藤井風と中田裕二の色気を徹底分析して、今日も夜は更ける
「色気」。
それはミュージシャンにとって超重要な素質。
なぜならミュージシャンとは、音楽で観客を魅了する人種だからである。それは大きな舞台に限らず、地下ライブハウス、ちょっとしたステージがあるライブバーでも同様。
大小に関係なく、観客がいればそこはステージ。演者は自らの音楽で観客を魅了する。観客の興味を惹くことができなければ、当然演奏は聞かれない。
どんなに素敵な音楽も、聞かれなければ意味がない。つまり客の意識をこちらに向けなければ、スタート地点にすら立てないのである。
そういった意味で、ミュージシャンにとって「色気=人を惹きつける力」というのは、何にも増して重要だ。
こんにちは。考える犬です。
そんなわけで皆さん、色気あるシンガーといえば誰を思い浮かべますか?
そう、藤井風と中田裕二ですね。(ノータイム)
藤井風。
先日のNYアポロシアターでの公演も大成功…どころか、
キーボード落下のハプニング
↓
アカペラ歌唱で続行
↓
からの、地べた弾き語り
というフルコンボをやってのけ、ハプニングを逆にこの日一番の見せ場にするという離れ業を披露。今の彼はまさに無敵。マリオカートなら虹色に輝きながら周囲を蹴散らし独走している状態。誰か止めてくれ。
その音楽に、笑顔に、ユーモアに魅力されるファンはもはや国内のみに止まらず、全世界老若男女をワールドワイドに魅了しまくり、さらにファン層を拡大中。まさに時代が生み出した人たらし日本代表である。
彼に関する分析記事はこの辺りをどうぞ。
…対して、中田裕二。
今邦楽界で、最もいかがわしく色気を放つ男。
藤井風が「魅了」なら、こっちは「誘惑」。
より危ない方である。
彼に無防備に近づいたら最後、その女性は自覚する間もなく瞬時に底なし沼に引き摺り込まれ、終了。人喰いワニか??
そのルックス、声、そして音楽性、全てが色気に特化した、まさに存在そのものがR-18。多分だけど女子中学生に彼を見せたら、何かの罪に問われる。性癖歪曲罪みたいな。
その辺の分析は↓の記事に詳しいので、良かったらどうぞ。
…というわけで、音楽も個性も全く違う彼ら。
今日はこの二人を比較して、それぞれの色気を分析して遊びたい。
で、最終的には両者を肴に楽しくお酒を飲めたら良いと思う。
1.藤井風
まず藤井風について。
彼の魅力と言えば、その掴みどころのなさ。
いつもユーモアたっぷり、全てが冗談まじりのようで、実は裏には計り知れない哲学を秘めている。
「何なんw」という嘘みたいなタイトルのデビュー曲が、まさにそれ。ユーモアと同量の哲学をぶち込み、そこにあろうことか岡山弁をブレンドした結果、過去に例のない宇宙味のカクテルみたいな曲ができあがった。
なんちゅーもんを食わせてくれるんや……
「この曲何なん???」
と、当時誰もが思っただろう。
気になって、もっと知ろうと近づいても、当人はするりと指の隙間を抜け、悪戯っぽく笑ってみせる。そして名前が藤井「風」。
いや、マジで何なん??
名が体を表しすぎだろ。
少女漫画のキャラクターか???
そんな奇跡の男である。
唐突だがここで一つ、彼のカバー動画を紹介したい。
曲はカーペンターズverが有名な「Close To You」。
今から5年前…つまり、齢22、3の動画である。
…いや、お前や!!それ!
と、誰もが思うだろう。
この曲を自分で歌っちゃうところが、もうね。
天然の人たらしが過ぎる。
そうだよ。みんなあなたのそばにいたいのよ。
さて、では藤井風について、「音楽における色気」という観点で分析してみましょう。彼の場合キーワードになるのが、「余裕」と「遊び心」。
もちろん、全身全霊で魂を込めて歌うボーカリストもいるが、彼の場合は少し異なる。彼の歌っている様子をみると、必死感はない。むしろ音の波でのんびりサーフィンをしているような余裕を感じる。
これは音楽に限らず言えることだが、「色気」は「余裕」から生み出される。
必死な男性と、余裕ある男性。それぞれ良さはあるが、こと「色気」に関して言えば、女性の票は後者に集まるだろう。
もっと言うと、彼の余裕ある佇まいは「音楽を楽しもう」という遊び心に由来すると思う。ステージの彼をみると、全身から「今日は力抜いて、楽しんでいってください」という声が聞こえてくるようだ。それは彼の表情、立ち振る舞い、何より紡ぎ出す音から顕著に感じられる。
ライブでこれほど遊び心に溢れたピアノソロやフェイクを聞かせてくれるミュージシャンが、果たしてどれほどいるだろうか。それも彼の場合、技術を見せつけるというよりは、純粋に超楽しそうに演奏するのである。
口元なんか、いつもニッコリ笑っているし。
この部分にこそ、彼のミュージシャンとしての魅力と矜持、そして色気が詰まっている。
ここ数年のありえないレベルの躍進により、いよいよ本格的に世界にバレてしまった藤井風。これからも軽率に人々を魅了しまくり、世界各地に屍の山を築くことだろう。
2.中田裕二
さて、次に語るのは中田裕二。
お待たせしました。
裕二のターンですよ。みなさん。
性的な要素は希薄な藤井風に対し、性的ニュアンスしかないのが彼。
その声、紡ぐ歌詞、佇まい、すべてがやらしい。すべてが不穏。それがうちの中田裕二である。何か問題でも???
