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急性心筋梗塞③ じじいのイヤイヤ期


そもそも「緊急手術ですよ」と言われ
「はい どうぞよろしく」なんて事は無いわけで。
しゃっくりが止まらないと言う理由で病院に行って 緊急心臓バイパス手術 即入院なんて誰が受け入れられると言うのか。

大きな病気をした事もなく
病院 薬嫌い
高熱が出ても水分と睡眠とって治す人なのに
は? 手術? 入院?

真っ先に出た言葉は
「帰る」
「僕にも意思決定権がある」「手術は拒否します」「これで死ぬならそれも天命」などの常套句
まあ 2歳児のイヤイヤ期そのもの
今年62歳のジジイなだけに始末が悪い。

ドクターは患者の承諾がないと無理やりメス入れるわけにはいかない。

肝心の女房はどうしていいやら困惑状態
そりゃそうだろう 旦那は嫌だ嫌だいってるし
ドクターは至急手術をと言ってるし

そこでドクターは次の一手に。
「他に御身内の方でどなたか旦那様を説得できる方はいらっしゃいませんか?」と女房に。
女房が電話で長女に連絡。

うちの家には二人の娘がいまして
二人とも嫁いで孫たちもいて仲の良い家族でございます。車で1時間半くらいのところに住んでおりまして休みの日など孫連れてよく遊びに来てくれる大好きな家族達です。

電話口に長女、「何 ダダこねてんのよ!まだまだ元気でいてもらわないと困るんだから!」
「孫たちと成長見届けなくていいの?」
仲間を得た女房も
「父親の生き様を子供や孫たちに見せてよ!」
実にこちらの弱点を付いてくる。
こうしてしばらくやりとりがあり
ついに観念して書類にサインをした次第です。

そこからは服を手術用に着替えさせられ
ベッドに寝かされ ガラガラ ゴロゴロと移動
僕の目には天井のライトが流れていき何やら部屋で待機。
僕が駄々こねている間に麻酔科の先生や循環器系、腎臓内科、いろんな先生方がスタンバイしていただいておりまして準備万端だったらしい。

その①で書いたようにあちこち悪い所ばかりですが、
まずは命に関わる心臓のバイパス手術からと説明があり、麻酔科の先生がご挨拶されて処置、そのあたりから意識が飛び飛びでして。長い闘いが始まったワケでごいます。

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