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『iPhone1台で学ぶプログラミング』の出版企画はどうやってできたのか?

いよいよ明日、2023年4月26日に翔泳社から『iPhone1台で学ぶプログラミング』が発売になります。
これまでのプログラミングの入門書とは一味違った本の出版企画がどうやってできたのか、この本ができるまでを振り返ります。

きっかけは「センイチブックス」でのイベント

下記のnoteでも書いたように、2022年の6月から調布市仙川にあるシェア型書店「センイチブックス」にて棚主になりました。

シェア型書店は、小さな店内で、棚単位で個人などに棚を貸し、そこでその「棚主」が好きな本などを並べて、発信するための場所です。「自分の興味のある分野を発信できる場所」という扱いなので、それぞれの棚に個性があり、新刊を並べたり、古本を並べたり、というのは店主に任せられています。

センイチブックスでは、基本的には月に1回から数ヶ月に1回程度の頻度で、店番を担当します。そして、この店番のときにイベントを開催できます。このイベントとして、私はまず「プログラミング体験会」を開催しました。

私が普段接する人はプログラマなどが多い一方で、こういった地域の小さな書店を訪問する人はITに詳しい人はほとんどいません。
そんな方でも興味を持っていただけるように、知識がなくても30分から1時間程度で体験できるものを考える必要があったのです。

iPhoneなら多くの人が持っている

そこで思いついたのが、「iPhoneのショートカットアプリ」です。
パソコンを持ってきてもらうのは大変でも、スマートフォンであれば普段から持ち歩いています。そして、iPhoneはこどもから大人まで幅広く使われています。

iPhoneであれば利用者数も多く、初心者でもそれなりに使いこなしています。
しかし、意外と使われていないのがショートカットアプリです。標準で搭載されているけれど、一度も起動したことがない人が多いでしょう。

そこで、これを使ってちょっとしたプログラミングを体験できないかと考えました。
しかも、作って楽しいと思えるもの、便利だと感じていただけるもの、達成感が感じられるものがいいと思いした。

そこでサンプルとして選んだのが、上記の記事にも書いた「通訳アプリ」や「NFCタグのタッチ」です。
小学生のお子さんも参加していただきましたが、誰でも数分で開発でき、ちょっとした驚きがあるアプリの開発は楽しいものです。

出版の企画を作る

このような30分程度で体験できるイベントを開催したものの、ここから出版に結びつける必要があります。
これがなかなかハードルが高いのですが、実はこのイベントには本書の編集者さんに参加いただいていました。

他の案件の打ち合わせも兼ねていたのですが、こういったシェア型書店にご興味を持っていただけたこともあり、体験会に参加いただいたのです。

あとはこのイベントをどう膨らませて書籍の企画として作り上げるかです。
「ショートカットアプリの使い方」や「ショートカットアプリの活用法」といった感じにするのも1つですが、ここはやはり「プログラミング」という視点で出版したいと考えていました。

そこで、いくつかサンプルを作って、それをプログラミングの要素に分けていく作業を行います。
たとえば、「変数」の考え方を説明するにはどんなサンプルが合うか、「条件分岐」の考え方を説明するには、「繰り返し」の考え方を説明するには、…という感じで考えるのです。

そして、企画書を作成して編集者さんに提示しました。

大変だったこと

無事に企画が通ったあとは、ひたすら原稿を作成します。今回は画面イメージが中心なので、その空いたスペースに入る範囲で解説を追加していきます。
今までは文章が前提で、その補足として図を入れる本が中心でしたが、今回は図が先にあります。1ページに入れられる文字数にも制限があるので、短い言葉で説明するのはなかなか大変でした。

そしてさらに大変なのがページ数の調整です。原稿を作成したものの、ページ数が想定より増えてしまいました。フルカラーということもあり、なんとかページ数を抑えたい、ということで、校正の段階で画面イメージのサイズを細かく調整しました。

まとめ

上記のように、地域の書店での小さなイベントから始まった本です。
プログラミング経験がないまったくの初心者の方でも、本書に沿って操作するだけでさまざまな楽しいサンプルを作れるようになっています。
ぜひ試してみてください。

もっと詳しく聞きたい方は、以下の出版記念イベントにぜひご参加ください。


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