見出し画像

餅、食べながら独り語り。


 退屈だ。そんなふうに言える正月でありたかった。

 世の中を見渡せば、悲劇ばかりだ。なぜ、地震が起きるのか。火災が起きるのか。戦争が起きるのか。正直、わかりたくない。わかりたくないが、現実はとても冷たく、夜空に散る星が誰かの救いになることもなさそうである。

 私は何ができるだろうか。ただただ、こうやって餅を食べているだけでいいわけもない。だが、行動を起こすのも難しい。今できることは寄付するか、自分自身の命を守ることくらいしかできない。後は健康でいることくらいか。せめて、誰かに迷惑をかけない生活を送ることしかできない。むしろ、誰かのエネルギーになることをするしかない。仕事をして経済を動かすとか、そんなことか。

 どうせなら、楽しいことで脳内を埋め尽くしたい。好きなことばかり考えていたい。穏やかな日常を送りたい。それが、世界中の願いであってほしい。

 今は何かをしようとしても、足がすくむ。純粋に2024は恐ろしい。明日は何が起こってしまうのか、その『何』が青ざめたものだとして、明日は我が身じゃないかと考えてしまう。

 それでも、冷静に生きなければならない。慌ててはならない。急いではならない。深呼吸をして、落ち着かなければならない。たとえ世界中が混乱に満ちても、鳥の鳴き声を聞き分けられるように、耳を澄まさなければならない。何が真実で、何が偽りか、自分の目で確かめなければならない。本当に、難しい時代でしかない。

 こうやって、自分語りができることを幸せに思う。やはり、私は想いを言葉にして、文章にすることが好きらしい。小説であれ、詩であれ、日記であれ、私は何かを書き記すしかない。今を記録するために。記憶が薄れても、忘れないように。

 それが正しいか否か、わからないけれど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?