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共産党員の修養を論ず 第六章 党員個人の利益は無条件に党の利益に服従する【日本語訳】

この日本語訳は筆者による拙訳であり、正確性を保証するものではありません。ご理解の上でご覧になってください。

  個人の利益は党の利益に服従し、地方の党組織の利益は全党の利益に服従し、局部の利益は全体の利益に服従し、暫時の利益は長期の利益に服従する。これは共産党員が必ず遵守すべきマルクス・レーニン主義の原則である。

  共産党員は清楚に個人の利益と党の利益の間の正確な関係を確定する必要がある。

  共産党は、プロレタリア階級の政党であり、プロレタリア階級解放の利益以外を除いて、共産党は、それ自体に特殊な利益を有さない。プロレタリア階級の最後の解放は、必然に全人類の最後の解放である。プロレタリア階級がもし一切の労働人民を解放し、一切の民族を解放し、すなわち全人類を解放することができないのなら、つまり、プロレタリア階級は自己を完全に解放することができないということである。プロレタリア階級の利益は一切の労働人民解放の利益と、一切の被圧迫民族解放の利益と、プロレタリア階級解放の利益と一致しており、分けることができないものである。したがって、プロレタリア階級解放の利益は、人類解放の利益であり、共産主義の利益であり、社会発展の利益であり、すなわち共産党の利益である。党員個人の利益は党の利益に服従し、またすなわち階級解放と民族解放の、共産主義の、社会発展の利益に服従する。

  毛沢東同志は次のように述べた。「共産党員は、無論何時いかなる時も個人の利益を第一位に置くべきではなく、しかして個人の利益を民族の、人民群衆の利益に服従させるべきである。従って、私利私欲、消極的怠惰、貪汚すなわち汚職、日和見主義等々は、最も恥ずべきことであり、しかして、公正無私、積極的努力、減私奉公、一生懸命の精神こそが、尊敬すべきものである。」

  一個の共産党員が、如何なる情況下にあっても、自己個人の利益を絶対条件の下で党の利益に服従させるに足るか否かは、この党員が党に忠実で、革命と共産主義事業に忠実であるかを試験する標準である。

  一個の共産党員は、如何なる時候にも、如何なる問題の上にあっても全て、まず先に党の全体の利益を想い、党の利益を全面に置き、個人の問題を、個人の利益服従の地位に置かねばならない。党の利益は一切に勝る、これは我々党員の思想と行動の最高原則である。この原則に依拠し、全ての党員の思想と行動の中で、自己の個人の利益を、党の利益と完全に一致させなければならない。個人の利益と党の利益が不一致であるとき、些かも躊躇せず、全くを党の利益に服従させることに勉め、個人の利益を犠牲にするに足る。党、プロレタリア階級、民族解放と人類解放の事業の為に、些かの猶予もなく個人の利益を犠牲とし、甚だしきに至っては自己の生命を犠牲とする、これがすなわち我々が常々言う「党性」或いは「党の観念」、「組織観念」の一種の表現である。これはすなわち共産主義道徳の最高表現であり、すなわちプロレタリア階級政党の原則性の最高表現であり、すなわちプロレタリア階級意識の純潔なる最高表現である。

  我々の党員は党の利益より離開し、かつ独立の個人目的を有するべきではない。党員個人の目的はただ、党の利益と相一致させることだけである。もし我々の党員がマルクス・レーニン主義の理論を学び、自己の工作能力を強化し、各種革命的組織をうち建て、広大なる群衆を領導し勝利の革命闘争を進める等を、自己の目的とし、党の為に更に多くの工作をすることを、自己の目的とするならば、共産党員のこの種の個人目的と党の利益は一致する。党は正に、許多のこの種の党員と幹部を必要としている。しかしこれを除く以外、党員は個人の地位、個人の名誉、個人英雄主義並びにその他個人的打算等々個人の独立の目的を有するべきでなく、さもなくば自己を党の利益から離開させ、党内で投機を進めるに至るようになる。

  一個の共産党員の思想意識の中にあって、もしただ党の共産主義的利益と目的が有り、真正なる大公無私で、党から離れた独立の、個人目的と私人の打算が無ければ、もし彼が革命的実践の中にあって、マルクス・レーニン主義の学習の中にあって、不断に自己を向上させる覚悟に足るのであるならば、

  第一に、彼は好い共産主義的道徳を身につけているであろう。なぜならば、彼は明確で確固たるプロレタリア階級の立場を有し、したがって彼は一切の同志、革命者、労働人民に対し彼の忠誠と熱愛を表示することができ、無条件に彼らを助け、平等に彼らを取り扱い、自己の利益のために彼ら中間の如何なる人をも損害することに肯かない。彼は「以心伝心」、人の立場になって考え、人を思いやることができる。一方の方面では、彼は人類の賊に対して、断固として闘争を進行することができ、党の、プロレタリア階級の、民族解放と人類解放の利益を保衛するために、敵との戦闘を堅持することができる。彼は「天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」。党内で、人民の中で、彼は前に苦難を味わい、後に享受し、別の人との享受の優劣にこだわらず、而して別の人と革命工作の多いと少ないや困難な奮闘の精神を比較する。彼は、苦難の時身を挺し、困難の時自己の最大の責任を尽くす。彼は、「富貴も淫すること能わず、貧賤も移すこと能わず、威武も屈する能わず」の革命の不動性と革命の気骨を有する。

