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極私的楽器メーカー観~ヤマハ①~

不定期連載。このシリーズでは楽器オタクな僕が、それぞれのメーカーについて感じること、考えていることを書いて行きたいと思います。

僕はヤマハ音楽教室で育ちました。
そんなこともあり、楽器と言えばヤマハ製のものに一番触れて来たとおもいます。音楽教室の楽器は当然ヤマハ、買ってもらったアップライトピアノもヤマハ、学校で触る楽器もヤマハ(学校教育用の楽器では極めて大きなシェアを持っています)。かように「楽器と言えばヤマハ製」という感じの幼少期でしたね。

ピアノ・管楽器・弦楽器・打楽器といったクラシック楽器を何でも作っているどころか、ドラムス・ギター・ベースといったLM楽器、更にはエレクトーン・シンセサイザーなどの電子楽器まで、音楽用楽器のあらゆるジャンルをカバーする総合楽器メーカーはヤマハの他には世界中ほとんどないんですね(以前はカワイもかなり幅広いラインナップがありましたが、現在ではほぼピアノ系だけに絞っているようです)。

元は輸入されたオルガンの修理から始まったヤマハ(創業者は山葉寅楠(やまはとらくす)創業者の名前だったんですね)。戦前には既にピアノメーカーとして成功し、その木材加工の技術を見込んで当時の軍部が飛行機のプロペラの製造を委託したことが後のヤマハ発動機につながります。(プロペラを作るの頼まれちゃったよ→テストしないといけないな→じゃぁエンジン作ってみようか、ということでエンジン作り始めたそうです。順序が逆なのでは・・・w 今じゃ世界に冠たる高回転型エンジンの開発力を持っています。)

そのヤマハの作るピアノ。

僕は昔から弾いてきたので一番なじみがあるんですが、コントロールが非常に効きやすく、クリアで硬質な音からソフトでウォームな音まで幅広く出せるのが非常に好きな所です。スタインウェイほどの華やかさ・きらびやかさはないですが、鍵盤タッチとのマッチングが非常に良いと思います。鍵盤のタッチは重すぎず軽すぎず。

日本は欧米に比べて夏は高温多湿、冬は厳寒地域が多いなど、楽器にとっては非常にタフな環境ですが、その苛酷な環境に適応している楽器は非常に堅牢で、調律が狂いにくいというのは世界的に評価の高いポイントです。日本人の細かさからくる精度の高い工作技術がそれを支えていると思われます。生楽器ですから個体差は当然ありますが、平均点がメチャクチャ高いので、新品時にはあまり気にならないレベル。買った後の弾き方で個性が出てくる感じですね。

テレビなんかで映るピアノはスタインウェイが多いんですが、チックコリアや、往年の名ピアニストのリヒテルなど、ヤマハピアノを愛用するトップ・プレイヤーも数多くいます。世界的なプレイヤーに採用してもらうまでには、営業の人はもちろんですが、調律師の努力がすごく大きかったそうです。「極東の新興ピアノメーカーの作るピアノなんて・・・」というイメージは戦後もしばらく抜けなかったみたいですね。

ヤマハは今では世界中にネットワークを広げていて、どこに行ってもヤマハの販売店があり、音楽教室もあります。これは定期的なメンテナンスが必要な生楽器にとっては非常に頼もしいことです。日本ならなおのことサービス拠点が充実しているので、アフターケアも安心。

。。。なんかヤマハのセールスみたいになってきたなw

現行の最上位機種はコンサートグランドピアノのCFXで、1900万円の堂々たる価格です。一度この楽器に触りましたが、非常に素直で良く鳴り、いっぺんで欲しくなってしまいました。
コンサートグランドを個人所有するってのはなかなかに非現実的ですがw

さて、ヤマハ①としたのは、それ以降があるからで、②では僕が演奏するもう一つの楽器、シンセサイザーについて語ってみようかと思います。今回以上にマニアックになると思いますが、宜しければお付き合いください。



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