彼の魅力については、説明より見てもらった方が早い。
というわけで、一曲どうぞ。
中森明菜のカバーで、「スローモーション」。
どエロい。
なんだこれは。
デビュー曲ということで、まだ初々しさを感じる中森明菜のオリジナルがあるからこそ際立つ、むせ返るような大人の色気。有名曲のカバーって、結構ミュージシャンとしての技量が問われると思うのだが、その点中田裕二は全くもって問題ない。
曲選、アレンジ、何より自身のキャラクター。
すべてがピタリと合致した、完璧なカバーだと思う。色気だけでなくミュージシャンとしての技量伴った彼だからこその名演だ。
さて、そんな中田裕二だが、彼の色気を考える上でポイントになるのが、「知性」と「バランス感覚」。
中田裕二という人はセクシーなだけでなく、歌詞の文学性も相まって、どこか昭和初期の文豪のような知的な雰囲気を纏っている。この辺り、椎名林檎にも共通すると思うんだけど。
そもそも色気の演出とは、実は相当頭の良い人にしかできない。
ちょっと想像して欲しいんだけど、男性が色気を出すのって、具体的にどうすれば良い? いつもより胸元を開ける?香水をつける?腕まくりして露出を増やしてみる?…
そのどれもが、一つ間違えば大事故である。油断すれば下品なオッサンが一人、ただ完成する。女性にしたって、胸元バーン出してスカート限界まで短くした人がエロいかというと…いやまぁエロいんだけど、でもそれを色気とするか品が無いとするかは、評価が分かれると思うんですよね。
そう、色気の演出とは自己に浸りすぎない客観性と、過剰になりがちなところを踏み止まるバランス感覚によりはじめて可能となる。
彼が色気を感じさせるのは、自己を客観視できる卓越した自己プロデュース力と、バランス感覚ゆえである。不足してもやり過ぎてもいけない。時代に合わせてアップデートもしなきゃいけない。
そんなわけで、中田裕二が自身の音楽のアイコン足り得るエロい男であり続けるのって、実はかなり凄いことだと思う。生半可じゃ無い。
あともう一つ、彼の色気で重要なポイントがある。
それが「自らが色男である」と明言しないことである。
あれだけの色気、本人も意識してないはずないんだけど、「そんなつもりありませんけど?」って顔をしている。これ超重要なポイントで、と言うのは「俺セクシーでしょ??」と表明した瞬間、そいつはもうちょっとダサいと思うのである。理由は明白で、「自称することで、ハードルが爆上がりするから」である。
これってお笑いにも似ていて、例えば松ちゃんがボケる時って、大体ポーカーフェイスじゃないですか。
面白い人って、「俺面白いよ!」って自らアピールしない。相手のガードと自分へのハードルが上がる前に、何気なくボケを放り込むのである。
言うなれば、「どうも!めっちゃ面白い人です!!」と言いながら登場する芸人がいない(いるかもしれないけど)ように、「俺ってセクシー」「俺は超モテる」ってことを表明する行為それ自体が美しくないと、中田裕二は完璧に察している。それが理論か直感かはわからないけど。
つまり、中田裕二の色気と、松本人志のお笑いにおけるポーカーフェイスは、本質的に同じなのである。何だこの結論????
3.総括
…というわけで、話が散らかってきたので総括。
天然で自由な藤井風と、クレバーでスマートな中田裕二。
それぞれ違って、それぞれエロい。
もう今日はこれで良くない???
で、そうなると「一体どちらを推せば良いんだ!?」と思ったあなたに、僕はそっと囁きたい。「どちらも推せば良いんじゃない…?」と。
そう、良い男は何人いても良い。
どちらに転んでも酒が美味い。
我々全員の大勝利である。
だからもし僕に権力があれば、日比谷音楽堂あたりで藤井風陣営と中田裕二陣営に分かれて徹底討論するパネルディスカッションを開催したい。
そしてその様子を、IPPONグランプリの松ちゃんポジションでモニター越しに見たい。最終的には全員が肩を抱き、両者の尊さを讃えあい、そのまま大宴会へなだれ込むまでが一連の流れである。
飲もう!同胞よ。飲もう!!!
乾杯!!!!!
良い男の色気で、今日も酒が美味いな!!
ふはははははは!!!
現場からは以上です。
ご清聴ありがとうございました。
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