適応障害『真澄の空』
何もできない。何も考えたくない。
一寸先が真っ暗闇。
まるで、深海を彷徨っているよう。
僕は死んだ。必然的に死んだ。
適応障害って、最近話題の精神病。
僕はなるべくしてそれになったのかもしれない。
何もかもが交わらなくて、バランスを崩した。
どうにか頑張っていた僕が、壊れた瞬間だった。
生きている意味などわからない。
ならば死んでしまえばいい。
それくらい追い込まれていた。
もはや生活する死神って感じ。
常に心が闇の彼方へ落ちていて、
希望など微塵もない状態だった。
周りが見えなくなって、自分のことばかり。
だから余計に落ち込んで、死にたくなった。
それでも、僕は生きなければならなかった。
それは家族がいたから。
家族を置いて死ぬことはできなかった。
だから僕は消去法で生きることを選んだ。
何も楽しいと思えなくなってしまった自分。
未来が不安で不安で、どうしようもなかった。
ガシャ、ガシャ、ガシャ。僕は壊れ続けていった。
ただ、そのおかげで僕は開き直った。
そうそう、僕はどうせ欠陥人間です。
だから期待しないで、諦めちゃえばいい。
世間体なんて無視。自分勝手でいいや。
そんな感じで、全てを投げやった。
すると気持ちが楽になって、生きやすくなった。
荒療治だし、希望がない回復方法だが、
それでも僕の場合は復活してしまった。
イエスも驚く、欠陥人間の恐ろしさ。
僕は今でも未来に期待をしていない。
こんなご時世だし、期待なんかできやしない。
それでも僕は生きている。死ぬことができないから。
家族を悲しませるほど、僕は愚かじゃない。
幸い、今は仕事も順調で、趣味もある。
僕は人間らしく、人間のふりをしている。
だけど中身はどこか欠けている状態。
多分これが治ることは一生ないだろう。
別に、それで構わないし、むしろ好都合。
僕はまともに生きることができないのだから。
今までの24年は、必死で社会に馴染もうとした。
だけどそれは不正解だったことに気がつけた。
僕にとって正解は、極力交わらないこと。
分断していく社会を遠目から眺めること。
そうやって自分を世俗からかけ離れたところに置く。
それでいい。それが僕の生き方だ。
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