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1992年渡部昇一先生の予言的中!「渡部昇一の日本史快読!」

今回紹介する本は、『渡部昇一の日本史快読!』です。

渡部先生の歴史観はとても面白いですよね。

しかも、圧倒的文章力で読みやすく本書も一気に読めてしまいます。

序文での冒頭に、

「歴史とは虹のごときものである」

とあります。

 虹というのは、その正体を調べようとすれば、わからなくなってしまうのが虹なのである。遠くから見えてはいても、近づいて検証しようとすれば、そこには単なる水玉しか存在しない。

 虹は、見る人から一定の距離と角度をおいたときに初めて、明瞭に見える。逆に言えば距離と角度が適当でなければ虹は見えない、ということである。

と説明した後、

歴史も同じだと言っています。

たとえば、

歴史における水玉というのは、個々の歴史資料や個々の歴史的事実と言ったものであろう。だが、こういった歴史的事実を集めてみても、その観察者の立っている場所が悪ければ、歴史の実像はいっこうに見えてはこないのである。

と説いてくれています。

渡部先生は、織田信長と、コロンブスの新大陸発見の時代に視点を置き、歴史という虹を見る試みをしているので、歴史の流れが水の如くスラスラと頭に入ってきます。

ここで僕がこれはすごいと思った箇所は、第5章6章で、当時の渡部先生が読み解く日本の未来が語られているところです。

なにがすごいって、ここで、和食は、フランス料理のように世界に普及すると言いのけているのです。

1992年出版です。

2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて、今では世界でブームになっているのを見ると、渡部先生はすごい人なんですよね。

和食が普遍化するには4つの理由があると言っています。

1日本人が豊かであるということ。

2日本人が頭脳明晰であり、世界から称賛を集めている。

3日本の平均寿命が世界一。

4日本人は欧米人に比べるとスリムである。

この4つの理由により、和食が世界に普及するとあります。

予言的中ですね。

1992年だったらまだ、人間が素手で握った寿司なんか食べられるか、火を通さない魚を食べるなんて野蛮だと思われていた時代ですよね。

やっぱり渡部昇一先生ってすごい人だったんだなと、改めて感じた一冊でした。


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