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『顧客起点マーケティング』を活用して、新規顧客の売上とLTVをあげる方法

P&G出身の西口さんの『顧客起点マーケティング』を読み返したので簡単に書かれている内容をまとめたいと思います。

西口さんとは、P&G出身の方でブランドマネージャー、マーケティングディレクターを歴任された方です。
ロート製薬に入社をし、執行役員マーケティング本部長としてスキンケア商品の肌ラボを日本一の化粧水に育成したり、スマートニュースではiPhoneアプリランキング100位圏外から1年でNo.1など、輝かしい実績を持つ方です。

西口さんが提唱している、自社ブランドに使えるフレームワーク「9セグマップ」を中心に顧客起点マーケティングについて簡単にまとめます。

マーケティング戦略で重要なポイントはプロダクトアイデア!

「マーケティングって何から手をつけたら良いのか分からない」という方も多いはず。基本的なマーケティング戦略における考え方は以下の4つです。

■マーケティングの4つの基本戦略
(1)未認知層にサービスを知ってもらう
(2)認知未購買層にサービスを買ってもらう
(3)買ってくれた顧客にもう一度買ってもらう
(4)継続的に買ってくれる顧客をファンにさせる(ロイヤルカスタマー 化)

全てに置いて顧客視点が大切

「なぜ、顧客が動いたのか?」を知ることがとても重要です。顧客を把握しないマーケティングは必ず、部分最適の連続から縮小均衡に陥ります。
見方を変えれば、拡大するデジタル世界で顧客を捉えるための新しい手技手法に囚われて、ますます顧客から遠ざかってしまい、選ばれるサービス作りが難しくなってしまうのです。そのため、顧客行動の理解、その行動を起こした顧客心理の理解をすることが戦略、戦術を考える上で何よりも大切なこと。

顧客に選ばれるサービスを作るためには2つのアイデアが必要

顧客に選ばれるサービスを作るためには、2つの「アイデア」が必要です。
1つ目は「プロダクトアイデア」、2つ目は「コミニュケーションアイデア」です。

プロダクトアイデアとは、商品やサービスそのものを指します。対象顧客に対して、商品やサービスそのものに独自の機能や特徴があり、かつ具体的な便益があることが大切です。

チャコールコーヒーで話題の『C COFFEE』を例に考えていきたいと思います。C COFFEEとは、株式会社MEJが提供しているダイエットサポートコーヒーです。

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■C COFFEEの概要
・ブラジル産のコーヒーパウダー 100%使用したコーヒ
・国産炭配合
・MCTオイル配合
・"特許成分"マッコリ由来の乳酸菌配合
・SNSで話題、ランキング1位のダイエットコーヒー
・美味しい

上記の内容が『C COFFEE』の"プロダクトアイデア"です。

■C COFFEEの便益
・いつも飲んでいる飲み物に置き換えてダイエットができる
・美味しいから続けられる
・活躍している人の(グループ)に仲間入りができる(感情的便益)

と考えられます。つまり、プロダクトアイデアとは、そのサービスの独自性(USP)であり、お客様がその商品(C COFFEE)を選ぶ・購入する理由のことです。

コミニケーションアイデアとは?

次にコミニュケーションアイデアとは、商品やサービスを対象顧客に知ってもらうための手段のこと。
「プロダクトアイデア」を対象顧客に伝え、購買行動を起こしてもらうためのコミュニケーション自体の「アイデア」を指します。

主にプロダクトアイデアを伝える手段としてWEB媒体のプロモーションを実施しています。C COFFEEのイメージキャラクターとして、田辺さんをキャスティング。

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田辺さんは、Netflixにて配信されていたのリアリティショー「テラスハウス」の新シーズン 「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」に初期メンバーとして出演し、話題になっている方です。

WEBのCMでは、ストイックなモーニングルーティーンが描かれていて、ランニングを終えた田辺さんがコーヒーを飲んで休憩し、鏡の前でポーズを取りながら腹筋やボディーラインをチェックする様子が映し出されています。

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このCMを通して、"今を活躍している女性が飲んでいるコーヒー"というメッセージを伝える。