  第二に、彼はまた最大の革命的勇敢さを有しているであろう。何故ならば、彼は如何なる私情をも一切持たず、従って何をも恐れないからである。彼は「やましい事」をしたことがなく、彼の錯誤欠点は自己で公開することができ、勇敢に改め正し、「日月の食」の如くある。彼は意気盛んで、永遠に真理を恐れず、勇敢に真理を擁護し、真理を別の人に伝え、真理のために戦闘する。仮に彼がこのようにして一時的に不利であっても、真理を擁護するために各種の打撃を受け、大多数の人の反対と非難によって一時的に孤立(栄光の孤立)し、甚だしきに至ってはこのために自己の生命を犠牲にしたとしても、彼は潮流に逆らって真理を擁護し、決して大勢に流されないことができる。

  第三に、彼はマルクス・レーニン主義の理論と方法を最も好く学習するであろう。彼はこの種の理論と方法を運用し、敏捷びんしょうに問題を観察し、現実を認識し改造することができる。彼は明確かつ確固たるプロレタリア階級立場とマルクス・レーニン主義の修養を有するから、彼は如何なる個人的顧慮や私欲を有さず、そのために彼は事物に対する観察と真理に対する理解が蒙蔽もうへいとなり、歪曲したりすることがない。彼は事を実にし是を求め、革命実践の中にあって一切の理論と是非を検証する。彼は教条主義或いは経験主義的態度をもって、マルクス・レーニン主義に対峙せず、むしろマルクス・レーニン主義的普遍真理と革命的具体実践を結合させる。

  第四に、彼は最も誠実で、正直で愉快であろう。なぜならば彼には私心がなく、党内にあって隠蔽しなければならない事情はなく、「人に対し言うべからず事無く」、党と革命的利益に関することを除いては、個人的な得失と憂愁がないからである。仮に彼が個人的に独立して工作し、誰も監督せず、各種悪事を働くことのできる時にあっても、彼は「独り慎み」、如何なる悪事も働かない。彼の工作は検査を受け得るものであり、別の人の検査を決して恐れない。彼は別の人の批評を恐れず同時に彼は勇敢に、誠実に別の人を批評することができる。

  第五に、彼は最高の自尊心、自愛心を有しているであろう。党と革命の利益のため、彼は同志に対して最も寛大に、容認で「意を曲げて折り合いをつけ」るように待し、甚だしきに至っては、必要な時に各種の誤解と屈辱を忍んで受け、而して怨恨の心を少しも持たないことができる。彼は私人の目的と企図によって人に媚びたり、また人に自己を媚びさせたりしない。彼は私人の問題を自ら処理するのに長け、人に卑屈にへりくだって幇助を要求する必要がない。彼は党と革命的利益のため自己を愛護し、自己の理論と能力を増進させることができる。しかし、党と革命的な某種の重要な目的のために彼が辱を忍び重きを負う必要がある時には、彼は決して辞退せず最も困難で重要な任務を負担し、決して困難を人に押し付けたりはしない。

  共産党員は人類で最も偉大な、最も高尚な一切の美徳を具有し、明確で確固たる党的な、プロレタリア階級の立場(すなわち党性、階級性)を具有するべきである。我々の道徳の偉大である所以は、正にそれがプロレタリア階級的共産主義的道徳だからである。この種の道徳は、個人と少数の搾取者の利益の保護という基礎の上に建て築かれたものではなく、プロレタリア階級と広大なる労働人民の利益の基礎の上に建て築かれたものであり、全人類の最後の解放、資本主義の災難からの世界の救済、幸福で美麗な共産主義世界の利益の基礎の上に建て築かれたものであり、マルクス・レーニン主義の科学共産主義の理論基礎の上に建て築かれたものである。我々共産党員から言わせれば、如何なる個人或いは少数人の利益のため犠牲となることは、最も値しないことであり、最もすべきでないことである。しかし、党のため、階級のため、民族解放のため、人類解放と社会的発展のため、最大多数の人民の最大利益のため犠牲となることは、最も価値があり、最もなすべきことである。我々にはこのように死ぬことを少しも恐れない、躊躇うことなく彼らの一切を犠牲にした無数の共産党員がある。「身を殺して仁をなす」、「生を捨てて義を取る」、必要なとき、多数の共産党員から言わせれば、それ当然の事であると見なされている。これは、彼らの個人的な革命の熱狂あるいは自己の名誉を高めるためではなく、むしろ彼らの社会発展の科学的了解と高度な自覚によるものである。この種の最も偉大な、最も崇高な共産主義の道徳以外で、階級社会の中に何らこれに比べて更に偉大な、更に崇高な道徳はない。所謂階級を超えた、一般的な道徳は、ただ人を騙す出鱈目であり、事実上これは、少数の搾取者の利益を保障する「道徳」でたる。この種の「道徳」観は、すべて唯心論から来たものである。道徳観を歴史唯物論の科学基礎の上にうち立て、我々の道徳はプロレタリア階級解放と人類解放の戦闘と利益のためであると公然と宣言すること、これはただ共産党人だけが成し得ることである。

