終わりなきミルクレープ『転がる石』
「愛を重ねよう、君と僕の愛を」
「何を言っている? ミルクレープを食べ過ぎて、気が狂ったか?」
「気が狂ったか。いやいや、僕はもともとそういう人間だ」
「なら、おすすめの精神科を紹介するよ」
「ひどいこと言うね。僕は本気だ。僕は君が好きだ。君はどうだい?」
「その好きは、恋愛対象として? それとも、人として?」
「どっちも」
「前から変わり者だと思っていたけど、まさか」
「まさか僕がゲイとは思わなかった?」
「そうだね」
「君の悪い癖だ。君はすぐに決めつける。それを僕が正してあげるよ」
「ありがとう。しかし、男同士で恋愛なんてできるのかい?」
「できるよ。僕らは今まで通りの関係でいればいい」
「今までどおりでいいのかい?」
「もちろん。僕はむしろ、その形を望む。下手に性的な行動はしたくない。穢く思えるからね」
「潔癖症なのかい?」
「ほら、また決めつける。僕はむしろ、部屋が汚いよ。でも、愛に関しては綺麗好きかもしれない」
「理解した。なら、今までどおりでいいのかい?」
「ああ。そうすれば、自然と愛は重なるよ。まるでミルクレープのように」
「永遠に。わかった。告白を受け止めよう」
「ありがとう。終わりなきミルクレープに、そして僕らに乾杯」
「乾杯」
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