続いて、C COFFEEに興味をもたれた方に対して、SNSなどを通して商品レビュー、UGCを蓄積しています。

■Youtube

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■Instagram

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売れるサービスを作り上げる前提条件として、プロダクトアイデアに「独自性」「便益」がなければ選ばれない

お客様がなぜ商品・サービスを購入するかというと、目の前の課題(ジョブ)を解決するためです。つまり、対象商品を購入するメリットがなければ選ばれない。選ばれる理由(独自性、便益)がなければなりません。

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アイデア(独自性があって、便益があるもの)を明確にするためには、【顧客理解】に尽きると考えています。顧客の深層心理にあるホンネ(顧客インサイト)はなんなのか、それに対して、商品・サービスはどんな価値を提供できているのかを考えることが重要で、そのための"N=1分析"なのです!

なぜ、顧客分析はアンケートではダメなのか?

「アンケートでも顧客分析ができるのでは?」と思ってしまいますが、名前の見えない不特定多数の人の意見では、『顧客心理』は見えてきません。

なぜなら、人によって課題を感じる時やその課題を解決したいと動かされる要因は違うからです。名前の見えない複数の誰かではなく、実在する一人のお客様に会って、商品との初めての出会いからこれまでの経験に丁寧に耳を傾ければ、購買行動とその行動を左右する深層心理の関係が有機的に繋がっていきます。

具体的なN=1分析はどのように行うのか?

具体的に『N=1分析』はどのように実施するのかをまとめると

■N=1分析のやり方
①顧客ピラミッドの作成
②セグメント分析
③N=1分析
④アイデア創出
⑤アイデア検証
のフローで行っていきます。

①顧客ピラミッドの作成ー顧客データを5つのセグメントに切り分けるー
まずは、顧客を5つのセグメントに切り分けていきます。

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【5つのセグメント】
・ロイヤルカスタマー 
・一般顧客
・離反顧客
・認知/未購買顧客
・未認知顧客

②セグメント分析

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顧客を分ける上での要素は「購入金額」「購入回数」「在籍日数」「休眠日数」「ブランド認知有無」で切り分けていきましょう。

③N=1分析
顧客データの分けることができたら、次は『N=1分析』です。セグメントごとの「一人の顧客(N=1)」にインタビューして、認知や購買のきっかけと深層心理を分析していきます。

■ヒアリング内容

・具体的なコミュニケーション方法、情報接触ポイント、商品接触ポイント、購買接触ポイントはなんだったか?
・どういった状況で、どんなメッセージで訴えられたときに心が動いたのか、買おうという気持ちになったのか?

重要なのは、広告訴求だったり、ブランドの使用体験、口コミなどでどんな「アイデア」=独自性と便益を感じ取ったのかを感じることです。

④アイデア創出

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ヒアリングした内容から、アイデアを考えていきます。「アイデア」の手がかりは、これまでに聞いたことや見たことのない、特殊だったり非常識だと思えるような使用目的や使用方法や場面、商品に関連する個人的な経験や心理状態にあります。ここから独自性を抽出し、そこで得られる便益を明示することで「アイデア」となるのです。

⑤アイデア検証
仮説で立てたアイデアを施策に落とし込み検証していきます。

中長期的な売上UPを考えるなら、「ブランド選好」軸で顧客を分ける必要がある(顧客9セグマップ)

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継続的な成長をするにあたって、ロイヤルカスタマー 化は欠かせません。つまり、継続的に商品・サービスを使用してくれる顧客を増やす必要があります。その際は、顧客セグメントに『ブランド選好』軸を踏まえて、セグメントを9つに分けていきましょう。

■ブランド選好を把握するヒアリング内容
・そのブランドを知っているか?
・これまでに買ったことがあるか?
・どれくらいの頻度で購入しているか?
・次も購入したいブランドか?

「買い続けている/使い続けている」という行動を左右する心理的原因を理解しないと、ロイヤル顧客の売上が減っても本質的な問題が理解できないまま、顧客を失い続けてしまいます。

顧客起点マーケティングを活用して、強い「アイデア」を創出する手がかりは何なのか。顧客が自社ブランドと他社ブランドをどのように認知して使い分けているか、そこからわかる強みと弱みを明確に把握していくことが大切です。

参考文献


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