめされ、目を離す。超の近眼なので、全てがぼんやりしているが、それでわかる程度であり、わずか数センチなのに、重症かよ!と落胆して、手術を待つ。
だんだん手術室が寒いのか、自分が緊張してガタガタしているのかわからなくなってくる。ガタガタしていることに気づいた最初の麻酔医が
「マダム、寒いですか?」と聞いてくれ、「温風を当てますね!」と言って、手術服に直径15cmくらいの温風の出るダクトを入れ込んでくれ、
自分のガタガタが寒さであることに気づく。
(ここでもアレルギーを聞かれ、「マジかよ!牛肉アレルギーとか聞いたことないんだけど、食べるとどうなっちゃうの?」と聞かれる
また、なんで手を切ったのかと言われ、「りんごを食べようとして、、」と説明したところ、ああ、、、と言われる。)

程なくして、「はい、私が手術しますね〜〜」と身長の高そうな女性医師が入ってきた。
左手が見えないように手術のケープが顔周りまで上げられ、左腕が器具によって支えられ始めた。医師が何かの機械を左手に当てた瞬間
「ああ〜、これか〜、あ〜」
と言い始める。
何やら最初謎の手術よりも奥の方をいじっているようだった
その処置に体感15分、最後に縫合され、手術終了となった。
手術後に、2人の医師から、ああしろこうしろと短くアドバイスされる。が、朝10時から飲まず食わずで18時まで過ごしている患者に、急ぎで言われてもとぐったりしてしまう。。
特に最初の2日、3日は手を動かさないこと。そして、寝るときは腕を心臓よりも上にして、クッションを挟めと言われる。
アドバイスをされている最中に左手を動かそうとして、体の上から転げそうになり、右手で握っといたままにしてねと言われる。しかもこのタイミングで、現在仕事をしているかどうかについて聞かれた。もっと早く聞いてほしい、、、

そのままストレッチャーで軽快な手術室を出て、別の部屋に到着し、ゆっくり起きて、車椅子に乗り換え。
車椅子で、別の部屋に連れて行かれると、数人の看護士が待っており
医師から手術内容と処方箋について出てますと言われる。
左手も確認され、「いい感じに死んでる(麻酔効いてる)わね!」と言われる。

看護士F「迎えにくる子ってフランス語できる?その子に詳しく今日のこと話していいかしら?あと、その子が来たら処方箋について一緒に説明しますね。それで、手術したばっかりなので、コーヒーはどう?」
筆者「コーヒーは飲めません…」
看護士F「そうなの!オレンジジュースがいいかな?」
看護士E「あら、私とおんなじ肌の色のココアがいいわよねぇ、ココアにしようよ〜」
筆者「ココアがいいです…」
看護士F「え〜本当に〜あとカップケーキあるけど食べる?」
筆者「カップケーキはいらんです…」
看護士F「え〜じゃあ、ヨーグルトは?」
筆者「うーん…ではそれで..」

そのまま次の部屋に連れて行かれると小さい喫茶室があり、先に手術を終えたムッシューがカフェや小さいお菓子がのったプレートを持って、お茶をしていた。
どうやら手術を終えた人たちには、超簡単な軽食が振舞われているらしかった。全くもって8時間30分何も食べてなかったので、貧血になっており、これは非常にありがたかった。しかしまだ手術着のまま(つまり何も着てない)ので、冷たいものは無理な状況だった。。。
軽食を終えると、別の看護士が、これがあなたの処方箋とか入った書類ですと私にきた。そのまま書類を持って、着替えをしにいくように言われる。
私の後にも2人患者が運ばれてきて、そこで最終だった模様。

18:45
更衣室に戻り、服を着ようとするが、左手が死んでるために、服を着るのが難しい。左腕の袖に右手を通し、左手と握手した状態にして、口で袖を引き伸ばす技によって、なんとか着替えを済ませた。

19:00
iさんと病院の待合室で会う。看護士に「お友達と処方箋などの説明を受ける」と聞いていたものの、私の手術が閉院時間ギリギリだったせいか、口頭での説明は無しで帰される。
最初から最後まで、てんやわんやの病院内だったが、手術は完璧に終わった。。。とにかく入れ替わり立ち替わり、いろんな看護士やいろんな医師に通され何度も同じ質問を確認され、ぐったりしてしまった。

近くの公園でiさんに、朝からの流れを話し、頂いたクッキーを齧った。
処方箋が大量に出ており、一緒に薬局まで行ってもらうことになる。。。

19:40
薬局で処方箋を出すと
「看護師は決まってますか!」と言われる。
どういうことーと思っていると
処方箋の内容が、手術の絆創の交換に、訪問看護士を呼ぶことになっているというーー(日本でも看護士呼んだことないのに。。)
薬局から紹介された名刺をいただき、その他 二種類の痛み止め、ビタミンC, ビタミンD, 絆創膏が大量に処方され、大きなレジ袋に入れてもらい持ち帰ることに。

20:00
iさんに付き添われ自宅へ戻る。
笑顔でお別れし、ホッと一息つける
明日からなんとか制作作業に…と思っていたのだが、

筆者は忘れていた。麻酔の副作用のことを…..

後編  麻酔と訪問看護士の話です



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