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翌日の夕方に家に帰って来ると、母さんが台所でお雑煮を作っていました。 「お雑煮ってなん…
僕はゲイです。自覚したのはかなり前(小学生だったはず)で、母さんに明かしたのも中学生の…
「って話だよ。あんた、本当に覚えていないの?」 僕が買ってきたジムビームハイボールを飲…
これは僕が五歳の頃に経験した、ある『ハプニング』です。しかし、記憶が曖昧な部分は一部補…
「山ちゃんは甘党だね」 大学の食堂でショコラパンを食べていた俺に、同じ文学部の宮田エミ…
「結婚してほしい」 僕がこの言葉を放つのは、これで三回目だった。一度目は横浜の海が一望…
僕の好きな夏が終わってしまった。同時に、学校が始まってしまった。夕暮れも悲しくなる季節が来る。海を見ても虚しくなる季節が来る。冷たい風が吹き、寒くなるこれからが、僕は嫌いだ。 「何聴いてるの?」 放課後。君はイヤホンをした僕の肩を叩いて、訊く。 「言っても知らないよ、君は」 それでも君は僕を離さない。 「いいじゃん、教えてよ」 小さな子供みたいにせがむ君。仕方なく、僕は教える。 「『君がいた夏』」 「『君がいた夏』? 誰の曲?」 「Mr.Child
ガラパコス携帯に、一通のメールが来た。 『今日バイトサボったから。これからそっち行く!…
一人、路地を歩く。何も考えず、ただひたすらに。 一匹、猫が通る。彼もまた、何も考えず…
僕が生きる世界は狭い。わずかな人間関係、インスタントばかりの偏食生活、趣味もダラダラYo…
米といでさ、水入れてさ、炊飯器の中にセットしてさ、『白米』のボタン押してご飯を炊くのよ…
冬のあるとき、僕は教室の隅で小説を書いていた。 すると君は「何を書いているの?」と…
二月一日、晴れ。夢都と散歩中、道路に転がった空き缶を拾ってゴミ箱に捨てた。近くにいたお…
「愛を重ねよう、君と僕の愛を」 「何を言っている? ミルクレープを食べ過ぎて、気が狂ったか?」 「気が狂ったか。いやいや、僕はもともとそういう人間だ」 「なら、おすすめの精神科を紹介するよ」 「ひどいこと言うね。僕は本気だ。僕は君が好きだ。君はどうだい?」 「その好きは、恋愛対象として? それとも、人として?」 「どっちも」 「前から変わり者だと思っていたけど、まさか」 「まさか僕がゲイとは思わなかった?」 「そうだね」 「君の悪い癖だ。君はすぐに決めつけ