  共産党はプロレタリア階級と人類解放の全体利益と長期的利益を代表し、党の利益はプロレタリア階級と人類解放の利益の集中表現である。共産党を党員私利的を謀る、ギルド主義的な小団体であると絶対に見なすことができない。凡そこのような見方をする人は、全て共産党員ではない。

  党員の有る人の利益、またこの種の人の利益は、ある時には党の利益と矛盾、ひいては対立することがあり、この時、党員は無条件に党の利益に服従し、個人の利益を犠牲にし、しかし如何なる形式であっても隠蔽や口実の下、党の利益を犠牲として個人の利益を堅持してはならないことが要求される。我々の党員は如何なる時にあっても、如何なる情況下にあっても、すべて誠心誠意党の利益と党の発展のために奮闘すべきであり、党の、階級の成功と勝利を、自己の成功と勝利であるとみなすべきである。党員はすべて、自己の人民へ奉仕する能力を高めるために努力し、自己の人民への奉仕する本領を増加させるために努力すべきである。しかし、党の事業の発展、成功と勝利の中によってのみ、この種の能力を高め、この種の本領の増加を争い取ることができ、党の事業の発展から離開して如何なる個人の独立発展を争い取ることはできない。事実もまた証明するように、党員は誠心誠意党の事業の発展、成功と勝利を争い取ってこそ、自己の能力を高め、自己の本領を増加させることができ、さもなくば、党員が進歩し、向上することは、根本的に不可能である。従って、党員個人の利益は必ず、党の利益と完全に一致させることができる。

  我々の党員は、何らの普通の人ではなく、むしろプロレタリア階級を覚悟する先鋒戦士である。彼は、プロレタリア階級の階級利益と階級意識を自覚する代表者となるべきである。従って、彼の個人利益は党とプロレタリア階級の利益の外に現れるべきではない。党の幹部と党の領導人は、更に党とプロレタリア階級の一般利益の具体的代表者であるべきであり、彼らの個人利益は、更に完全に党とプロレタリア階級の一般利益と目的の中に溶化すべきである。今日の中国の環境の中で、ただプロレタリア階級が最も民族解放の利益を代表することができ、そのため、我々の党員もまた全ての民族利益の最も好い代表者であるべきである。

  我々の党内にあって、党員の利益は党の利益に服従しなければならず、さらに党の利益のため、党員は、必要な時に自己の個人利益を犠牲にすることが要求される。ただし、これは我々の党内で、党員の個人利益を承認せず、党員の利益を抹消しなければならず、党員の個性を消滅させなければならないと言っているのではない。党員は総じて、一部分の私人的問題を自己で処理する必要があり、なおかつまた彼の個性と特長に基づいて彼自身を発展させなければならない。従って、党は党員が党の利益に違背しない範囲内で、彼個人の家庭的生活に至るまで、彼個人の個性と特長を発展させることを許可する。同時に、党の一切の可能な条件下において、党員の党の利益に要求に基づき彼の個性と特長を発展させるのを幇助し、彼に適当な工作と条件を与え、さらに奨励等を与えるようにしなければならない。党は可能な条件下で党員個人の不可欠少な利益に配慮し、保護するーー例えば彼に教育学習の機会を与え、彼の疾病と家庭問題を解決し、さらに反動派統治の環境下で、必要な時には党の些かの工作を放棄して同志を保存しなければならない等である。ところが、これらはすべて別のことの為ではなく、むしろ党の全体の利益のためである。なぜならば党員が必要な生活条件、工作条件と教育条件を保障し、彼らを安心して熱情的に工作させることは、党の任務を完成させることに必需であるからである。これは党の責任者が党員の問題を処理する時、必ず注意する所である。

  総ずるに、一方面では、党員個人は党の利益に完全に服従し、滅私奉公すべきである。党の利益と相違背する個人の目的、私人の打算は、持つべきではない。何であってもすべて自己のみを顧み、至る処で党に対して一大の私人的な要求を提出し、党が彼を擡挙せず奨励しなかったことを責めるべきではない。而して一切の情況下にあって、努力して学び、努力して前進し、勇敢に奮闘し、不断に自己の覚悟を高め、不断に自己のマルクス・レーニン主義の了解を深め、以て党の革命に対する更に多くの貢献をなすべきである。別の一方面では、党の組織と党の責任者は、党員の問題を解決する時、党員の工作情況、生活情況、教育情況を注意し、党員に更に好く党工作をできるように、党員がプロレタリア階級の革命事業の中で不断に自己を発展させ、自己を高められるようにすべきである。特にそれら真正なる滅私奉公の同志らは、更に多く注意しなければならない。このようにあってのみ、この両方面を注意し、努力連携してのみ、党に対して更に大きな利益をもたらすことができるのである。

(「第七章 党内の各種誤った思想意識の挙例」につづく)

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