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実話怪談

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#夢

狐の伝言

狐の伝言

 気が付いたら、随分と明るい世界に居ました。
 季節外れの桜の花びらが舞う中庭に面した長い廊下を、私は衣摺れの音を聞きながら歩いていました。
 夢だと分かっているから、随分とのんびりした気持ちで歩いていたと思います。
 ただ、普段の明晰夢であれば、その見える景色はゲーム『SIREN』の背景画のようなものでしたから、あまりに明るく穏やかな雰囲気に、少々、面食らった気持ちで居りました。

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礼節を重んじる方

瞼を閉じると、かなりの頻度で「誰か」が居る。
瞼の裏に張り付くように、しっかりとした形でそこに居る。
それが、心霊だのの類であると気付いたのは、本当に最近のこと。
試しにと思いかけた凸待ち後、瞼の裏でこちらを見て笑う人に気づいてからだ。

疲れた時ほど、憑かれやすい。
下手な駄洒落のような話だが、事実である。
繰り返しに見る狐の夢に疲れ果てていたら、瞼の裏の「誰か」は、人数を増やしてやってきた。

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