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『怪物』感想。


・ あらすじ

大きな湖のある郊外の町。
息子を愛するシングルマザー、
生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。
それは、よくある子供同士のケンカに見えた。
しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、
大事になっていく。
そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した―。
(公式HPより)

 『万引き家族』など数々の有名作品を手掛けた是枝監督の最新作。脚本家は坂本裕二さん、音楽は坂本龍一さん。ずっと気になっていたので、見てきました。

 シングルマザーの麦野早織、教師の保利道敏、そして麦野の息子である麦野湊。それぞれの視点から描かれている物語は、時間を追うごとに背景がはっきりと浮かんでくるものでした。最後まで引き込まれる構成でした。

 早織の視点から見る「怪物」と、道敏から見る「怪物」、湊から見る「怪物」。この作品はそれぞれの価値観から見えてくる「怪物」の在り方を考える作品なのかなと思いました。

 ネタバレはしませんが、最終的に湊と彼の大切な友人である星川衣織の決断は正しい。いや、正しいというよりも、あれが二人を希望に導く最大限の方法だったのかなと思います。早織も通敏も、最終的には守りたいものを守るために動く。そんな印象でした。

 めっちゃ個人的ですが、東京03の角田さんが是枝さんの作品に出ているのが嬉しかったですね。普段はコメディですが、角田さんは誠実の中に潜む不気味さを表現するのが上手です。他の俳優さんたちも然り、自然な演技ができるメンバーが揃うと、映画は良さを増しますね。

 この映画のテーマでもある「怪物」。私にとっての怪物はなんだろう。もしかしたら、自分自身かもしれないですね。 

 

それでは、また。

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