冷える心、騒がしいラジオ(短編小説)
極寒の冬。僕は家の中で暖房をつけて、昼間のラジオをつけつつ、ハイライトを吸って我の自堕落っぷりを心の中で笑っている。外は雪が降り積もっていて、とてもじゃないが外へ出る気分にはなれない。仕事も臨時休業になり、近くのスーパーも閉まっているとネットには書いてあった。
僕が吐くタバコの煙と、誰かが吐く寒空の下息は、同じ白色をしている。濁りのないはずの、純白。だが、俺の方は随分と淀んだものになっている。君の白い肌には程遠い色をしている。
無気力の素面人間が、愛を紡ぐことはできない