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【要約】サブスクリプションで売上の壁を超える方法|リピート顧客の作り方を解説します

オイシックス・ラ・大地の執行役員としてサブスクリプションモデルのEC事業を担当している西井さん著の『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』という本を読みました。

サブスクサービスを開発ためのフレームワーク、サブスクのマーケティング嗜好などがまとまっているので、このnoteで本書に書かれている内容、サブスクビジネスで必要な考え方をまとめていきたいと思います。

『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』は、『固定売上』を作りたい人におすすめです

・サブスクってなに?
・サブスクリプションサービスをはじめたい
・サブスクリプションサービス(定期購入サービス)をやっているがうまくいかない
・サブスクリプションサービスのビジネスをもっと成長させたい

リピート顧客を作る、定期的な固定売上を作りたいという人にオススメな本です。

サブスクサービスを成功に導く4つのポイント

①サービス(商品)開発では顧客を成功に導くことを考えること
②データを活用してサービスを改善/顧客体験を改善する
③顧客の離脱の原因を探り、それを防ぐ
④継続的に利用してもらい顧客のLTVを最大化させる

とにかく商品を「売る」だけじゃリピーターはつきません。サービスを改善、より良い体験をお客様側に体験してもらう、そのためにサービスを改善するという「想い」「思考」がまず大切なのです。

サブスクリプションとは?

サブスクリプションとは、定期的な利用があり、かつデータが活用されている商品・サービスを指します。

サブスクリプションサービスとは、データを活用するためにデータを集めるのではなくて、長くサービスを利用してもらえるように、ユーザーの心理や行動を把握して商品やサービスをより良くしていくためにデータを集めて改善するサービスのことです。

様々な定義があると思いますが、私の中では
「サブスクとは、サービスを続けたい気持ちを作ること」これに尽きるのではないかと思っています。

お客様の『不(お困りごと)』を解決するビジネスがサブスクに向いている

サブスクリプションサービスは、お客様の『困りごと(課題)』を解決してくれるような商品(サービス)がサブスクに向いています。

日常的に「そういうものだからしょうがない」と思い込んでいるものってありますよね。どんな業種が向いているかというよりも、「そこにユーザーのペインがあるか?」

つまり『困りごと』があるのかどうかを考えます。

ーザーペイン(pain) とはお客様が日常的に感じている痛み、苦痛、お困りごとを指します。

つまり、商品やサービスを使っているときに感じる困りごとだったり、「こうだったらいいのに」という不満のことです。

「顧客にどうなってもらいたいのか?」未来を想像しながら、それを実現するために、障害(課題/問題)になっていることを考えましょう。

サブスクリプション・マーケティングを実践するための3つのポイント

①買うから利用するへの変化を顧客の行動から理解すること
②データ活用による顧客体験の改善
③顧客と企業による成功の共創

マーケティング=売れる仕組み、売上を作っていく上で上記の3つが大切です。

①「買う」から「利用する」への変化を理解すること

まずは、顧客の購買心理の変化を読み取りましょう。「買う」から「利用する」へ、顧客の購買心理は変わってきました。

■昔
音楽を聴くために、CDを購入していた
■現在
音楽を聴くために、サブスクリプション型の音楽再生サービスを利用している

以前と比較しても、顧客側の目的は変わりませんが、それを実現するための手段が変わりました。

②データ活用による顧客体験の改善をすること

蓄積されるデータを活用して、顧客の不満や満足している部分を見つけて、顧客体験の改善をすることが重要です。

③顧客と企業による成功の共創|顧客の成功を一緒につくること

顧客が自身の目的を達成することを顧客の成功と言います。顧客の成功は、商品やサービスを継続的に使うことで、得られる機能的な満足と、それによって気持ちが高まる情緒的な満足から作られます。

そうすることで、LTVが伸びていく。顧客の成功は、企業が押しつけるものではありません。

改善されていく商品・サービスを利用し続けているうちに、顧客が「こんな体験がしたかったのだ」と得られたもの、それが顧客の成功です。そして、この顧客の成功をコアバリューとよび、サブスクリプションではこのコアバリューをつくることが非常に重要 になっています。

サブスクリプション事業を作るための考え方は『PTCPP』です

サブスクビジネスを作るためのポイントは5つです。

①Pain(ペイン):ユーザーの課題を発見する
②Trial(トライアル):トライアルで仮説検証する
③Core Value(コアバリュー):独自性作り
④Profitability(プロフィッタビリティー):事業計画作り
⑤Product Market Fit(プロダクトマーケットフィット):顧客にサービスを適応させる

Pain(ペイン):ユーザーの課題を発見する

新しく事業開発をするときは、いきなり商品・サービスをつくるのではなく、仮説を立てて、それが正しいかどうかを検証していくことから始めます。

まずはユーザーを「セグメント(属性)」「ニーズ(欲求)」「ビヘイビア(行動)」 の3つの視点から分析し、それぞれのペインを発見していきます。

ポイントは「この商品・サービスをすべて使っているわけじゃないけど、もうちょっと、こうできたらいいのに」というようなユーザーの隠れた心理を読み取ることです。

Trial(トライアル):仮説検証を実施する

トライアルには家族や友人など自身の身近な人に協力してもらうのも有効でしょう。身近な人が「これいいね!」と思ってくれる商品・サービスをつくれないようでは、市場で受け入れられることなど到底難しい と思います。

Core Value(コアバリュー):独自性作り

従来の商品・サービスでは満たされていなかったニーズが何で、どのような形になればそれが満たされ、価値を感じてもらえるかを考えることです。

Profitability:事業計画作り

商品(サービス)が出来上がってきたら、事業計画をたてて「売上」「コスト」「利益」のバランスを考えていきます。

事業計画を立てる際に考えておきたい指標

・初回販売価格
・2回目以降の販売価格*コース別の販売価格
・商品(サービス)原価
・固定費
・変動費
・F2転換率
・F3以降の転換率
・CPA/CPO/CAC

こちらの指標を考えた収支シミュレーションを立てて、採算性などをみていきます。サブスクリプションビジネスの事業計画の立て方については、別な機会にまとめたいと思います!

Product Market Fit:顧客にサービスを適応させる

ベータ版ではなく、一般顧客に向けた有償の商品・サービスとしてリリースしています。「お客様がいきなり使わなくなった」「想定と違う使い方になっている」など、コアバリューを提供できていない顧客がたくさん出てきます。それらをしっかりと分析して、 商品・サービスをマーケットにフィットさせる のです。この作業を プロダクトマーケットフィットといいます。

サブスクを成功に導くKPIは、「会員数」「解約率」「顧客単価」

会員数は、「新規顧客」「既存顧客」「解約客」に分けて考えていきます。新規顧客の考え方は「転換率(サービス購入率)」。ですので、「サイト訪問者数」と「CVR」の数値を追っていきましょう。

稼働率(継続率)を上げるためにユーザー心理を理解していきます。既存顧客に関しては、サービス利用回数を見ていきます。

全体の売上は、「優良顧客」からもたらされるので、CRM(Customer Relationship Management)をします。

単価を上げるための『アップセル』『クロスセル』を実施を考える

サブスクリプションでは単価を上げることがゴールではなく、できる限り継続して使ってもらうことです。

単価を上げるための料金設定だけをするのではなく、継続利用してもらうために、より良い体験ができる価格設計を第一に考えます。単価設定で迷った際は、継続利用してもらいやすい方を選ぶことをおすすめしていました。

顧客属性によっては、他のサービスを販売したり、利用回数を増やしてもらうことで単価を上げることができます。(アップセル/クロスセル)

最後に、サブスクリプションで売上の壁を超える5つのポイントとは

①LTVを伸ばす
②事業を作るときは小さく始める
③顧客の解約率を下げる打ち手が最重要
④LTV>CPOとなった時が広告投資のタイミング
⑤顧客を中心とした組織を作る

サブスクビジネスを軌道に乗せるために必要なフローは上記の5つです。

まずは、事業を作るときは小さく始める
サブスクリプションのモデルは「クラウド型」「シェアリング型」「予約購買・利用型」の3つに分けられます。サブスクリプションの事業づくりのポイントは、小さく始め、顧客の声を聞き、改善しながら少しずつ事業を拡大していくところです。そのフレームワークがPTCPPです。

サブスクは「サービスを使い続けたい気持ちを作る」ことなので、長く使ってもらえるよう、選んでもらえるように「商品情報」「会社情報」「ストーリー」を継続的に伝えていきましょう。

目指すべき指標
LTV-CPA>0

になれば、広告投資のタイミングです。上記の計算式が成り立つ限り、どんどん集客して構わなくなります。

サブスクリプションは初期投資が多い分、しばらくの間は収益がマイナスの状態が続きます。この期間をいかに早く脱し、収益をプラスに転じることができるかが、事業成長のカギとなります。

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